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[ドイツ]
SAPの2Q決算、増収達成も純利益はわずかに減少

通期見通しはレンジの上限を予想

(2008年07月30日)

 ドイツのSAPは7月29日、2008会計年度第2四半期(4-6月期)の決算を発表し、ソフトウェアとソフトウェア関連サービス分野の売上高は伸びたが、フランスのビジネス・インテリジェンス(BI)ベンダー、Business Objectsの買収にまつわる支出が発生したため、純利益は低下したことを明らかにした。

 SAPの第2四半期の売上高は、前年同期比18%増の28億6,000万ユーロだった。一方、純利益は前年同期比9%減の4億800万ユーロ(6億4,160万ドル)だった。

 また同社は同日、2008会計年度通期の新たな業績見通しも発表し、好調な業績を反映して、前回明らかにした見通しの上限の値を見込んでいるとした。前四半期に同社は、一般会計原則(GAAP)に基づかないソフトウェアとソフトウェア関連サービスの年間売上高の伸び率は前年比24〜27%になるとの見通しを示していた。一方、通年の営業利益の伸び率は、28.5〜29%としていた前回見通しの上限の値に上方修正した。

 SAPの共同CEO、ヘニング・カガーマン(Henning Kagermann)氏は、29日の電話会見で、「市場の状況は厳しいが、SAP製品への需要は衰えていない」と語り、契約件数の順調な伸びが同社に対する信頼の源泉になっているとの見方を示した。

 今回明らかにされた通期の業績見通しには、今年初めに手続きが完了したBusiness Objects買収(買収金額48億ユーロ)の否定的な影響は反映されていない。この買収は、大規模な買収を避けるというこれまでの戦略を大きく転換するものだったが、同社は、これにより急速に成長しているBIソフトウェア市場で新たな顧客と製品ラインを獲得できると説明していた。

 第2四半期の業績を地域別に見てみると、北米/南米地域におけるソフトウェアとソフトウェア関連サービスの売上高は前年同期比17%増の6億6,200万ユーロで、欧州/中東/アフリカ地域での売上高は21%増の11億1,100万ユーロ、アジア太平洋地域での売上高は30%増の2億8,800万ユーロだった。

 アジア太平洋地域では、日本市場の伸び率が9%なのに対し、日本以外の市場の伸び率が43%となっている。SAP幹部は、日本市場の業績不振の原因は「業務上の問題」としているが、すでにそれは解決されたと説明している。

 今回、SAP幹部は、中堅企業向けのオンデマンド・サービス「SAP Business ByDesign」についてほとんど言及しなかった。先ごろ同社は、品質と収益の両面で一定の水準を確保するため、ロールアウト計画を縮小すると発表していた。Kagermann氏は、「顧客からのフィードバックに基づいて製品の開発を続けている。Business ByDesignに関しては、きわめて慎重な姿勢で臨んできた」と述べた。

 また、ライバルである米国Oracleとの訴訟問題に至っては何も言及しなかった。この裁判は、SAPの子会社で、Oracleアプリケーションへのサードパーティ・サポートを提供しているTomorrowNowの従業員が、Oracleのサポート・サイトからデータを不正に引き出し、顧客獲得に利用したとしてOracleが昨年起こしたもの。SAPは、TomorrowNowを売却しようとしたが、売買取引が不調に終わったため、今年10月末での事業停止を決めている(関連記事)。

 SAP側は、TomorrowNowが自社の顧客のためにOracleのサイトから資料をダウンロードすることは許されると主張していたが、修正プログラムやサポート文書を不適切な形でダウンロードしたケースもあったことは認めている。そのうえでSAPは、ダウンロードされた情報はTomorrowNowのシステム内にとどまっており、SAPの従業員がOracleの知的財産にアクセスしたことはなかったと反論している。

 一方、すべての顧客を「SAP Enterprise Support」と呼ばれる新たなサポート・プログラムに移行させる計画については、共同CEOのレオ・アポテカー(Leo Apotheker)氏が短く言及した。この計画は、既存ユーザーの負担増につながるため、ユーザー・グループなどが否定的な反応を示しているが(関連記事)、同氏は「まったく新しいサービスであり、サポート料金の値上げには当たらない」と語った。SAPは、新しいサポート・プログラムへの移行を決めた理由として、顧客のIT環境が複雑化していることを挙げており、高レベルのサービスによる効率化でソフトウェアの保有コストを実質的に引き下げることも可能と説明している。

(Chris Kanaracus and Dan Nystedt/IDG News Serviceボストン支局)




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