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コンプライアンス

【連載】
新時代のITキャリア

第1回 「オフショア・プロジェクト・マネジャー」

(2007年02月02日)

 IT業界では、常に新しい技術が誕生している。そして、新しい技術が普及すれば、当然、その使い方も普及し習熟へと向かう。そうすると、それを束ね、管理する職種(役職)が必要になる。その結果、昔は「コンピュータ課」や「情報処理システム室」だけで済んでいたユーザー企業のIT部門も、複雑に枝分かれし、さまざまな職種や役職が生まれることになる。本連載では、そんなIT部門の職種の中でも特にホットなものを選び、その仕事内容や必要とされる能力、労働条件や待遇といったものを紹介していくことにしたい。今回は、「オフショア・プロジェクト・マネジャー」を取り上げる。

【職務概要】

 オフショア関連のプロジェクトを計画、監督、調整する、本国(米国企業の場合は米国、日本企業の場合は日本)を拠点とするマネジャー職で、オフショア・ベンダーが確実にプロジェクト要件を満たすよう監督する。昨今、業務を海外へアウトソーシングする企業が増えていることもあって、この職種に対する需要が高まっている。「採用条件を満たせる人材が少ないため、売り手市場になっている」(米国のコンサルティング会社ネオITのCOO、ユジーン・クブラノフ氏)わけである。

【存在意義】

 オフショア契約で期待される効果をさらに高めるために存在する。米国のコンサルティング会社Wグループのプリンシパル、ジム・マッカシー氏によれば、それはこういう意味だ。「(オフショア・プロジェクトでは)遠隔からの管理が必要となる。そのため、管理者に、プロジェクトを先導できるだけのスキルがなければ、そのプロジェクトはうまくいかない。『これを開発してほしい』と、仕様書を単にインドに送るような管理者では、失敗するのは目に見えている」

【必要な経験/スキル】

 コスト分析の知識、チームを率いる強力なリーダーシップ、プロジェクトの管理能力、大規模なグローバル・プロジェクトの運営経験、外国語の知識、組織化に関する高度なスキル、ソフトウェア・アーキテクチャおよび設計スキル、マネジメント・リソースの割りふりに関する高度なスキル、ベンダー管理能力、7〜10年の職務経験、優れたコミュニケーション・スキル。

【適した人材】

 海外赴任経験者、オフショアリング先の国における勤務経験者、ユーザー企業が現在雇用している外国人就労者(H1ビザ取得者など)、国際関連プログラムのMBA(経営管理学修士号)取得者、グローバル・プロジェクト経験のある社内人材。

【雇用者側が求めるべき能力】

 海外出張に関して制限がない、フレキシブルな勤務時間に対応可能である、といった条件のほか、ビジネスへの理解、異文化への適応能力、外交スキル、効果的に(スタッフを)「褒める」能力などが必要になる。「脅したり、怒鳴ったりすることなく、(プロジェクトを)運営できる人材でなければならない」(インドのハイダラバードに本拠を置くカービー・グローバル・サービセズのCEO、アート・フルー氏)わけである。

 また、「卓越した管理能力」も重要な要素だ。米国グラスハウス・テクノロジーズのプロジェクト管理および戦略担当プラクティス・ディレクター、サム・ローラー氏によれば、オフショア・プロバイダーの管理は、遠隔からの、しかも時差のある仕事となる。そのため、「どの仕事を、だれが、いつまでに完了すべきであるかを、詳細にわたってきちんと把握していなければならない」(同氏)のだ。

【採用の決め手となる“究極の質問”】

 「インドは今何時?」――多くのオフショア業務はインドで行われているため、この国に関する知識は採用の必須条件となる。「この質問はわたしの切り札。候補者がこれに答えられなければ、その人はおそらくインドに一度も行ったことがなく、インド人と接したこともなく、インドで何かを計画したこともないはずだ。とても採用することはできない」(Wグループのマッカシー氏)

【社内人材採用の可否】

 オフショア・プロジェクト・マネジャーに社内の人材を充てるのが適切かどうかについては――特にその企業がグローバル・プロジェクト管理に携わったことがない場合――専門家でも意見の分かれるところだ。社内採用を“是”とするネオITのクブラノフ氏は、「その人物は、当然、自分が勤める会社のことをよく知っているはずだ。また、新設のオフショア・プロジェクト・マネジャーの職に就けば、社内で評判になり、社内での交渉が進めやすくなるとともに、新しいプロジェクトを効果的に運営することも可能になろう。そのいずれもが、この職種に求められる重要な能力だ」と、社内からの採用が有利に働く点を挙げる。

【年収】

 7万〜25万ドル

(ジョン・メロー Jr/CIO 米国版)



新時代のITキャリア
第1回 「オフショア・プロジェクト・マネジャー」
第2回 「ベンダー・マネジャー」
第3回 「BIアナリスト」
第4回 「IT財務責任者」
第5回 「下流プログラマー」
第6回 「上流プログラマー」
第7回 「システム・エンジニア」
第8回 「プロジェクト・マネジャー」
第9回 「アーキテクト」
第10回 「ヘルプデスク」
第11回 「テクニカル・サポート」
第12回 「システム管理者」
第13回 「ネットワーク管理者」
第14回 「一般ユーザー・トレーナー」
第15回 「ITプロ/開発者向けトレーナー」
第16回 「ITコンサルタント」
第17回 「CIO(Chief Information Officer)」
第18回 「CSA(Chief Software Architect)」

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