【 ここから本文 】

キャリアアップ

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


【インタビュー】
グーグル幹部、R&Dセンターの国際展開構想を語る

「グーグルは、R&Dもグローバルに考える」

(2007年08月01日)

米国グーグルは先ごろ、シンガポールに新たなR&Dセンターを設置する計画を発表した。これを機に、同社の国際エンジニアリング・オペレーション担当ディレクター、カンナン・パシュパシー氏がIDG News Serviceのインタビューに応じ、R&Dへの投資を拡大し続けるグーグルのねらいと課題について語った。ちなみに、パシュパシー氏は米国外のR&Dセンターの設立・運営に関する責任者であり、3年足らずの間に20ほどのR&Dセンターを新たに建設したほか、それらのセンター間を結ぶネットワークの監視にも携わっている。以下、パシュパシー氏へのインタビューの内容をまとめた。

サマー・レモン
IDG News Service シンガポール支局

――グーグルは、以前はわずか3カ所にすぎなかった米国外のR&Dセンターの数を、3年足らずの間に20カ所以上に増やしたと聞いた。だが、企業文化を維持しながら、会社の成長に見合ったペースでR&Dセンターを立ち上げるというのは容易なことではないと思う。そんな中で、グーグルはなぜこれほどのペースで国際R&Dセンターを増やしたり、それらを結ぶネットワークを構築したりしようとするのか。

 確かに、日々変革するこの業界にあって、このようなスピードでR&Dセンターを立ち上げるのは、大変な作業だ。しかしながら、プロジェクトに必要な人員はまだまだ不足している。当社は、多言語をサポートする製品を投入したり、あるいは国ごとの製品を同時にリリースしたりすることで、「グローバル・カンパニー」としての成長を維持しているが、正直言ってエンジニアリング面ではかなり厳しい。そのため、各国・地域ごとにR&Dセンターを設立する必要があるわけだ。

――R&Dセンター間では日常的に相互通信が行われているのか。また、センター間ではどのようにプロジェクトを共有しているのか。

 まず相互通信については、もちろん日常的に行っている。形態として多いのは、電話やビデオを介した通信だ。当社のセンターはすべてコーポレート・ビデオ会議システムでつながっているため、各チームが必要なときに連絡を取り合うことができるのだ。しかしながら、時差の問題があるため、電話やビデオがいつも役に立つとは限らない。

 そこで、「共同作業を行う際には、あまり多くのロケーションに作業を振り分けない」、「異なる場所で作業を進めるチームは、常にコミュニケーションを行わずとも済むようなプロジェクト構成にする」といった、簡単なルールをいくつか設けている。また、センター別に2〜3の専門分野を割り当てることで、あるスキルが特定のセンターに集中するようにしている。これにより、研究開発(R&D)を行う際の効率がアップするわけだ。

 なお、それぞれのセンターには、グローバルとローカルの両方のプロジェクトを担当させるようにし、どちらの分野にも貢献するようにしている。

――グーグルの企業文化と水平型組織を米国以外の国に浸透させるに際して、何か障壁のようなものはあったか。

 まず大前提として、そういったものに対してオープンな考え方を持った人を採用するようにしている。実際、当社では異文化適応能力を持っているかどうかを確かめるために、入社時に厳しいテストを行っている。当社にとっては、その人の才能、分析能力、問題解決能力、成績に加えて、異文化適応能力が非常に重要なのだ。

 異文化適応能力テストでは、「オープン思考」、「異文化を尊重する考え」、「あらゆる人々から学ぼうとする姿勢」のほか、「重要なのはヒエラルキーではなくアイデアだ」ということを理解しているかどうかが試される。どこかの会社に勤めた経験がある人なら、すでにそうしたことはある程度実践しているだろうし、少なくともそうした方向に自分を向かわせようと努力しているはずだ。

 しかしながら、年齢が高い人の中には、自分流のビジネスのやり方に固執して、いくら努力しても当社のような能力主義の環境に適応できない人もいる。当社では、大学を卒業したばかりの新卒社員が、20年も社会人をやっている社員と同じ発言権を持っているのだから。

――グーグルが今年4月に中国でリリースした簡体字IMEの辞書データベースが、ライバルである捜狐(Sohu)の辞書データベースを不正転用したものであることが明らかになったが、このような結果を招いた原因は? そして、そこから学んだことは?

