【 ここから本文 】

コンプライアンス

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


コンプライアンス

[米国]
政府の新ガイドラインだけではオンライン・バンキングの脅威は防げない──アナリストが警告

(2006年11月27日)

 米国のITマネジャーやアナリストによると、オンライン・セキュリティの強化に取り組む金融機関は、来年1月1日から施行されるエンドユーザー認証に関する米国政府の新ガイドラインを見据えた対策が必要になるという。

 連邦金融機関検査協議会(FFIEC)が昨年策定したこのガイドラインは、身元情報の盗難など、さまざまなタイプの不正行為からオンラインの顧客を守るため、強力な認証手段を導入するよう銀行や信用組合に求めている。

 米国ガートナーのアナリスト、アビバ・リタン氏は、FFIECがガイドラインを策定したことで、金融サービス業界がオンライン・セキュリティの問題に注意を向けるようになったと評価している。

認証機能は“特効薬”にあらず

 しかし、パーダ連邦信用組合のCIO(最高情報責任者)、メリッサ・オークター氏は、「(強力な認証機能を導入したからといって)問題解決の決め手になるわけではない。認証機能は出入り口を守る手段にすぎず、顧客の資産を守るためには、包括的なアプローチの中でさらに強力な対策を講じる必要がある」と指摘する。

 パーダでは今年11月初頭に、米国バイオパスワードが開発した多因子認証ツールの導入を完了した。このツールは、標準的なログイン信用証明情報とユーザーのキーボード入力リズムに関する情報を組み合わせることで、ユーザーの口座に対するアクセスを管理する。なお、オークター氏によるとパーダではほかにも、トランザクション・レベルの不正行為を監視する機能を含む一連の防衛システムの導入も検討しているという。

 ウィスコンシン大学信用組合は、ログイン中にオンライン・ユーザーを認証し、トランザクション段階でもある程度認証を行えるようにするため、昨年から米国コリリアン製の認証ソフトウェアを利用している。同信用組合のインターネット・サービス担当ディレクター、エリック・バンガーター氏は、同ソフトウェアを導入したことで、ユーザーが使用しているシステムとオンライン上での行動に関するプロファイルを作成し、通常と異なる動きが検知された場合に、本人しか知りえないような身元確認情報を追加で質問できるようになったと語っている。

 バンガーター氏によると、同信用組合は、「アウト・オブ・バンド方式」によるより強力な認証プロセスの追加も計画しているという。この認証プロセスは、口座所有者の身元確認を行った際に疑うべき何らかの事由が残っていた場合、その人物に対して自動的に電話をかけるというものである。

 バンガーター氏は、このような認証プロセスを追加する理由として、本人しか知りえない質問を出すという、これまで最も強力とされていた認証機能を破る方法が、フィッシング詐欺犯の間でついに発見されたことを挙げている。同氏は、「本人しか知りえない質問を使った身元確認機能は今後、セキュリティ強化に役立たなくなるため、完全に廃止したいと考えている」と語る。

 FFIECのガイドラインによると、銀行と信用組合は、年内に単因子認証プロセス(通常、ユーザー名とパスワードをベースにしたもの)を増強するのが望ましいとしている。

 このガイドラインは正式な命令ではないが、FFIECは来年以降、金融機関の監査を実施し、ガイドラインの順守状況を調査する予定だ。

 米国ジャベリン・ストラテジー&リサーチのアナリスト、ドン・ファン氏によると、オンライン詐欺犯は、一部の銀行が新たな認証機能として導入し始めている1回限り有効なパスワードを破る方法をすでに発見しているという。

 ファン氏は、FFIECのガイドラインが銀行に求めているのは、基本的にフロントエンドのアクセス管理であるとして、「これだけでは顧客の安全を十分に確保することは難しい。金融機関は目標をもっと高く設定すべきだ」と指摘する。同氏は、ログイン時や、アカウント所有者がオンラインで行う作業をリアルタイムに監視することが可能なリスク評価/警報機能の導入を勧告している。

 エント連邦信用組合のIT担当バイスプレジデント、チャッド・グレーブス氏は、FFIECのガイドラインについて、「フィッシングなど、昨今問題になっている脅威に対処するには十分かもしれないが、電子手形交換や電信送金などのトランザクションを守る場合には、トランザクション・レベルの管理機能を追加する必要がある」との見解を示している。

(ジャイクマール・ビジャヤン/Computerworld オンライン米国版)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る



