【 ここから本文 】

コンプライアンス

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


コンプライアンス

[米国] 【ポネモン調査】
深刻化する企業データ侵害の実態が明らかに

回答企業の85%がデータ侵害を経験、されど対策は不十分

(2007年05月16日)

 独立系調査機関の米国ポネモン・インスティチュートが5月15日に発表した調査リポートから、多くの米国企業が個人情報漏洩などのデータ侵害を経験しており、その発生頻度も増加しているという深刻な実態が明らかになった。

 リポートによると、調査対象となった700人(企業の最高責任者レベルの役員、マネジャー、ITセキュリティ責任者)のおよそ85%が、個人情報漏洩などのデータ侵害の経験を持ち、そのおよそ半数がデータ侵害が発生した時点で何の対処計画もなかったことを認めているという。

 データ侵害の原因で最も多いのが、ノートPCやPDA、メモリ・スティックといった機器の紛失や盗難であり、次に多いのが、従業員や派遣社員、下請け業者の過失による漏洩だ。

 調査に携わった研究者によると、「データ侵害がビジネスに及ぼす影響」と題した今回の調査から、あらゆる業種の中規模企業および大企業のITセキュリティ責任者を悩ませているデータ侵害の深刻な実態が浮き彫りになったという。同調査は、ポネモン・インスティチュートが、法務/テクノロジー・サービス会社スコット&スコットの委託を受けて実施したもので、15日に調査結果が公表された。

 ポネモン・インスティチュートの設立者で、会長のラリー・ポネモン氏は、「今回の調査結果は、米国の多くの組織でデータ侵害という問題が蔓延していることを示している。また、経費の支出や社会的評価の低下といった否定的な影響があるにもかかわらず、データ侵害を経験した多くの企業が、将来同様の事案が発生するのを防ぐための適切な措置をとっていないことも明らかになった」と指摘している。

 調査結果を見ると、ほぼ100%の組織が、州法に基づいて情報の紛失や盗難によって被害を受ける可能性のある対象者に通知を出すように求められていると答えており、およそ60%がHIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)やグラム・リーチ・ブライリー法(金融制度改革法)などのプライバシー保護に関する連邦法によって被害関係者への通知を求められていると回答している。

 組織が被害を受ける可能性のある対象者に対して、データ侵害に関する概要(詳細な内容ではなく)を通知する文書を送付したことがあると回答した組織も37%に及んでいる。

 また、データ紛失が発生した組織の4分の3が顧客離れにつながると答えており、訴えられる可能性があると答えた組織は60%近くに上っている。罰金を科される可能性があると答えた組織も3分の1あった。一方、株価の下落に見舞われたとする回答は32%だった。

 しかし回答者の大半は、データ漏洩の被害対象者への影響について、短期的には、ほとんど、あるいはまったくなかったと答えている。今回の調査に携わった研究者らは、こうした調査結果が通知規則の改善の必要性を物語っていると指摘するとともに、「とりわけ消費者に対する実質的な利益が何もないと理解されている点を考慮すると、被害対象者への通知が企業に不利益をもたらすと認識される可能性もある」と警告する。

 ポネモン氏は、「データ漏洩の被害対象者に対する影響は短期的に皆無あるいはきわめて小さいというのが多くの回答者の共通認識だ。つまり回答者の多くは、データ侵害の事実の通知が、将来発生する可能性のある経済的な損失の防止といった具体的な利益を消費者にもたらすわけではないと考えている」と語っている。

 このほか、今回の調査では、データ侵害の頻度が高まっているにもかかわらず、多くの企業が暗号化や認証などのITセキュリティ技術を導入していないという実態も明らかになった。

 回答者のおよそ46%は、データ紛失の事実を知った後も可搬ツールに暗号化技術を導入していないと答えており、また42%がITセキュリティ支出は来年も据え置きになると答えている。

 また、皮肉なことに、データ侵害を経験したことのない組織よりも、データ侵害を経験した組織のほうが「ITとデータのセキュリティを確保する手段を実質的により多く導入している」と回答していることも明らかになった。

(デニス・ドゥビー/Network World 米国版)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る



