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【連載】
新時代のITキャリア
第4回 「IT財務責任者」
(2007年03月22日)
IT業界では、常に新しい技術が誕生している。そして、新しい技術が普及すれば、当然、その使い方も普及し習熟へと向かう。そうすると、それを束ね、管理する職種(役職)が必要になる。その結果、昔は「コンピュータ課」や「情報処理システム室」だけで済んでいたユーザー企業のIT部門も、複雑に枝分かれし、さまざまな職種や役職が生まれることになる。本連載では、そんなIT部門の職種の中でも特にホットなものを選び、その仕事内容や必要とされる能力、労働条件や待遇といったものを紹介していくことにしたい。今回は、「IT財務責任者(Head of IT finance)」を取り上げる。
【職務概要】
IT部門だけでなく、他部門のITコストを審査・分析し、企業全体のIT予算を立案する。ITインフラの導入からベンダーの選択・調達までを“財務”上の観点から検討し、ITコストを管理する。
また、ITにかかわる処理が、SOX法(米国企業改革法)や財務法令、それらに対応する社内ポリシーを順守しているかどうかを監査する。
米国マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングのデビッド・バン・ド・ブート氏は、「IT財務責任者にとって自社のITシステムをSOX法に適用させることは、大きな負担であると同時に、IT部門はSOX法のコンプライアンスに重要な役割を担っている」と説明する。
ちなみに、IT財務責任者の肩書きは企業によって異なる。IT部門に100人以上のスタッフを擁する企業では、CIO直属の「IT財務担当バイスプレジデント」が一般的のようだ。
【存在意義】
IT投資から最大限の費用対効果を引き出すために存在する。部門ごとにITを導入している企業では、IT投資に対する費用対効果が不明瞭である場合が多い。こうした問題を解決し、企業のIT投資に透明性を持たせることもIT財務責任者の重要な役割である。
【必要な経験/スキル】
各部門の事業内容を把握し、適切なIT投資ができる決断力、技術的な問題を“ビジネスの視点”から説明できるコミュニケーション・スキル、IT部門の管理職もしくはプロジェクト・リーダーの経験、財務分野で10年以上の職務経験。ビジネス、IT、財務または関連分野の学士号を有していることが望ましい。
【適した人材】
米国のヘッドハンティング会社、プレジデント兼マネージング・パートナーのマイク・バーゲット氏は、IT財務責任者に求められる人物像として「財務システムを理解し、システムとビジネス・プロセスに関する知識が豊富であること」を条件に挙げる。
テクノロジーを積極的に理解しようとする熱意があり、バイスプレジデント・レベルのIT財務責任者に適した人材は、IT部門ではなく財務部門で見つかることが多い。
【雇用側が求めるべき能力】
卓越した外交手腕とコミュニケーション・スキルが求められる。米国マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングのデビッド・バン・ド・ブート氏は、「IT財務責任者には、知らない部門に第三者の立場で、IT導入の必要性(その逆もある)とその費用対効果を提示し、相手を納得させられるだけのコミュニケーション・スキルが必要とされる」と指摘する。
【採用の決め手となる“究極の質問”】
現在、部下とその仕事をどのように管理しているか――。この問いに対する答えがコスト削減に関することばかりであれば要注意だ。
“数字上の結果”だけを出そうとする人間は必要ない。求めるべき人材は、ビジネス・プロセスを熟知し、ITシステムから価値を引き出す方法を理解している人材だ。
【年収】
10万〜15万ドル
(マーク・フェランティ/IDG News Service ニューヨーク支局)
- 新時代のITキャリア
- 第1回 「オフショア・プロジェクト・マネジャー」
- 第2回 「ベンダー・マネジャー」
- 第3回 「BIアナリスト」
- 第4回 「IT財務責任者」
- 第5回 「下流プログラマー」
- 第6回 「上流プログラマー」
- 第7回 「システム・エンジニア」
- 第8回 「プロジェクト・マネジャー」
- 第9回 「アーキテクト」
- 第10回 「ヘルプデスク」
- 第11回 「テクニカル・サポート」
- 第12回 「システム管理者」
- 第13回 「ネットワーク管理者」
- 第14回 「一般ユーザー・トレーナー」
- 第15回 「ITプロ/開発者向けトレーナー」
- 第16回 「ITコンサルタント」
- 第17回 「CIO(Chief Information Officer)」
- 第18回 「CSA(Chief Software Architect)」
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