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[米国] 【ブルッキングス研究所調査】
ITアウトソーシングが都市部の雇用喪失を加速

米国政府に雇用喪失を遅らせるための対策を勧告

(2007年02月21日)

 米国ブルッキングス研究所が今週発表した調査結果によると、オフショア化により今後数年間、プログラミングやソフトウェア開発、またデータキー入力などのバックオフィス業務は、これら職種の雇用が最も多い都市部で2割も失われるという。

 ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所は、今日のITワーカーにとって最大の不安要因の1つである雇用喪失の規模を算出するとともに、米国政府にこのトレンドを遅らせるための対策を勧告している。

 『The Implications of Service Offshoring for Metropolitan Economies(サービスのオフショア化が都市経済に及ぼす影響)』と題した同リポートは、単にオフショア化の影響を評価する他の調査とは異なり、IT関連の仕事が集中する都市部にどのような影響を及ぼすかを細かく分析している。

 同リポートによると、サービスのオフショア化により、米国人口の13.5%を占める28の都市部で2.6〜4.3%が失業することになるという。特にコロラド州ボルダー、マサチューセッツ州ローウェル、サンフランシスコとサンノゼ、コネチカット州スタムフォードは、3.1%を超える非常に高い雇用喪失率になると見られている。

 ニューヨーク、シカゴ、フィラデルフィア、ロサンゼルスなど、その他の都市でも2.1〜2.5%の雇用が失われる。一方、ラスベガスとカリフォルニア州リバーサイドは恵まれているという。この2つの都市は人口100万人以上だが、オフショア化による雇用喪失は1.5%未満にとどまる見通しだ。実際に、ラスベガスではITワーカーが不足しているほどだ。

 「米国全体で見れば、今後10年間でサービスのオフショア化によって失われる仕事はごくわずか」だが、ITへの依存度が高い職種とルーチンやルール・ベースの職種など、サービス業の種類によってはオフショア化の比率が高くなるとリポートは指摘している。

 同リポートはまた、「オフショア化の結果、特にITやバックオフォスの職種は、2015年までに都市部での雇用喪失が最高24%に達することも考えられる」と警告を発している。ブルッキングス研究所は、コンピュータ・プログラミング、ソフトウェア・エンジニアリング、データ入力の少なくとも17%は、特定の都市部からオフショア化されると予想する。

 オフショア化に伴うITとバックオフィスの雇用喪失により最も影響を受けそうな都市として、ニュージャージー州ベルゲン/パセイック、ボストン、コロラド州ボルダー、コネチカット州ダンベリー、デンバー、コネチカット州ハートフォード、ミネソタ州ミネアポリス、ニューハンプシャー州ナシュア、ニュージャージー州ニューアーク、カリフォルニア州オレンジ・カウンティ、サンフランシスコ、サンノゼ、コネチカット州スタムフォード、デラウェア州ウィルミントンの名前が挙がっている。

 ブルッキングス研究所の経済調査担当上席フェローのロバート・アトキンソン氏と上席リサーチ・アソシエートのハワード・ウィアル氏は、同リポートの中で、オフショア化には「十分な注意と対策が必要だ」と述べている。

 両氏は、サービス職の中でも特にIT依存型の職種はオフショア化しやすいものの、「ITを利用するサービスがすべて世界中どこでも行えるわけではない。世界は“平準化”したと言われるが、実際にはそうでない」と前置きしたうえで、隠れたコストや仕事の質の低下、契約紛争など、企業にとってのリスクもあると指摘する。

 さらに、オフショア化は雇用喪失に加え、「国際競争にさらされたサービス職の賃金低下にもつながる」と両氏は警鐘を鳴らしている。

(パトリック・ティボドー/Computerworld オンライン米国版)




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