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[米国]
SAPの製品担当社長アガシ氏、「マイクロソフトとは紳士的に競争と協力を」

(2006年05月24日)

 SAP(ドイツ)は、中小規模企業(SMB)向けアプリケーション市場ではマイクロソフトと、ミドルウェア市場ではIBMと競争しながら、同時に提携関係も拡大してきた。同社は今後、両者とどのような関係を築こうとしているのだろうか。先週、米国フロリダ州オーランドで開催されたSAPの年次ユーザー・コンファレンス「SAPPHIRE '06 Orlando」(5月16〜18日)で、SAPの製品・技術グループ担当プレジデント、シャイ・アガシ氏に話を聞いた。

「SAPPHIRE '06 Orlando」で講演するSAPの製品・技術グループ担当プレジデント シャイ・アガシ氏
──オラクルは3月にスタンドアロン型のエンタープライズ検索ツールを発表した。SAPにも「TREX」という検索技術があるが、これをスタンドアロン製品化する計画はあるのか。

アガシ氏:その市場に参入する予定はない。SAPは、あらゆるアプリケーションのデータをコンテキスト検索できるディープ・エンタープライズ検索機能を提供しており、すでに3年前から取り組んでいる。その強化と統合をさらに進めることになるだろう。

──「R/3」から「mySAP」へのユーザーの移行は順調に進んでいるのか。

アガシ氏:非常に速いペースで進んでいる。今後18カ月(1年半)の間に、mySAP ERPへ移行する顧客は6,000〜8,000社に上る見通しだ。それは(オラクルに買収された)旧ピープルソフトの顧客数に匹敵し、旧ピープルソフト製品の全ユーザーがOracle 11iあるいはFusionに移行するのと同様の規模だと考えればわかりやすい。

 当社は今後も、R/3だけでなくR/2(R/3のメインフレーム版)を利用している顧客のサポートも継続していく。当社が顧客のサポートをやめることはない。

──オープンソース技術について、SAPの立場を教えてほしい。

アガシ氏:(外部から)いろいろ言われてきたことと、実際に当社が行ってきたことには違いがある。当社がLinuxに対応した最初のエンタープライズ・アプリケーションを発表したのは1999年9月であり、それはビジネス市場でLinuxがもてはやされるようになる7年も前のことだ。

 MySQLを提供するマイエスキューエルへの出資もすいぶん前から行っている。(オラクルとは異なり)マイエスキューエルが使用しているトランザクション・エンジンを買い取って同社を窮地に追い込もうなどとはつゆほども考えていない。(それどころか)3年前には当社のMaxDBデータベースをMySQLのエンタープライズ部門に提供しており、ゼンド・テクノロジーズにも出資している。

 オープンソースのソフトウェア・スタック「LAMP」(Linux OS、Apache Webサーバ、MySQLデータベース、Perl/PHP/Pythonスクリプト言語で構成)に関しても、当社はサポートも支持もしているが、オラクルはそれをサポートしようとさえしていない。

 ただ、LAMPは重要なスタックだと考えているが、われわれにとっては数あるスタックの1つにすぎない。したがって、ユーザーが増えるのを見極めながら、そのサポートを強化していきたいと考えている。すでにエンタープライズ・サービスのリポジトリを公開しており、当社のユーザーはPython、Ajax、Ruby on Railsなど、さまざまな言語でプログラミングできる。(オープンソースの)派閥戦争に巻き込まれる気はない。

──IBMのDB2の次期バージョン「Viper(開発コード名)」を中規模企業向けのアプリケーションのデータベースとして推奨しているが、今後もIBMとの関係を強化していくのか。

アガシ氏:IBMは、唯一の推奨ベンダーではなく、数ある推奨ベンダーの1社だ。IBMとはさまざまな面で協力を行っている。マイクロソフトが同様の提携を望んでいるのであれば、IBMと同様に対応していきたい。

──マイクロソフトと、どのように提携と競争を両立していくのか。

アガシ氏:紳士らしい戦い方をしたいと考えている。いわば、爆弾と銃ではなく、剣と盾による戦いだ。もちろんわれわれは戦いに勝利するつもりであり、SMB市場をマイクロソフトに明け渡すつもりはない。マイクロソフトはすばらしいパートナーだが、当社はSMB市場で勝利を収めたい。

──オンデマンド・サブスクリプション・モデルは、顧客サイトに導入されるアプリケーションの価格設定にどのような変化をもたらすと見ているか。

アガシ氏:価格設定は、科学ではなく一種の芸術である。1つのモデルへ拙速に移行するつもりはない。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)




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