 これは、あるまじき過ちだった。原因を追及すべく社内調査を行い、このようなことが二度と起こらないよう厳しい措置を講じた。

 ただ、こうした事件は、社内の慣行を見直し改善する機会にもなる。当社では現在、テクノロジーの革新に加えて、社員管理をはじめとするプロセスの革新にも力を注いでいる。

 グーグルは非常にオープンで透明性に富んだ企業文化を有しているが、今回の失態は、それが裏目に出た格好だ。組織もきわめて水平であるため、一人ひとりの社員にまで注意が行き渡らないうらみがある。質問のあった事件にはインターンが関与していたことがわかったが、会社としてもっと厳しく監督をしておくべきだった。

 企業で勤務した経験のない人を使う場合には、彼らが「正しく動く」との前提に立っていてはいけないということを、われわれはこの事件から学んだ。さらに、そこがそのスタッフにとって初体験の職場である場合には、なおさら、きちんとしたトレーニングを施す必要があるということも。




▲ページの先頭へ戻る


キャッチアップ

不況時こそ優秀な「エンタープライズ・アーキテクト」の存在が不可欠――フォレスターが主張

「IT投資ではアーキテクトが経営陣をリードすべき」と提言

“使いにくい”就職支援サイトの実態――フォレスターの調査で浮き彫りに

「求職者、求人企業の双方にとって悪影響をもたらす」

米国の大手ITベンダーCEO、報酬はどのぐらい?

業績好調で報酬がアップしたCEO、業績好調なのに報酬がダウンしたCEO

今後求められるのは、「ワイヤレス関連スキル」を持つ技術者

すべての地域および業界で最重要のITスキルに

熟練したITワーカーの不足に悩む米国IT業界

防衛業界と並び、深刻な人材難が続く

2008年のオープンソース動向を読む

M&Aが活発化するなか、人材不足はさらに深刻に

熟練したITワーカーの不足に悩む米国IT業界

防衛業界と並び、深刻な人材難が続く

「国際化と技術革新によって仕事の意味が変わりつつある」――マイクロソフト幹部が提言

加速的に増加する「新たな仕事環境」への対応の重要性を強調

【CIOコネクト調査】スキル不足が企業ITの進化を妨げている

求められる新時代のプロジェクト・リーダーとは

オープンソースが「開発系」で強い理由

開発者とOSSの良好な関係を生むエコ・システム

最先端ITの“夢”と“現実”――企業ITのあり方を変える?!

超伝導/自律/DC電源/相変化/量子/TIA ……

【ガートナー調査】日本のCIO、最優先課題は「人材育成」と「セキュリティ技術」

悩みは経営者の期待と現場の課題とのギャップ

COBOLは死せず

COBOLプログラマーを育成・確保する秘訣

【ガートナー調査】IT部門に必要なのはビジネス・センス

1,400人のCIO調査で明らかに

2010年の企業ITリーダーに求められるスキルとは

“バーサタイリスト”が企業ITを牽引する時代に

「優秀なIT部門」を維持するために

激しい雇用競争の中ですぐれた人材を探し、確保する方法

「全社横断型の戦略部門」への転換がIT部門の未来を切り開く

企業の“DNA”に沿った事業戦略をITで具現化するという「大役」を果たすために

適切な要求仕様を仕上げるための8つの秘訣

“曖昧さ”がコストを肥大化させる

ITスタッフが取得すべきセキュリティ認定資格はこれだ!

情報セキュリティに関する各種認定資格をセキュリティ専任スタッフの育成に活用する

ITワーカー受難の時代。サバイバル・レースを勝ち抜くには

IT/IS部門に求められる「新しい役割」を探る

ニッポンのITの将来を担うか? IPAの「未踏ソフトウェア創造事業」

「天才プログラマー」の発掘・育成計画の実態と成果に迫る

キーパーソン

「イノベーション」で生存競争を勝ち抜け!

『ライフサイクルイノベーション』の著者、ジェフリー・ムーア氏が語る「イノベーション戦略」

グーグル幹部、R&Dセンターの国際展開構想を語る

「グーグルは、R&Dもグローバルに考える」

ユーザビリティの第一人者が語るWebデザインのベスト・プラクティス

「まずはユーザー評価の実践を!」

「ベンダー・ロックインを回避し、公平な競争社会を」

IPA OSSセンター長の田代氏が強調

マイクロソフトのバルマー氏が明言、「SaaSの普及はIT関連の雇用喪失にはつながらない!」

ITプロは新たなスキルを習得する必要があるとの“ゲキ”も

「FLOSSのインパクトに今から備えよ」

LinuxWorldでグーグルのスタイン氏が熱弁

【VIDEOインタビュー】
Linuxの“生みの親”リーナス・トーバルス氏が語る

Linuxの魅力、Vistaのネック

「OSSコミュニティの仕事はソフトだけでは終わらない」

“コモンズ”のレッシグ氏がLinuxイベントで強調

連載

Weekly Ranking

集計期間:11/25〜12/01



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国