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[世界]
SaaS導入はIT部門主導で進めるべき――ガートナーが“現状”に苦言
「ITマネジャーが意思決定のリーダーシップを!」
(2007年11月06日)
IT部門のマネジャーはSaaS(Software as a Service)導入の意思決定にもっと関与すべき――。調査会社ガートナーのアナリストが、同社主催のシンポジウムで、SaaS製品がIT部門の頭越しに社内に導入されている現状に注意を促した。
同社リサーチ担当バイスプレジデントのベン・プリング氏は、フランスのカンヌで開催されたシンポジウムで、会場を埋めた企業のITマネジャーに対し、「SaaSモデルは、すでに限界に達していた従来のエンタープライズ向けクライアント/サーバ・ソフトウェアの打開策として広く普及した」と語りかけた。
同氏が言うところの「限界」とは、クライアント/サーバ・ソフトウェアの稼働率の低さに関係する。「IT業界にはいくつかの“不都合な真実”がある。企業において、使われずに放置されているソフトウェアが非常に多いことは、もはや公然の秘密だ」(同氏)
プリング氏によると、シーベルがオラクルに買収される前に販売したソフトウェア・ライセンスのうち、65%は一度も使われたことがなく、サーバの稼働率も大企業で平均18%と非常に低い数値だという。導入とシステム統合に費やすコストはソフトウェア・ライセンスの10倍に匹敵することから(「1対10」の比率と呼ばれている)、「膨大なコストがむだになっている」と同氏は語る。
こうした「機能不全の時代」を逆手に取り、ビジネスに結び付けたのがSaaSベンダーだ。プリング氏はその成功例としてセールスフォース・ドットコムを挙げた。「彼らはSaaSのコンセプトと実用性を証明した」(同氏)
さらにプリング氏は、SaaSには多くのメリットがあると強調する。ユーザー企業としては、必要な機能だけに料金を支払い、しかも資本予算でなく運用予算から支払えるため、資金面での柔軟性が高まるというわけだ。IT基盤のサポートやソフトウェアの運用管理に関する悩みからも解放される。
ただし、プリング氏はSaaSのマイナス面も指摘した。その1つとして、ソフトウェア・ライセンスがユーザーの帳簿に資産として記載されず、IT部門側がアプリケーション群を完全に掌握しきれなくなる点を挙げる。ITマネジャーが知らないところでSaaSの導入が進んでいるのは、このことが一因でもある。
また、セキュリティ面の不安が解消されていないほか、導入済みのソフトウェアとSaaSの統合面でも「まだまだ苦労するはずだ」と同氏は警告する。
SaaSモデルの長期的なメリット/デメリットについては、まだほとんど知られていない。しかし同氏は、クルマをリースする場合と同様に、長期的にはかえってSaaSのほうが高くつくこともあると考えているようだ。
いずれにしろ、企業でSaaSモデルの採用が進んでいる以上は、ITマネジャーは意思決定に積極的にかかわらなければならないとプリング氏は力説する。同氏は、ビジネス・ユニットのマネジャーによってSaaS製品が購入されるケースが実際に多いと指摘。ITマネジャーはもっとリーダーシップを発揮すべきだと訴えた。
「SaaSに関するITマネジャーの仕事は、優れた処理能力と非常にわかりやすいインタフェースを併せ持つSaaS製品を探すことだ。また、優れたSaaS向けプラットフォームも用意しなければならない。SaaSの真のメリットはプラットフォームによって変わってくるからだ」(プリング氏)
(タッシュ・シフリン/Computerworld オンライン英国版)
- 米国ガートナー
- http://www.gartner.com/
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