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【連載】
新時代のITキャリア【トップ・マネジメント編】
第17回 「CIO(Chief Information Officer)」
(2008年05月30日)
IT業界では常に新しい技術が誕生している。そしてそれに伴いさまざまな職種や役職が誕生している。本連載では、IT業界の職種を取り上げ、その仕事内容や必要とされる能力、労働条件や待遇といったものを紹介していくことにしたい。今回はITキャリアの最高峰とも言うべき、「CIO(Chief Information Officer)」に注目してみよう。
横山哲也
グローバル ナレッジ ネットワーク、マイクロソフトMVP
【職務概要】
CIO(情報最高責任者または情報統括役員)は、企業の情報戦略を決定し、企業内のITシステムを統括する。IT関連の職種では最も高いポジションだが、詳細な技術スキルは要求されない。それよりも、経営に対するスキルのほうが重要視される。
例えば、「むだな在庫を削減したい」という課題があったとしよう。このときCIOには、「在庫予測管理システムを構築すれば、むだな在庫を削減できる」といった解決策をCEOをはじめとする経営陣に提案し、それを具体化する方法を示すことが求められる。
また、実績のある既存の技術を使うか、リスクはあっても将来性のある新しい技術を使うかどうかといった決断をするのもCIOの役割である。
ただし、CIOの職務で最も重要なのは、こうした技術的な判断ではない。文字どおり、企業における個人情報管理や経営情報管理の最高責任者であるということにつきる。例えば、企業内に蓄積された個人情報は厳しく保護されなければならないし、経営情報は株主に対して正しい数字を適切に公開しなければならない。こうした企業の情報にまつわる「すべて」の責任を持つのがこの役職である。
【存在意義】
CIOの存在意義は大きく分けて2つある。1つは、企業内の経営情報や個人情報など、すべての情報の責任者としての立場。もう1つは、企業の情報戦略立案の責任者としての立場である。
情報管理責任者の職務は、年々重要になっている。金融商品取引法(日本版SOX法)や個人情報保護法などの施行で、企業内に蓄積された情報の取り扱いは今まで以上に重要になっている。費用対効果が明確ではないからといってセキュリティ対策を怠った結果、個人情報漏洩を引き起こして莫大な損害賠償金を支払うようなことがあれば、CIOとしての職責を果たしていなかったとして、進退問題にかかわってくる。
また、企業の情報戦略立案責任者としての責務も、言うまでもなく重要である。例えば、社内の全情報をインデックス化し、検索可能な状態にするプロジェクトを行ったとしよう。この場合、何のために同プロジェクトを行い、それによってどのようなメリットがあるのかを明確にしなければ、大枚をはたいて「ちょっと便利になった」というだけで終わってしまう。
CIOは、新しいシステムの導入に責任を持つだけでなく、そのシステムで何ができるのかを明確なビジョンとして提示する必要がある。そしてそのビジョンは、CEOを含む経営陣で共有されなければならない。
ただし注意したいのは、CIOは単なるIT部門長ではないという点だ。あくまでも一般論だが、システム部門は保守的である。現在稼働しているシステムに不都合がなければ、刷新する必要はないと考えている人が多い。
一方、CIOは現在は問題がなくても、5年先を見越してシステムの刷新を提案する必要がある。また、システム部門の売却や買収など、他の経営陣とともに検討することも、CIOの役割だ。
- 新時代のITキャリア【トップ・マネジメント編】
- 第1回 「オフショア・プロジェクト・マネジャー」
- 第2回 「ベンダー・マネジャー」
- 第3回 「BIアナリスト」
- 第4回 「IT財務責任者」
- 第5回 「下流プログラマー」
- 第6回 「上流プログラマー」
- 第7回 「システム・エンジニア」
- 第8回 「プロジェクト・マネジャー」
- 第9回 「アーキテクト」
- 第10回 「ヘルプデスク」
- 第11回 「テクニカル・サポート」
- 第12回 「システム管理者」
- 第13回 「ネットワーク管理者」
- 第14回 「一般ユーザー・トレーナー」
- 第15回 「ITプロ/開発者向けトレーナー」
- 第16回 「ITコンサルタント」
- 第17回 「CIO(Chief Information Officer)」
- 第18回 「CSA(Chief Software Architect)」










