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コンプライアンス

【連載】
バックアップ新論

第3回 メッセージのバックアップ

(2006年12月13日)

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「バックアップ」か
「アーカイビング」か

 バックアップとアーカイブのどちらを選択するかは、「目的によって異なる」とプレストン氏は言う。バックアップの場合は、それほど長期間保存する必要はない。サーバのクラッシュやディスク・ドライブの故障などで、電子メール・データベースがダメージを受けたときに復旧できればよいわけで、おそらく最長でも90日間程度保存できれば十分だろう。

 一方、アーカイブの場合は、「データの復旧が目的ではなく、データの検索が主眼となる」(プレストン氏氏)ため、もっと長い期間(例えば、法令で定められた期間)のメッセージが対象となろう。

 このバックアップとアーカイビングの関係について、オスターマン氏は、プレストン氏とは少しばかり意見を異にする。「(プレストン氏の見解よりも)両者は、もう少し機能的に連続している」というのだ。

 より具体的に言えば、「バックアップは、サーバがクラッシュしたときにデータをリストアするのがねらいであり、アーカイビングは、経営目標をサポートするために情報をリストアするのがねらいだ」(オスターマン氏)ということになる。

 さらにオスターマン氏によると、メッセージングのバックアップについては多くの企業で取り組みが進んでいるが、電子メールのアーカイビングに関しては、ほとんどの企業が着手していないか着手したばかりであり、まだ多くの課題が残されているという。

 アーカイビングに対する取り組みが遅れているのは、何らかの係争が生じて裁判になったときに、アーカイビングしていないことの経済的リスクが十分に理解されていないからだ、というのが同氏の見方である。実際、同氏のもとには「ある企業では、法廷での弁論のために15本のバックアップ・テープを精査する必要があった。

 ところが、(アーカイビングをしていなかったために)精査するのに1本当たり7万8,000ドルものコストが必要になった」(同氏)といった事例も報告されているという。

 オスターマン氏は、従業員が25名以上いる企業に対しては、無条件に電子メール・アーカイビングを導入することを推奨している。またアーカイビングの方法としては、最初にセカンダリ・ストレージかWORMストレージのディスクにアーカイブし、そのアーカイブをあとでテープまたは別の場所のストレージにバックアップするというのが、ほとんどのプラットフォームに適用できる方法だとしている。

 企業では現在、アーカイブ機能と電子メール管理ツール──例えばシマンテックの「Enterprise Vault」やザンタズの「EAS」など──を組み合わせて使用していることが多い。これらの製品の多くは、基盤となるストレージ・システムと緊密に連携することで、電子メール・データベースのサイズを圧縮することを可能にしている。

 今日、このタイプのソフトウェアは、デデュプリケーション、あるいはシングルインスタンス・ストレージとして知られる技術を利用して、アーカイブ・プロセスの途中で複製された添付資料を削除するようになっている。また、アーカイブされた実際のメッセージに“スタブ”あるいは“マーカー”を付けることも可能だ。

 これらの製品を提供するベンダーによれば、メッセージのアーカイビングと重複部分の削除によって、オリジナル・メッセージ・ストアのサイズは、最大60パーセントから70パーセントも削減されることになるという。当然、それによってストアのバックアップも容易になるわけである。

電子メール・メッセージを巡る法規制

 電子メール・メッセージが合法的な記録とみなされ、作成日から一定期間の保存が義務づけられるようになったことで、電子メールの伝統的なバックアップ慣行も変更を強いられることになった。

 カリフォルニア州サンカルロスのメッセージ管理会社、ポスティーニによると、電子メールのバックアップおよびアーカイビングに影響を及ぼす法規制には、次のようなものがあるという。

●米国企業改革法(The Sarbanes-Oxley Act of 2002)

 電子メールを含むあらゆる記録を最低5年間保存するよう義務づけている。

●公正労働基準法(Fair Labor Standards Act)および連邦労働関係法(National Labor Relations Act)

 人事記録を最低3年間保存するように義務づけている。

●従業員退職所得保障法(Employee Retirement Income Security Act of 1974)

 個人の適格審査に関するすべての通信記録、メモ、照会を無期限に保存するよう義務づけている。賃金と就労時間の記録は無期限、あるいは退職一時金支払日から6年間保存しなければならない。

●障害を持つアメリカ人法(Americans With Disabilities Act)

 解雇された従業員の個人情報を解雇時から1年間保存することを義務づけている。

●労働安全衛生法(Occupational Safety and Health Act)

 従業員の健康診断記録を雇用期間およびその後30年間保存するよう義務づけている。

●公民権法第7編(Title VII of the Civil Rights Act of 1964)

 行政あるいは一般市民が関与したあらゆる差別に関する個人情報を、問題解決まで保管するよう義務づけている。

 こうした法規制を受けて、専門家たちは、メッセージング・アーカイブに収納される電子メールに関して保存期間の開始日時と終了日時を設定するようアドバイスするとともに、保存期間が終了したら直ちにメッセージを削除し、会社のリスクを最小限に抑えるよう推奨している。

(Computerworld.jp)


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バックアップ新論
第1回 デスクトップのバックアップ
第2回 データセンターのバックアップ
第3回 メッセージのバックアップ
第4回 ワークグループのバックアップ
第5回 PDAのバックアップ
第6回 ブランチ・オフィスのバックアップ

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