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最先端ITの“夢”と“現実”――企業ITのあり方を変える?!
超伝導/自律/DC電源/相変化/量子/TIA ……
(2007年04月02日)
セマンティックWeb
セマンティックWebは、ティム・バーナーズ・リー氏が1999年に提唱した概念である。Web経由で配信されるドキュメントの“意味”を、コンピュータが解釈し、それに即した処理を行えるようにするというのが、セマンティックWebの基本的な考え方だ。
このアイデアは当初、きわめて“学術的”なコンセプトに思えたが、今日では、企業におけるWeb活用のあり方を大きく変えるものとして、注目を集めている。
セマンティックWebを実現するための要素技術としては、XMLや「RDF(Resource Description Framework)」 、および「OWL(Web Ontology Language)」などが挙げられる。
このうちRDFは、Web上のリソースに関する情報(メタデータ)を表現するための統一的なフレームワークだ。セマンティックWebにおけるデータ交換のための標準フォーマットでもある。ちなみに、RDFの応用例としてRSS(RDF Site Summary)がよく知られている。
また、OWLは、語彙と語彙との関係を記述したり、インターネット上に存在するさまざまな「オントロジー」(用語の定義)を用いて、情報を交換したりするための言語である。
例えば、特定の専門知識を持った複数のコミュニティが、それぞれの情報を分類するオントロジーを、RDF(RDFのスキーマ)や、「SKOS(Simple Knowledge Organization System)」、およびOWLなどによって作成したとしよう。セマンティックWebは、これらのオントロジーをすべて結びつけ、巨大なオントロジーを構成することができる。これにより、コンピュータを使った“知”の発見や関連情報の統合化、配信などが容易になるのである。
トータル・インフォメーション・アウェアネス
米国国防総省の「IAO(Information Awareness Office)」は2002年、テロリストを追跡するためのハイテク計画を始動させた。
それが、「トータル・インフォメーション・アウェアネス(TIA)」と呼ばれる、冗談のような壮大な計画である。
また、この計画をより滑稽にしたのが、プロジェクト・リーダーとして選出された人物である。その人はだれあろう、イラン・コントラ事件で有罪判決を受けた米国海軍少将、ジョン・ポインデクスター氏だったのである。
ともあれ、TIAのゴールは、想像を絶するほどの膨大な公衆データとプライベート・データを収集・保存し、分析して、過去の行動パターンから将来の行動を予測し、テロや犯罪を未然に防ぐというものであった。そう、それはまさに、SF映画の「マイノリティ・リポート」の世界を実現しようという、常軌を逸した計画だったのである。
当然のことながら、この計画はすぐに頓挫し、「Terrorism Information Awareness」という名称の新TIAプロジェクトとして再スタートを切ることになった。
もっとも、新TIAも、旧TIAほどではないにしても、かなりの強引さが目立つ代物であった。
例えば、このシステムの実現には、あらゆる米国民や外国人のクレジットカードの取り引き記録や、医療記録、Webサイトの利用状況、旅行日程、電子メール、電子指紋などの情報を収集し、すみやかに分析する仕組みが必要とされた。そのため、かのポインデクスター氏は、「情報の収集・保存、分析、そしてアクセスを実現するあらゆる技術をドラスティックに進化させてほしい」と、ITベンダー側に要請したのである。
むろん、それは文字どおり“無理な注文”であり、結局、新TIAプロジェクトも、数々の技術的な障壁に突き当たり、現実的な意味は失われていった。
しかも、TIAのコンセプトに対して、プライバシー擁護派が怒号を張り上げ、米国世論も“反TIA”へと傾いていった。そして2003年、TIAのプロジェクトは、事実上、消滅することになった。
なお、米国テラデータは現在、異種のデータベースから収集した数PBのデータを、大規模な統合データ・リポジトリに移動させ、データ・マイニングを実行するというソリューションを提供している。また、今日の音声分析ソフトウェアは、顧客との通話記録をビジネス・インテリジェンス用に解析する機能を備えている。
当然のことながら、これらの予測・分析ソリューションを駆使しても、テロリストの攻撃を予知することは不可能に近い。だが、例えば、精密機器などの故障率を分析することは可能であり、ユーザーは、それを基に商品在庫を調整したり、最適化したりすることができる。
TIAは明らかに常軌を逸した計画であり、見事に崩壊したが、その残骸を寄せ集め、また違う角度からながめてみると、ビジネスに生かせそうな部分もあることはある。しかも、今日のITは、そうしたアイデアを具現化する能力を、着々と身につけつつあるのである。



















