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コンプライアンス

【連載】
新時代のITキャリア【トップ・マネジメント編】

第18回 「CSA(Chief Software Architect)」

(2008年07月25日)

もともと本連載は、前回の「CIO」が最終回の予定だった。しかし、CIOの本質は経営者であり、必ずしもITキャリアの“頂点”ではない。取り上げておいて言うのもナンだが、CIOは最終回として適切ではないだろう。そこで、最後に「CSA(Chief Software Architect)」を追加する。これなら“頂点”として申し分ないはずだ。

横山哲也
グローバル ナレッジ ネットワーク、マイクロソフトMVP

【職務概要】

 一般的にCSAは、なじみのない職種である。なぜなら同職種は、米国Microsoftのビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が、CEO(Chief Executive Officer)を退任したあとの受け皿として作られたものだからだ。まだ一般的ではない職種をあえて最後にした理由は、後述する。

 CSAは主に製品戦略の立場で、ソフトウェア・アーキテクチャの方向性を決定する。そのため、同職種はソフトウェア開発を行っている企業にしか存在しない(もちろん例外もある)。

 例えばMicrosoftは近年、パッケージ・ソフトウェアとオンライン・サービスとの融合を目指すという「ソフトウェア+サービス」戦略を打ち出している。実は同戦略は、Gates氏の後任となったレイ・オジー(Ray Ozzie)氏のイニシアチブによるものだ。このように製品個別のアーキテクチャではなく、ソフトウェア全体(Microsoftのようなソフトウェア・ベンダーの場合、会社全体)の方針を決定するのがCSAの職務である。

 CSAの役割は、CTO(Chief Technology Officer)と似ている。CTOは、その企業が採用するべき技術(分野)を決定する。ただしCTOの役割は、企業によって多少異なるようだ。

 例えば金融業や流通業といった一般的な企業の場合、CTOはCIOと同等の役割を担う。前回、CIOの役割には情報管理責任と、情報戦略立案責任があると紹介した。CTOもCIOと同様、情報戦略立案責任を担う。ソフトウェア企業の場合、特に中規模以下の企業では、CSAはCTOと同義と考えてよいだろう。

 実は、最終回にCTOではなくSCAを取り上げたのは、先ごろ“引退”したGates氏に敬意を表すためである。同氏の経営手法には賛否両論があるだろう(おそらくは否のほうが多い)。しかし、一介の「コンピュータおたく」が世界最大のソフトウェア企業を創業したことは事実である。

 若いエンジニアの中には、Gates氏はエンジニアとして一流ではなかったと考えている人もいるようだが、それは大きなまちがいだ。同氏は1980年頃までは現役の、それもかなり優秀なプログラマーだったのである。

【存在意義】

 多くのソフトウェア企業は、複数のソフトウェア製品を開発/販売している。これらは一貫したポリシーで開発されており、当然、他社製品よりも連携がスムーズだ(そのため、セットで購入してもらえる確率も上がる)。

 CSAはこうした上位レベルでのポリシーを決定する。また、新製品をオンラインで提供することを前提としているのか、オンプレミス指向なのか、あるいは両方なのかといった決定も行う。


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新時代のITキャリア【トップ・マネジメント編】
第1回 「オフショア・プロジェクト・マネジャー」
第2回 「ベンダー・マネジャー」
第3回 「BIアナリスト」
第4回 「IT財務責任者」
第5回 「下流プログラマー」
第6回 「上流プログラマー」
第7回 「システム・エンジニア」
第8回 「プロジェクト・マネジャー」
第9回 「アーキテクト」
第10回 「ヘルプデスク」
第11回 「テクニカル・サポート」
第12回 「システム管理者」
第13回 「ネットワーク管理者」
第14回 「一般ユーザー・トレーナー」
第15回 「ITプロ/開発者向けトレーナー」
第16回 「ITコンサルタント」
第17回 「CIO(Chief Information Officer)」
第18回 「CSA(Chief Software Architect)」

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