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コンプライアンス

[米国]
プライバシー団体、グーグルのダブルクリック買収に異議申し立て

インターネット・ユーザーのプライバシー保護を保証するよう要求

(2007年04月23日)

 米国グーグルのダブルクリック買収が波紋を広げている。4月20日には3つの市民団体が、インターネット・ユーザーのプライバシー保護の保証を両社から得られない場合は買収を差し止めるよう、米国連邦取引委員会(FTC)に申立書を提出した。

 申立書をFTCに提出したのは、電子プライバシー情報センター(EPIC:Electronic Privacy Information Center)、デジタル民主主義センター(CDD:Center for Digital Democracy)、米国公共利益調査グループ(US PIRG:U.S. Public Interest Research Group)の3団体。

 これら3つの団体は、インターネット・ユーザーのプライバシーを保護するため、すべてのユーザー識別情報の破棄を保証するよう両社に求めている。ここでの識別情報とは、ユーザーとグーグルとのサービス・セッションが終了した後も個人の特定に利用できる、あるいは利用できる可能性がある、インターネット検索などに基づくすべてのCookieやその他のデータなどを指している。

 こうした識別情報を破棄することは、グーグルが提供するサービスに重大な影響を与える可能性がある。グーグルのサービスでは、ユーザーの利用履歴全体を保存することが前提になっているからだ。

 「われわれは、セッションの終了後も検索履歴が保存されることに懸念を持っている」と、EPICのエグゼクティブ・ディレクター、マーク・ローテンバーグ氏は語る。「そのようなやり方は、人々が望んでいるものではない」

 さらにローテンバーグ氏は、検索記録の追跡についてユーザーに許諾を求めたとしても、それは改善にはつながらないと強調。「同意を得ているかどうかにかかわらず、データの保持は好ましくないことだ」と語った。

 グーグルは、インターネット・ユーザーの検索やサイト利用に関する情報を収集し、ユーザーの閲覧や購入履歴などを追跡して、その結果を広告ビジネスに活用している。またダブルクリックは、バナー広告に組み込まれたCookieによってユーザーの行動を追跡し、広告主にその情報を提供することで、ターゲット層に合わせて広告メッセージの訴求効果を高められるよう支援している。

 3つの市民団体は、そうした個人情報の収集は重大なプライバシー問題をもたらすと警鐘を鳴らしている。3団体がFTCに提出した申立書には次のように記されている。

 「グーグルとダブルクリックの両社は、収集した個人データの安全を確保するための十分な対策を講じていない。さらに、グーグルによるダブルクリックの買収は、固有のプライバシー・リスクを引き起こすとともに、オンライン広告の既存の実施基準に違反することになる」

 3団体はFTCに以下を求めている。

・グーグルのダブルクリック買収が、インターネット・ユーザーの行動を追跡する同社の能力にどのような影響を与えるかを調査すること
・Cookieやそのほかのユーザー識別情報の利用に関する明示的な承諾をダブルクリックがユーザーから事前に得ていない場合は、ダブルクリックがグーグルに譲渡するすべての記録から、それらを削除するようダブルクリックに命じること
・グーグルに対し、OECDプライバシー・ガイドラインなどのプライバシー基準にどのように対応するかを公に説明するよう命じること
・グーグルが保有する個人特定が可能なデータについて、その対象者に妥当なアクセス手段を提供するようグーグルに命じること
・有効なデータ破棄ポリシーを確立するようグーグルに命じること

 EPICのローテンバーグ氏は、FTCが対応措置を講じることについて楽観的な見通しを持っているようだ。同氏は、「彼らはこれまでも、同様な申し立てを受けて対応している」と述べている。

 一方、グーグルのグローバル・プライバシー担当法務責任者であるピーター・フライシャー氏は、「グーグルとしては、今回の申し立ては事実や法律の裏付けがないと考えている。FTCに説明する機会を設けてもらえれば、FTCがわれわれに対し、セッション終了時にユーザー識別情報を削除するよう命じる可能性は低くなると思う」と話している。

 グーグルは他のWebサイト運営者と同様に、アクセス・パターンを把握し、サーバを攻撃から守るためにページ要求のログを保持しているとフライシャー氏は語った。「それらを削除してしまうと、われわれはセキュリティ攻撃に対して無防備になってしまう。それは、われわれのユーザーのプライバシー保護には決してプラスにならないはずだ」

(ピーター・セイヤー/IDG News Service パリ支局)




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