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[欧州]
マイクロソフト、SaaS事業への取り組みを強化──研究施設を世界各地に設置

(2006年11月21日)

 米国マイクロソフトは今週、欧州の管理ホスティング・サービス・プロバイダーと提携して「インキュベーション・センター」を構築し、独立系ソフトウェア・ベンダー(ISV)のアプリケーションやビジネス・モデルをSaaS(Software as a Service)モデルに適合させる作業を支援するという、新たなプログラムを開始する見込みだ。これにより、ホスティング・アプリケーションの選択肢が増えると見られている。

 SaaS専門の研究施設となるインキュベーション・センターは、NTTヨーロッパ・オンラインがイギリスとフランスに、セブングローバルがイギリスにそれぞれ開設することになっている。また来月には、アジアと北米地域のセンターもオープンする予定だという。

 このプログラムに参加するISVは、マイクロソフトのライセンス・プログラム「Service Provider License Agreement(SPLA)」に登録する必要がある。SPLAに登録すれば、マイクロソフト製品をエンドユーザーの顧客に月単位でライセンスすることができる。また、ホスティング・パートナーを探す際にはマイクロソフトの支援を受けることができ、最初の1年は一部ソフトウェアの値引きも受けられるという。

 ホスティング・パートナーは、マイクロソフトのホスティング・プラットフォームを使ってアプリケーションを提供する。このプラットフォームには、サービス対応アプリケーションのセットアップや、ユーザー・プロビジョニング、パフォーマンス監視、利用追跡などをサポートするツールが搭載されている。

 このプログラムは、マイクロソフトがSaaSモデルから利益を得るために推進している新たな試みの1つと言える。SaaSモデルはアプリケーション・ビジネスにとって脅威と見なされており、マイクロソフトは現在、このモデルを徐々に取り込もうとしている。

 米国セールスフォース・ドットコムが先鞭を付けたこのホスティング・モデルは、アプリケーションの修正やアップグレードなどの作業をアウトソーシングすることにより、エンドユーザーが負担するソフトウェア導入コストの節減に貢献する。

 NTTヨーロッパ・オンラインのマーケティング・ディレクター、ロバート・ステグレス氏によると、マイクロソフトとの提携は独占的なものではなく、NTTヨーロッパ・オンラインでは、Linuxなど他のプラットフォームでも引き続きホスティング・アプリケーション・サービスを提供し続けるという。

 ステグレス氏によると、今回のプログラムに最も魅力を感じるのは小規模なISVであり、これを機に初めてSaaSモデルを導入しようとするベンダーが現れる可能性もあるという。

 ステグレス氏は、「1年間有効な1回限りのライセンスでソフトウェアを販売することに慣れ親しんできたベンダーにとって、ライセンシング・モデルや販売チャネル、手数料や財務の体制をすべて変更し、毎月更新されるSaaSモデルに移行することは大変な作業だ」と語る。

 インキュベーション・センターでは、マイクロソフトとホスティング・パートナーが共同でアーキテクチャ設計やビジネス開発などのトレーニングを提供し、移行作業を支援することになっている。

 ステグレス氏によると、トレーニングの費用は「名目的な額」になるという。マイクロソフトとホスティング・パートナーが、新規参入企業を呼び込むために、このサービスに助成を行っているからだ。

 NTTヨーロッパは、今週イギリスとフランスにインキュベーション・センターをオープンさせ、十分な需要があるようなら、同社が事業を展開しているスペインとドイツにもをセンターを開設する予定だという。

 マイクロソフトによると、このプログラムでは、ISVが自前のアプリケーションを提供できるよう支援することに重点が置かれているが、ExchangeやSharePointのホステッド・バージョンなどのマイクロソフト製品も提供することができるという。

 ステグレス氏は、ホステッド・アプリケーションはだれもが使えるというわけではないが、需要は伸びつつあると指摘する。

 「当社のWebサイトでは先週金曜、SaaSへのヒット数が管理ホスティング・サービスの10倍になった」(ステグレス氏)

 プログラムの名称は、ホスティング・パートナー・プログラムが「Microsoft SaaS Incubation Center Program」、ISVプログラムが「Microsoft SaaS On-Ramp Program」となる予定。

(ジェームズ・ニコライ/IDG News Service パリ支局)




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