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[米国/台湾]
IBMとメディアテック、HD映像の高速転送が可能な無線チップセットを共同開発
Wi-Fiに比べ100倍以上高速のmmWave技術を採用
(2007年10月23日)
米国IBMと台湾の半導体設計会社メディアテックは10月21日、現行のWi-Fiチップよりもはるかに高速な無線チップセットの開発で提携したと発表した。両社は、HDTV(高品位テレビ)やコンシューマー向けハンドヘルド・デバイスなどでHD(高精細・高画質)映像の高速転送を可能にする無線チップセットを共同で開発する。
両社が共同開発する無線チップセットには、Wi-Fiに代わる高速無線ネットワーキング技術の「mmWave」(ミリメートル波)が採用される予定だ。mmWaveはIBMリサーチが開発した技術で、IBMによるとデータ転送速度がWi-Fiの100倍以上も高速だという。IBMとメディアテックは、HDTVやSTB(セットトップ・ボックス)、DVDプレーヤー、PCなどを無線で接続する手段として、mmWaveの普及拡大に努めるとしている。
IBMアジア・パシフィックのグローバル・エンジニアリング・ソリューション販売流通担当バイスプレジデント、デビッド・フェアクロス氏によると、IBMとメディアテックはmmWaveの到達範囲の拡大や、チップセットの製造手法の開発に力を注ぐ方針だ。
| IBMが試作したmmWave実装のチップセット |
IBMはmmWaveの開発に4年の歳月をかけており、昨年2月には非圧縮HDビデオの無線送信が可能な10セント硬貨サイズのチップセットを試作し、デモを行っている。
両社の共同声明によると、この合弁事業では、IBMがmmWaveの無線チップやアンテナ、パッケージに関する技術を提供し、メディアテックのほうはデジタル・ベースバンドとビデオ処理チップに関する専門知識を提供するという。
両社は、チップセットの実用化にメドがついた時点で、パートナー関係にある世界各国のエレクトロニクス企業とともにmmWaveの各種製品への組み込み作業を開始する予定だ。
また、開発プロジェクトの進展に合わせる形で、シリコン・ゲルマニウムをベースにした既存の線幅130nm(ナノメートル)から、広く普及しているCMOS(相補型金属酸化膜半導体)ベースへと、チップ製造プロセスを移行するとしている。
ただし、mmWaveの普及にはいくつものハードルがある。まず、各社のHDTVやデバイス製品でこの無線技術を採用してもらわなければならず、業界標準規格の策定や無線周波数の調整も必要だ。また、Wi-Fiを上回る高速通信が可能なWiMAXなどのライバル技術にも対抗していかなければならない。ちなみにWiMAXに対しては、インテルやモトローラなど多くの有力企業が支持を表明している。
提携発表の会見の場でも、家屋やオフィス内にある壁などの障害物ごしにデータを無線送信する場合のmmWaveの性能について質問が出たが、IBMは即答を避けた。
(ダン・ニーステット/IDG News Service 台北支局)
- IBM(米国)
- http://www.ibm.com/
- メディアテック(台湾)
- http://www.mtk.com.tw/
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