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日本版SOX法の最新事情/対応のポイントを知る
金融商品取引法の要点と内部統制評価の進め方を指南
(2006年11月24日)
内部統制プロジェクト始動時のポイント
内部統制を推進するにあたっては、プロジェクトを立ち上げ、それにかかわるメンバーを選任することになる(図4)。その際のポイントは以下のとおりである。
| 図4:内部統制プロジェクトの推進体制 |
(1)経営層がプロジェクトを統括し、実質的なリーダーには顔の広い人物を選ぶ
プロジェクトの性質上、全社的な対応が不可欠であり、部門間の調整も必要となる。したがって、プロジェクトに全責任を持つ統括責任者には、社長、財務担当取締役・執行役といった経営陣が就くべきである。
このように、統括責任者には取締役、執行役が就くにしても、実際にプロジェクトを指揮するプロジェクト・リーダーの役割は経営者の補佐役として事務局が担うことになる。この事務局のリーダーが事業部門、間接部門間の調整を図りつつ、プロジェクトを進めるわけだ。したがって、リーダーには顔が広く、人望のある人がふさわしい。特に、文書化と評価においては、経営者にも顔が利く必要がある。
(2)業務知識に明るい人を選ぶ
内部統制の推進にあたっては、販売プロセス、購買プロセス、人事プロセスなど、業務プロセスに関する内部統制の文書化と評価が必要になるため、業務プロセスに詳しい人が求められる。
また、海外拠点における内部統制の評価が必要な場合には、語学が堪能な人をプロジェクト・メンバーに選出する。実務的な対応は現地のプロジェクト・チームが行うが、現地と本社のプロジェクト・チーム間において緊密な連携を図るための人材が必須になるからである。
(3)決定したメンバーに対して教育を行う
メンバー間で内部統制に関する最低限の知識水準を合わせておくことは、適切な意思決定、メンバー間での円滑なコミュニケーションを行うために重要である。ただし、最初から内部統制の知識を持ったメンバーをプロジェクト・チームにそろえることは難しい。そこで、プロジェクト開始後にメンバーに対して教育や訓練などを行うとよい。
(4)企業が主体的に取り組む
財務報告に係る内部統制は会計に関する制度であるため、制度に精通した人材が社内に少ない、また、いたとしても本制度に対応するための時間が割けないなどの理由から、外部のコンサルタントの支援を仰ぐことが多い。専門的な事項に対する助言や作業に外部の人材を活用することには問題ないが、プロジェクトの性質上、その推進は企業、すなわち自社の従業員が主体的に行わなければならない。
なお、外部コンサルタントの要件としては、専門的な知識が必須である。本制度は日本初の制度であるため、類似業務すなわち、SOX法への対応業務を経験した者が適任である。ただし、そうした経験者の数は限られており、多くは監査法人に集中しているため、できれば監査法人からアドバイスを受けるとよい。
内部統制プロジェクト推進時のスタンス
内部統制に関するプロジェクトは、全社的かつ長期間のプロジェクトとなるため、そのマネジメントが成功のカギを握る。そのポイントは以下のとおりである。
(1)人事評価の基準・方法を明確にしておく
プロジェクト・メンバーが専任/兼任のいずれの場合も、人事評価が各メンバーのモチベーションの維持に大きく影響してくることになる。専任の場合、日常業務から外れることで評価方法がわからなくなったり、プロジェクト終了後のキャリア・パスに不安を抱いたりする。また、兼任の場合は、本来の業務を全うすることができずに評価が下がるのではないかとの不安に駆られるメンバーも出てくるだろう。
このようなモチベーション低下の危機を回避するには、プロジェクト・メンバーに対し、企業にとって優先順位が高いプロジェクトにかかわっていること、どのような方法で人事評価を行うかということなどを明確に伝えておく必要がある。
(2)全従業員にプロジェクトを周知徹底させる
内部統制プロジェクトの推進プロセスでは、従業員間でかかわり方に格差が出てくるが、プロジェクト・メンバーだけでなくすべての従業員の協力がなければ成功はおぼつかないことを周知徹底する必要がある。上述したように、内部統制の推進によって業務の効率性がそがれる場合もあるが、それでもこのプロジェクトは遂行しなければならないことを、全従業員が正しく理解しておかなければ、プロジェクトを成功させるのは難しい。
(3)リーダーがプロジェクト全体を見渡す
上述したように、企業によっては海外拠点で内部統制にまつわる作業が発生する場合もあり、その際には、プロジェクトの規模とメンバーの数が大きくなる。また、業務プロセスに不備があった場合には、それを改善するためのプロジェクトを別途立ち上げる必要も出てくる。よって、作業が滞ることがないよう、プロジェクト・リーダーはプロジェクトの進捗状況を常に把握しておくべきである。












