【 ここから本文 】

クラウド・コンピューティング

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


クラウド・コンピューティング

【インタビュー】
ニコラス・カー氏、クラウド・コンピューティングのメリットと課題を語る

「企業のIT部門は縮小するが、存在感と重要性は増大する」

(2008年11月21日)

 ITの役割の変化に関する数々の論文や著作で名を知られるニコラス・カー氏は、11月11日に開催された「SIMposium 08」コンファレンスの基調講演を終えた後、Computerworld編集部のインタビューに応じ、クラウド・コンピューティングへの移行のメリット、ならびにIT部門幹部が直面する数々の問題について語ってくれた。

Thomas Hoffman
Computerworld米国版

 米国フロリダ州レイクブエナビスタで開催された情報マネジメント協会(SIM:Society for Information Management)主催の「SIMposium 08」コンファレンスで、11日朝に基調講演を行った作家ニコラス・カー(Nicholas Carr)氏は、「クラウド・コンピューティングへの移行は、20世紀初頭に自前で発電所を保有していた製造会社がたどった軌跡に似ている」と語った。

 同氏によると、IT予算を圧迫しつつあるシステム・サポートにかかる人件費をかけずにサーバおよびストレージの活用率を向上させたいとする企業が増加しており、ITも同様な変化を遂げる次なるビジネス・リソースになる」という。

 同氏は近著『The Big Switch: Rewiring the World, from Edison to Google』(クラウド化する世界:ビジネスモデル構築の大転換)の中で、企業はクラウド・コンピューティングによって資本設備コストを削減できる結果、IT予算を新製品開発など新しい分野への投資に充てられるようになると説明している。

 SIMposium 08の講演後、Computerworld編集部のインタビューに応じたカー氏は、クラウド・コンピューティングへの移行のメリット、ならびにIT部門幹部が直面する数々の問題について語ってくれた。以下、インタビュー内容をまとめた。

最終的にクラウド・サービスの信頼性は
平均的な企業システムのそれより高くなる

――Amazon.comの「EC2」および「S3」、また一部の「Google Apps」などのクラウド・サービスではこれまで何度もサービス障害が発生している。これではフォーチュン1000企業のCIOもクラウドの信頼性に懐疑的になるのではないか。

 いい質問だ。実際のところ、Amazon.comとSalesforce.comの稼働率を全体的に見ると、かなりいいレベルに達しているが、100%信頼できる企業内システムが存在しないのと同じように、Amazon.comやSalesforce.comといったクラウド・サービスが100%の稼働率を達成するのは不可能だろう。

 それでも時間の経過とともに、これらクラウド・システムの信頼性は着実に向上していく。そして最終的には平均的な企業システムの信頼性よりも高くなるはずだ。

 これから、いろいろな業務がそれぞれに異なる段階でクラウドに移行していくことになるだろう。その際の基準の1つとなるのが、そのシステムに求められる信頼性の高さだ。

 先日、情報局を含む連邦政府のCIOたちと話をする機会があったのだが、確かに、完全な防備を要するシステムもある。企業や政府が安心してこうした種類のアプリケーションをクラウド環境に移行できるようになるまでには相当の時間がかかるだろう。

 しかし、Amazonのインフラにしても、多様なSaaS製品にしても、すでにその多くが企業アプリケーションとして十分対応できる信頼性のレベルに達している。


 |1234 > 次のページへ



関連記事

▲ページの先頭へ戻る



Computerworld BLOG

キャッチアップ

マイクロソフト幹部、「Azure」によるデータセンターのクラウド化を展望

Windows Serverとの“補完関係”を強化し、オンプレミス方式への復帰も容易に

IBM/サンのクラウド戦略から見る「買収交渉」報道

買収交渉報道の当日、サンはクラウド・サービスを発表

ヴイエムウェア、仮想化技術を活用したクラウド戦略の詳細を明らかに

社内外のリソースを結合し“プライベート・クラウド”を構築

カリフォルニア大学の研究者が指摘する、クラウド・コンピューティングの「課題」と「可能性」

「ユーザーにとって低コストだが、利益率の高いビジネスになる可能性がある」

アマゾン、クラウド・データベース「SimpleDB」の公開テストを開始

「少なくとも6カ月間は無料提供」と同社

セールスフォース、クラウド型サイト構築・運用サービス「Force.com Sites」を発表

「Force.com」で開発した社内向けアプリを一般向けへと転用可能に

景気後退の中、活況を呈するITアウトソーシング業界

“新たな潮流”と顧客企業が注意すべきこと

「クラウド・インタフェース」策定に取り組む標準化団体OCC

目指すはクラウド・サービス間の互換性確保

クラウド・サービスへの移行で忘れてはならないDNS管理の問題

最適なトラフィック管理で高速かつ安定したサービス提供基盤を確保する

EMCのトゥッチ会長「クラウド・コンピューティングが情報の断片化を解消する」

コンシューマー市場とクラウドへの注力で“情報の爆発”に対応

グーグル、クラウド開発ツール「Google App Engine」をリリース

グーグルのインフラ上でWebアプリを構築可能に

IBM、クラウド・コンピューティングの導入支援構想を発表

グーグルとの大規模Web分散コンピューティングの取り組みを企業向けに展開

Weekly Ranking

集計期間:03/14〜03/20


SaaS World

ユーザー調査に見るSaaS活用の現状と指針

どうすればSaaSのメリットを最大限に引き出せるか

米国GEの大規模SCMにSaaSが選ばれた理由

「50万サプライヤーとの全取り引きの把握」のためにGEがSaaSを採用

2008年の国内SaaS/XaaS市場、前年比19.2%増の495億円に拡大

2009年以降も順調に成長を続け、2013年には現在の2.9倍に達する見込み

【SaaS World/Tokyo 2008】「SaaSは労働生産性を高め、日本経済に活力を与える」――総務省・西浦氏

世界最先端のブロードバンド環境を活用した日本の生産性向上戦略を説明

最新記事はこちら

仮想化

仮想化運用のカギは「仮想サーバの台数抑制」

仮想サーバの増殖で仮想化のコスト効果が帳消しになる可能性も

仮想化テクノロジーが克服すべき3つの課題

運用管理方法は? サポート体制は? 仮想化ベンダー選定の基準は?

「KVM」――Linux標準の仮想化機能の得意領域を知る

Linuxカーネルに統合された仮想マシン環境

“仇敵”マイクロソフトとレッドハットが手を結んだ理由

仮想化の普及でライバルどうしが協力しあうようになる?

最新記事はこちら



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国