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コンプライアンス

【連載】
バックアップ新論

第3回 メッセージのバックアップ

(2006年12月13日)

「スナップショット技術」を採用した
先端製品

 ユタ州オグデン市のCTO、ジェイ・ブラメット氏は、Exchangeシステムがダウンしたとき、テープからフル・リストアするのに36時間もかかったことから、バックアップ用ストレージをレフトハンド・ネットワークスが提供しているiSCSI SANに切り替えたという。

 レフトハンドのSANは、スナップショット技術を採用しており、Exchangeデータベースのコピーを毎日定められた時間に3回、ディスクにすばやくセーブする。

 専門家によると、現在、多くの企業が、DASから、マイクロソフトのExchangeやVolume Shadow Copy Serviceと統合されたスナップショット技術を提供するネットワーク・ストレージに移行しつつあるという。

 グラスハウス・テクノロジーズのデータ保護サービス担当副社長で、『Backup & Recovery』(オレイリー・メディア刊)など、バックアップやストレージに関連した多数の著書を持つW. カーティス・プレストン氏も、「Exchangeとの統合性やデータベースの一貫性を損なうことなくスナップショットを作成できる機能は、バックアップを成功させるために非常に重要だ」と指摘する。

 プレストン氏もオスターマン氏も、実用化された統合スナップショットの格好の例として、ネットワーク・アプライアンスが提供するExchange向けの技術を挙げる。同社が提供しているのは、Exchange環境を復旧するための(スナップショット技術に基づく)製品「SnapManager for Exchange」や「Single Mailbox Recovery for Exchange」を含む、Exchange関連ソフトウェア・スイートである。

 ただし、プレストン氏は、「スナップショット技術は優れたオプションには違いないが、現在数多く存在するディスク・ベースのバックアップ技術の1つにすぎない」と、スナップショット技術だけが注目されすぎることに、注意を促す。

 ちなみに、メッセージング環境ではこのほか、迅速なバックアップのためにまず仮想テープ・ライブラリを利用し、次に高速なストリームでデータセットをディスクからテープへ移す方式なども、伝統的なExchange向けの増分/完全バックアップ・ルーチンとして使われている。

 メッセージング・データ保護関連のベンダーとしては、このほか、カリフォルニア州サンタクララのミモザ・システムズなどが注目株だ。同社では現在、継続的データ保護(CDP)とほぼ同等の機能を提供している。これは、自動データ保護スキームの一環として、メール・アクティビティの実行ログを維持管理する仕組みだ。

IMにどう対応するか

 データ保護に関するオプションを選択する場合、それらをどう組み合わせるかについては、一切ルールが存在しない。だが、プレストン氏は、「組み合わせても複雑になるばかりで、メリットは何もない」と、オプションを組み合わせること自体に否定的だ。

 同氏の“お勧め”は、「サーバ・レベル、ユーザー・レベル、メッセージ・レベルのリストアを単一のバックアップ・ソリューションでカバーしたい場合にはExchangeに特化したCDPを、とにかく安く上げたいのであれば伝統的なテープ・バックアップを選べばよい」というものだ。

 いずれにしても、重要なのは、ビジネス上の目的とどう連携をとるかという点だ。例えば、「リカバリ・タイム・オブジェクティブをどうするか」「どれほどの頻度でリストアするか」といったことを考えなければならないわけだが、プレストン氏によると、後者の“解”は、Exchange関連のバックアップをディスクにどれほどの期間、オーバーライトせずに保存しなければならないかによって違ってくるという。

 また、メッセージング・フィールドを広げ、インスタント・メッセージング(IM)サービスを導入しようとすれば、アーカイビングの領域に踏み込むことになる。「IMの場合は、バックアップよりアーカイビングということになる」(プレストン氏)からだ。

 「IMには“ストア”という考え方は適合しない。IMは意識の流れであり、電話の内容を記録するようなものだ」というのが、プレストン氏の見解なのである。

 ウイルスやマルウェアを阻止したり、トラフィックを監視/記録したりすることができるようなツールを搭載したIMシステムを、全社レベルで導入したいと考えている企業は少なくない。

 すでにポピュラーな電子メール・アーカイビングやエンタープライズ・コンテンツ管理アプリケーションと統合できるような製品が数多く出回っており、これを使えば、IMのやり取りを記録しておき、後日、行政や司法から要請があったときに検索して提出したりすることも可能だ。

 ちなみに、人気のあるIM製品としては、IBMの「Sametime」やジャバーの「JabberNow」、マイクロソフトの「Live Communications Server」などのほか、エーコニクス・システムズの「Akonix L7 Enterprise」や「Akonix A1000」、サイファートラストの「IronIM」などがある。

メッセージング・バックアップを成功させる“10の秘訣”

【1】 バックアップにするかアーカイビングにするかを決める──システムがダウンしたときにメッセージをリストアする必要があるか(ある場合には、バックアップ)。コンプライアンスや法的要請のためにデータを格納、検索する必要があるか(ある場合には、アーカイビング)。

【2】 バックアップに何を期待するか、また、リストアの頻度をどの程度に見積もるかといったことを明確にする。

【3】 会社のポリシーに則って、ユーザーにインスタント・メッセージングのモニタリングあるいはレコーディングを行っていることを告知する。

【4】 電子メールや添付資料の複製を削除し、メッセージ・ストアのサイズを極力縮小する。

【5】 スナップショットなど、ディスク・ベースの技術を活用して、新しい管理性に優れたメッセージ・ストアに変更を取り込む。

【6】 社内ITインフラが十分に整備されていない、あるいは構築する時間がないときには、メッセージング専門の保管業者あるいは災害復旧サービス・プロバイダーとの契約も考える。

【7】 法務部門やコンプライアンス・カウンセラーとともに、電子メール関連バックアップをディスクにすべきか、それともテープにすべきかといったこと、あるいは一定期間後に削除すべきかどうかかといったことを検討する。

【8】 メッセージング・バックアップ・データやメッセージ・アーカイブをどの程度の期間保存する必要があるのかを関連する法律上で確認し、そのデッドラインを計画のベースにする。

【9】 メッセージング・システムの処理、保護、アーカイビングに関するポリシーを策定する。

【10】 Windows NTのバックアップ・コマンドを使って、少なくとも1日に1回は、メッセージング・システムの内容をディスクにダンプする。


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バックアップ新論
第1回 デスクトップのバックアップ
第2回 データセンターのバックアップ
第3回 メッセージのバックアップ
第4回 ワークグループのバックアップ
第5回 PDAのバックアップ
第6回 ブランチ・オフィスのバックアップ

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