キャッチアップ

地球温暖化対策を統括する「CIM」は、CIOの新しいミッション

「ITに精通し、炭酸ガス排出量削減の取り組みを主導できるのはCIOしかいない」

PCの誤設定で人生を棒に振った不運な男の話

悲惨としか言いようのない出来事も一歩まちがえれば「明日は我が身」

IT業界の識者たちが語る「新時代の情報セキュリティ」

Web 2.0や内部起因リスク、コンプライアンスとセキュリティの関係に着目せよ

【IDC調査】国内コンプライアンス市場規模、2012年には1兆8,200億円に

「グリーンIT」が次世代のコンプライアンス関連のIT基盤となる可能性も

【CompTIA調査】ITスタッフにセキュリティ・スキルを強く求めるも、十分なレベルに達せず

スキル不足の原因を半数以上が「技術進化のペースが速すぎるから」と回答

「継続的なコンプライアンス」を確立せよ

GRCの統合アプローチで、企業価値の向上を目指す

「予防」と「発見」の両面からコンプライアンスに取り組む

事例に学ぶ、上場企業におけるツールの選定理由と運用状況

SOX法のコンプライアンス──5年目の真実

ボーイングの教訓から適切な監査レベルを学び取れ

日本版SOX法の最新事情/対応のポイントを知る

金融商品取引法の要点と内部統制評価の進め方を指南

コンプライアンス時代の情報セキュリティ・ポリシー

英国の事例から情報セキュリティ対策の有効策を探る

情報統制

電子メール・アーカイブの構築を急ぐ米国企業

「訴訟対策」にとどまらない多大なメリットに期待

エンタープライズ・データを守れ

担当者が負担に押しつぶされず、企業にとって価値のある情報を保護するために

ILMの導入で、IT運用コストを引き下げろ!

ILMを成功裏に導入するための“6つのステップ”

全社レベルでコンテンツを“統制”する「ECM」

今日のコンテンツ管理製品分野における最注目領域

コンプライアンスを重視したメール運用管理の実際

ECM/CMSではカバーしきれない最重要コンテンツ

“完全なる”ペーパーレス・オフィスの実現に向けて

「もはや企業に選択の余地はない!」

CDWの事例に見るストレージ統合の教訓

バックアップ・データを80%削減

メール経由の情報漏洩を「させない」4つのアプローチ

Winnyよりも身近なセキュリティ・リスク。ユーザーまかせは絶対危険!

「リサイクルHDDによる情報漏洩」

コンプライアンス対応の教訓

トレンド・ウォッチ

米国政府、IT製品の製造段階で仕込まれるバックドアへの対策に本腰

旧式化したネットワーク周辺防衛システムを刷新し、頻発するサイバー犯罪に対抗(2008年09月16日)

NRI、新貸金業法対応を支援する金融機関向けASPサービスを発表

指定信用情報機関への接続をサポートし、金融機関の負担を軽減(2008年06月25日)

米国小売企業の半数がデータ漏洩を経験――そのほとんどは公表されず

「われわれが耳にするよりはるかに多くの事件が起きている」(2008年05月27日)

【IDC調査】国内コンプライアンス市場規模、2012年には1兆8,200億円に

「グリーンIT」が次世代のコンプライアンス関連のIT基盤となる可能性も(2008年04月03日)

富士通、金融庁EDINET対応の財務報告データ作成ソフトを発表

XBRL形式の財務諸表を容易に作成可能に(2008年03月11日)

【AMA/ePolicy調査】米国企業の50%以上が「メール/ネットの濫用」で従業員を解雇

66%が社員のインターネット接続状況を監視(2008年02月29日)

【Symantec調査】企業のITリスク管理が進展、総合的・バランス重視の傾向に

セキュリティ技術重視の企業は減少(2008年02月01日)

2007年、プライバシー/データ侵害は依然として蔓延

米国では企業の6割以上が個人情報の侵害を経験(2007年12月26日)

「車両荒らし」で浮き彫りになった、オフサイト・データ暗号化の必要性

専門家が警鐘――すべてのバックアップ・データは暗号化せよ(2007年10月26日)

アウトソーシングでサービスの安全性を担保するSaaSベンダー

事例に見るデータセンター・アウトソーシングのセキュリティ効果(2007年10月09日)

【シスコ調査】企業で増大し始めたワイヤレス運用のセキュリティ・コスト

IT導入担当者の4分の3が支出増加を予想(2007年09月04日)

[連載]情報漏洩100%対策

第1回:情報漏洩対策の根本を考える

あらゆるリスク、ケースを徹底検証

第2回:ネットワーク運用からのアプローチ(1)

「内部から外部への通信」におけるリスクと対策

第3回:ネットワーク運用からのアプローチ(2)

「内部ネットワーク内の通信」におけるリスクと対策

第4回:PC/記録媒体からのアプローチ

クライアントPC/デバイスを管理する

第5回:「人」からのアプローチ

認証、教育などの体制を整える

第6回:インターネット掲示板の統制法

誹謗中傷などの問題に対処する

第7回:営業秘密の漏洩をいかにして防ぐか

不正競争防止法と企業の管理体制

Weekly Ranking

集計期間:01/01〜01/07



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国