キャッチアップ

地球温暖化対策を統括する「CIM」は、CIOの新しいミッション

「ITに精通し、炭酸ガス排出量削減の取り組みを主導できるのはCIOしかいない」

PCの誤設定で人生を棒に振った不運な男の話

悲惨としか言いようのない出来事も一歩まちがえれば「明日は我が身」

IT業界の識者たちが語る「新時代の情報セキュリティ」

Web 2.0や内部起因リスク、コンプライアンスとセキュリティの関係に着目せよ

【IDC調査】国内コンプライアンス市場規模、2012年には1兆8,200億円に

「グリーンIT」が次世代のコンプライアンス関連のIT基盤となる可能性も

【CompTIA調査】ITスタッフにセキュリティ・スキルを強く求めるも、十分なレベルに達せず

スキル不足の原因を半数以上が「技術進化のペースが速すぎるから」と回答

「継続的なコンプライアンス」を確立せよ

GRCの統合アプローチで、企業価値の向上を目指す

「予防」と「発見」の両面からコンプライアンスに取り組む

事例に学ぶ、上場企業におけるツールの選定理由と運用状況

SOX法のコンプライアンス──5年目の真実

ボーイングの教訓から適切な監査レベルを学び取れ

日本版SOX法の最新事情/対応のポイントを知る

金融商品取引法の要点と内部統制評価の進め方を指南

コンプライアンス時代の情報セキュリティ・ポリシー

英国の事例から情報セキュリティ対策の有効策を探る

情報統制

電子メール・アーカイブの構築を急ぐ米国企業

「訴訟対策」にとどまらない多大なメリットに期待

エンタープライズ・データを守れ

担当者が負担に押しつぶされず、企業にとって価値のある情報を保護するために

ILMの導入で、IT運用コストを引き下げろ!

ILMを成功裏に導入するための“6つのステップ”

全社レベルでコンテンツを“統制”する「ECM」

今日のコンテンツ管理製品分野における最注目領域

コンプライアンスを重視したメール運用管理の実際

ECM/CMSではカバーしきれない最重要コンテンツ

“完全なる”ペーパーレス・オフィスの実現に向けて

「もはや企業に選択の余地はない!」

CDWの事例に見るストレージ統合の教訓

バックアップ・データを80%削減

メール経由の情報漏洩を「させない」4つのアプローチ

Winnyよりも身近なセキュリティ・リスク。ユーザーまかせは絶対危険!

「リサイクルHDDによる情報漏洩」

コンプライアンス対応の教訓

トレンド・ウォッチ

米国政府、IT製品の製造段階で仕込まれるバックドアへの対策に本腰

旧式化したネットワーク周辺防衛システムを刷新し、頻発するサイバー犯罪に対抗(2008年09月16日)

NRI、新貸金業法対応を支援する金融機関向けASPサービスを発表

指定信用情報機関への接続をサポートし、金融機関の負担を軽減(2008年06月25日)

米国小売企業の半数がデータ漏洩を経験――そのほとんどは公表されず

「われわれが耳にするよりはるかに多くの事件が起きている」(2008年05月27日)

【IDC調査】国内コンプライアンス市場規模、2012年には1兆8,200億円に

「グリーンIT」が次世代のコンプライアンス関連のIT基盤となる可能性も(2008年04月03日)

富士通、金融庁EDINET対応の財務報告データ作成ソフトを発表

XBRL形式の財務諸表を容易に作成可能に(2008年03月11日)

【AMA/ePolicy調査】米国企業の50%以上が「メール/ネットの濫用」で従業員を解雇

66%が社員のインターネット接続状況を監視(2008年02月29日)

【Symantec調査】企業のITリスク管理が進展、総合的・バランス重視の傾向に

セキュリティ技術重視の企業は減少(2008年02月01日)

2007年、プライバシー/データ侵害は依然として蔓延

米国では企業の6割以上が個人情報の侵害を経験(2007年12月26日)

「車両荒らし」で浮き彫りになった、オフサイト・データ暗号化の必要性

専門家が警鐘――すべてのバックアップ・データは暗号化せよ(2007年10月26日)

アウトソーシングでサービスの安全性を担保するSaaSベンダー

事例に見るデータセンター・アウトソーシングのセキュリティ効果(2007年10月09日)

【シスコ調査】企業で増大し始めたワイヤレス運用のセキュリティ・コスト

IT導入担当者の4分の3が支出増加を予想(2007年09月04日)

[連載]情報漏洩100%対策

第1回:情報漏洩対策の根本を考える

あらゆるリスク、ケースを徹底検証

第2回:ネットワーク運用からのアプローチ(1)

「内部から外部への通信」におけるリスクと対策

第3回:ネットワーク運用からのアプローチ(2)

「内部ネットワーク内の通信」におけるリスクと対策

第4回:PC/記録媒体からのアプローチ

クライアントPC/デバイスを管理する

第5回:「人」からのアプローチ

認証、教育などの体制を整える

第6回:インターネット掲示板の統制法

誹謗中傷などの問題に対処する

第7回:営業秘密の漏洩をいかにして防ぐか

不正競争防止法と企業の管理体制

Weekly Ranking

集計期間:01/01〜01/07



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国