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[米国]
Windows開発責任者のメールで明らかになったVista開発方針変更の舞台裏
(2006年12月13日)
米国マイクロソフトのプラットフォーム&サービス部門の責任者で、Windows Vistaの開発を統括していたジム・オールチン氏が、Vistaの開発方針を巡ってビル・ゲイツ会長とスティーブ・バルマーCEOに苦言を呈していたことが明らかになった。
| Vistaの一般発売を待たずしてマイクロソフトを去るマイクロソフトのプラットフォーム&サービス部門の責任者で共同社長のジム・オールチン氏 |
この事実が明るみに出たのは、マイクロソフトを相手取った反トラスト法違反訴訟が背景にある。オールチン氏は2004年1月にゲイツ氏とバルマー氏に対してメールを送っているが、そのメールが、アイオワ州で開かれている裁判の冒頭陳述で、同社が顧客ニーズを軽視していたことを裏付ける証拠として原告側から提出されたのだ。
オールチン氏は、同メールの一部は自分が書いたものであると認めたうえで、メールの一部分だけが一人歩きすることに懸念を表明している。
原告側が提出した資料によると、Vistaの開発が行われていた2004年1月7日、オールチン氏はゲイツ氏とバルマー氏に対し、「マイクロソフトが顧客のニーズを見失ったかどうかは判断できない。しかし、われわれは進むべき道を見失ったと思う。Vistaの開発チームは、顧客が直面している最重要課題を理解していない。Vistaに搭載される機能にはすぐれたものもあるが、場当たり的に導入された機能も多い。これでは良い製品にはならない。もし自分がマイクロソフトの従業員でなければ、アップルからMacを買うだろう」という内容のメールを送信したという。
このメールは、オープンソースに関する法的問題を追っているGroklaw.netに投稿されており、Computerworldオンライン米国版では同メールがオールチン氏のメールであることを確認した。
ゲイツ氏とバルマー氏に送ったメールについて、オールチン氏は12月12日、Vista関連のブログ上で「このメールは3年前のものだ。“もし自分がマイクロソフトの従業員でなければ、アップルからMacを買うだろう”という過激な表現を用いたのは、問題点を強調するためだった」と弁明。同氏の指摘によってVistaの開発プロジェクトが軌道修正されたことを強調した。
「あのメールは自己批判の精神にのっとったものだ。マイクロソフトの社員はだれでも自己批判の精神を身に付けており、より良い製品を提供することが自分たちの義務であると考えている。あのメールはそれを実践した好例だ」(オールチン氏)
これまで、オールチン氏をはじめとするマイクロソフトの幹部は、Vistaの出荷が予定よりも2年遅れたことについて、同社が提唱する「Trustworthy Computing」(信頼性の高いコンピューティング)のコンセプトに基づき、バグのない製品にするためにコードを大幅に書き直したことが理由だと説明していた。
オールチン氏のメールが裁判にどう影響するのかはわからない。マイクロソフト側の冒頭陳述は12月13日に行われるもようだ。
(エリック・レイ/Computerworld オンライン米国版)
- 米国マイクロソフト
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