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【連載】
バックアップ新論
第5回 PDAのバックアップ
(2007年01月10日)
モバイルあるいはワイヤレスのデバイスは、今やビジネスマンにとって必需品となった観があるが、これらが仕事上で使われる限り、そこで利用されるデータやソフトウェアも当然、バックアップの対象になる。その際のキーポイントは、そうしたデバイスにバックアップ・ソフトウェアとメモリ・カードを装備すると同時に、それらをネットワーク・デバイスとして取り扱うことだ。
バートン・ラタモア
Computerworld 米国版
BlackBerry、スマートフォン、ハイエンドPDAといったモバイル/ワイヤレス・デバイスは、今やナレッジ・ワーカーの必携ツールとなりつつある。
マサチューセッツ州ノースボロのJ.ゴールド・アソシエイツによると、今後2年から3年以内に、ナレッジ・ワーカーの75〜85パーセントがスマートフォンを利用するようになるという。こうしたデバイスは高度な利便性と接続性を提供することで、オフィスの内と外で従業員の連携を強化し、生産性を高めるという重要な役割を果たす。
| 無線デバイスやPDAをバックアップする頻度は? |
その一方で、これらのデバイスは、リスクももたらす。例えば、ハンドヘルド・コンピュータやスマートフォンは、しばしばレストランやタクシー、空港などに置き忘れてしまうことがある。また、落としたり、壊れたり、なんの前触れもなしに突然故障してしったりすることもある。PCとは異なり、ほとんどのハンドヘルド・コンピュータはハードディスクを持っていない。つまり、データやソフトウェアは、揮発性の高いメモリに置かれていることが普通なのだ。
もっとも、最近のデバイスでは非揮発性フラッシュ・メモリが使われることが多くなってきており、SDカードを利用したアウトボード・ストレージが採用されることも珍しくなくなってきた。通常の同期化と合わせて、定期的にバックアップを取るようにすれば、データの消失に対する備えとしてはほぼ万全であろう。
こうした備えが必要になるのは、もちろん、「外回りの営業スタッフが少なからぬコストをかけて収集したデータを失うことになってしまうような事態を、企業が恐れるから」(J.ゴールド・アソシエイツの社長ジャック・ゴールド氏)である。
データを常にクリーンに保つ
適切なPDAデータ管理は、PDA上に重要なデータを仕舞い込む習慣を改めるところからスタートする。PDAは可能な限りネットワーク・デバイスとして扱い、サーバ上で稼働するソフトウェアのフロントエンドとして動作させ、利用するデータはネットワーク・サーバ上にストアするようにすべきだ。SAPやシーベルが提供する最近のエンタープライズ・アプリケーションは、大抵そうした原則の下に機能するハンドヘルド(PDA)クライアントを提供している。
デバイスを社外に持ち出す場合、必然的に会社のネットワークから離れることになり、会社のサーバに接続したいときには低速な携帯電話網を利用するしかない。そのため、基本的な分析機能やユーザーが外出先で必要とするデータは、あらかじめPDAに取り込んでおく必要がある。そして、データを修正した際には、ユーザーにできるだけ早くバックグラウンドでバックアップするようにさせ、マスター・データベースは常にPDAではなく、サーバ上に置くようにすべきである。
必ずバックアップを取る
データの消失を防ぐための第2の備えは、適切にデータのバックアップを取るようにすることだ。ハイエンドのハンドヘルド・コンピュータやスマートフォンには、ラップトップやデスクトップのPCにデータをバックアップするためのソフトウェアが付属している。そこで、ユーザーに、毎日の習慣として、これらのソフトウェアを利用してバックアップを実行するよう促すとよい。
ちなみに、これらのデバイスは、ストレージにSDカードを採用している。また、メモリの内容をSDカードへバックアップするためのソフトウェアについては、スケジュール設定が可能なものも含め、サードパーティからもいくつか販売されている。
いずれにしろ、すべてのデバイスで、少なくとも1日1回、SDカードへのバックアップを実行するようにしておくとよい。バックアップ・ソフトウェアのコピーは、すべてのバックアップ・カードにインストールしておく。そうしておけば、ハードウェアがクラッシュしたときに、その時点で最新のバックアップを直ちにリストアすることが可能なわけだ。
ここでのベスト・プラクティスは、2枚のメモリ・カードを利用して、データを毎日バックアップすることである。1枚は、通常使用するためにデバイスに装着し、アプリケーションやデータをストアする。もう1枚は、デバイスが紛失した場合あるいは盗難に遭った場合に備えて、予備として保管しておく。デバイス上で重要なデータを追加したり、変更したりした場合には、ユーザーはすぐにバックアップを実行する必要がある。
ただし、現実には、きちんと定期的にバックアップを行うようなユーザーはまれだろう。そうした利用環境を鑑みて、デバイスを供給する際には、夜間、SDカードへのバックアップを自動的に実施するよう、あらかじめソフトウェアを設定しておくとよい。なお、デバイスの多くは、揮発性の高いRAM上のデータを保護するために、Wi-Fiや携帯電話ネットワーク経由で、会社のサーバと自動的に同期を取ることができるような仕組みも備えている。
一般に、モバイル・デバイスのデータ・バックアップに取り組む際には、特殊なシチュエーションを考慮する必要がある。しかしながら、適切な事前準備、あるいはしっかりとしたユーザー教育が行われていれば、これらのデバイス上のデータは他のシステム上にストアされた情報と同等の安全性を確保できるはずだ。
PDAをバックアップするための5つの秘訣
【1】 企業データのマスター・コピーはすべてサーバ上に置く。多くのアプリケーションは、PDAやスマートフォンにデータを供給するための拡張機能を搭載しているので、データが必要な際にはこれを利用する。
【2】 データを大幅に修正したり追加したりした場合には、メモリ上のコンテンツをSDカードやローカルのコンピュータ、あるいはネットワーク経由でコーポレート・サーバに必ずバックアップしておく。
【3】 メモリ・カードは2枚用意し、1枚はデバイスが紛失したり盗難に遭ったりしたときの予備として保持し、少なくとも1日1回はローカル・ラップトップまたはデスクトップ・コンピュータにバックアップしておく。
【4】 SDカードのコンテンツについては頻繁にコピーを取るようにする。なお、一部のPDAやスマートフォンのアプリケーションは、SDカードをソリッドステート・ハードドライブとして扱い、ダイレクトにデータを読み書きする。
【5】 バックアップを自動化する。ちなみに、PDAやスマートフォンに搭載されている最近のバックアップ・ソフトウェアは、SDカードや、WiFi/携帯電話ネットワークを経由したコーポレート・サーバへのバックアップを、日単位でスケジュール化することが可能である。
- バックアップ新論
- 第1回 デスクトップのバックアップ
- 第2回 データセンターのバックアップ
- 第3回 メッセージのバックアップ
- 第4回 ワークグループのバックアップ
- 第5回 PDAのバックアップ
- 第6回 ブランチ・オフィスのバックアップ












