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ITプロジェクトは「スピード最優先」の時代に

競争優位に立つために、2007年は投資の早期回収を目指せ

(2007年02月14日)

IT予算の圧縮傾向が続くなか、ITマネジャーたちは、限られた投資で最大の成果を上げるべく、必死の努力を続けている。プロジェクトから、可能な限り迅速に、具体的な効果やビジネス価値を引き出すことが、今や、彼らの最大目標になっているのである。

ステーシー・コレット
Computerworld 米国版

 これは、言葉をかえれば、競争優位を確立するために、2007年には何よりも「スピード」が求められるということである。デロイト・コンサルティングでパートナーを務めるリッチ・ペンコスキー氏は、次のような言葉で、その状況を説明する。

 「プログラムの開発期間が延びると、組織内の関心は急速に低下する。市場も競争相手も、プロジェクトが終了するのを悠長に待っていてはくれないのだ」

 Computerworld米国版が先ごろ実施した四半期ベースの動向調査「Vital Signs」(回答数252)によると、短期間に成果を得やすいプロジェクトとして挙げられたのは、データ管理、ウイルス対策、電子メール/グループウェア、VoIP、ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)などであった。また、目に見えるかたちで成果が期待できる分野としては、ERP、電子メール、Webサービス、データ管理、ビジネス・インテリジェンス、それにワイヤレスおよびモバイル・システムなどが挙げられた。

 しかも、寄せられた回答によれば、多くのCIOが、実際にそうしたプロジェクトを「短期間で終わらせる」ことによって、成果を上げた経験があるという。では、彼らはそうしたプロジェクトを、どのように立案・遂行し、成功へと導いたのであろうか。

 以下では、上の調査に回答を寄せた企業のプロジェクトの中から、「短期間で成果を上げたもの」を選び出し、それぞれのプロジェクトの概要や具体的な成果を紹介することにしたい。

わずか半年で結果を出した
「VoIPプロジェクト」

 ノースカロライナ州のヒッコリー市は、つい最近まで、旧式の電話サービスの利用を余儀なくされていた。そのため、同市でITディレクターを務めるジェフ・ブリテイン氏は、4万人の市民に対して行政サービスを提供する市庁舎には、それにふさわしい21世紀の最新技術を導入すべきだという夢にとらわれ続けていた。具体的には、ユーザー(市役所の職員)にとってより高機能な、管理しやすい電話サービスを提供できるシステムが必要だと考えていたのである。

 当時のヒッコリー市の電話システムは、電話サービス・ベンダーの資産であり、同市は毎月使用料を払ってこれを利用していた。「われわれは自前では何も所有していなかった。そのため、なにか変更しようとするたびに、ベンダーに連絡をとって変更してもらうしかなかった。ベンダーがすべてをコントロールしており、われわれは単なる“顧客”に過ぎなかったのだ」と、ブリテイン氏は当時を振り返る。

 そこで、ブリテイン氏はまず、システム要求定義(RFP)プロセスを、ハードウェアとサービスとに切り分けた。そして、最初に10数社のハードウェア・ベンダーを集め、グループ・ミーティング形式で質疑応答を行った。そういう形態をとったのは、業者の選定に「公平を期すため」(同氏)である。

 RFPが確定すると、市は通常コスト、保守コスト、ナレッジ・トランスファ、トレーニング・ニーズ、インフラストラクチャなどについて検討した。ちなみに、市庁舎の通信インフラは、その数年前にカテゴリー6の非シールド型ツイストペア・ケーブルに変更済みであった。「そのことも、われわれの決定を強く後押しすることになった」と、ブリテイン氏はタイミングの良さを力説する。

 実際、最終的にハードウェアの納入契約を結んだのは、最低価格を提示したベンダーではなく、そのツイストペア・ケーブルを敷設したベンダーだった。ヒッコリー市のその他のインフラ整備を手がけていたこともあって、同市とそのベンダーとは良好な関係を保っていたのである。そして、その関係があったうえ、ケーブルなどのインフラが整備されていたために、同市はわずか6カ月という短期間で、VoIPシステムを実装することができたという。しかも、16万5,000ドルほどかかった投資は、3年以内に回収できる見込みだ。

 「プロジェクトは迅速に遂行され、コストも抑えることができた。それまで慣れ親しんでいたハードウェアを選択したからだ。そのため、習熟曲線も急勾配で上昇した」(ブリテイン氏)

 その後、ヒッコリー市はサービス部分の入札を行い、現在契約している電話会社を選んだ。インフラ部分とは別のベンダーを選んだ理由を、ブリテイン氏は次のように説明する。

 「変更しない(同じベンダーにする)という選択をするのは簡単だが、(サービスを担当することになった電話会社は)コストを大幅に引き下げてきた。当市からの受注を巡って、ベンダー間で激しい価格競争が展開されることを予期していたからだ。市場で生き残るために激烈な競争が展開されているというのに、それを利用しない手はない」

成果

 新しい電話システムを自前で所有したことにより、ヒッコリー市は年間5万2,000ドルのコスト削減に成功した。さらに、今春、2つの市立図書館にもVoIPを拡張することにより、新たに年間7,000ドルから8,000ドルのコストをセーブできると見込んでいる。

ブリテイン氏のアドバイス

 プロジェクトで早期に結果を出したいのであれば、自分たちのインフラとニーズを熟知している「既存のパートナー」を選ぶべきだ。

 「もしわれわれに長年つきあいのあるパートナーがいなかったら、これほど簡単に移行することはできなかっただろう」とブリテイン氏。


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