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[米国]
マイクロソフト、ERP製品「Dynamics」の料金モデル改革を断行

(2006年07月11日)

 米国マイクロソフトは7月10日、パートナーによる販売を容易にするため、ERP(Enterprise Resource Planning)アプリケーション・ファミリー「Dynamics」4製品の料金体系を、モジュールごとに課金する方式から、ユーザー数に応じて課金する方式に簡素化すると発表した。

 ライバルのオラクルとSAP AGは、ERPアプリケーションの直接販売と間接販売を併用しているが、マイクロソフトはDynamics製品の販売をパートナーに全面委託している。

 マイクロソフトは、7月11日から23日までボストンで開催されるパートナー・イベント「Worldwide Partner Conference(WPC)」の開幕直前に新たなERP製品の料金体系を発表した。

 同社のパートナーは、8月1日以降、4つのERP製品それぞれに対応する3種類の標準アプリケーション・スイートを販売することになっており、多様なモジュールをベースにした1,000種類以上の料金オプションを顧客に説明する必要がなくなる。

 マイクロソフトのDynamicsマーケティング担当ゼネラル・マネジャー、ジェームズ・ウチュナイダー氏は、「当社のオプションは、顧客ベースの大半をカバーできるよう細かく設定されている。例えば、自動車のディーラーに行って、追加料金を払ってフロアマットを付けてもらうようなものだ」と語っている。

 マイクロソフトの新たな「Business Ready Licensing」モデルでは、パートナーは「Great Plains(GP)」「Navision(NAV)」「Axapta(AX)」「Solomon(SL)」の各製品ラインに対応するERPスイート「Microsoft Dynamics Business Essentials」「Dynamics Advanced Management」「Dynamics Advanced Management Enterprise」を販売することになっている。

 ウチュナイダー氏によると、今回の料金体系の変更は、昨年9月に行ったERP製品ラインのブランド名変更の延長線上にあるという。マイクロソフトは、2008年初頭から単一のDynamicsコード・ベースを顧客に提供するという最終目標を設定している。

 今回の動きは、マイクロソフトが、すでにスイート化されているオラクルやSAPの製品に自社のERP製品に合わせるというよりも、パートナーのために料金体系を簡素化するという意味合いが強いという。

 ウチュナイダー氏は、ユーザー数に基づく同社の料金体系について、ライバルのものとは異なると説明する。オラクルとSAPが指定ユーザー制を採っているのに対し、マイクロソフトは、同時ユーザー制を採用するからだ。

 フォレスター・リサーチの主任アナリスト、レイ・ワン氏は、「ユーザーは、同時ユーザー制を好む。柔軟性が高まり、管理が容易になるからだ」と語る。この方式は、Dynamicsを使っている企業が、毎日異なるシフトで仕事をしている各ユーザーが効率的にアプリケーションにアクセスできるようにするといった場合にとりわけ有効だ。

 マイクロソフトのパートナーであるI.B.I.S.のCEO、アンディ・バビュラス氏は、「同時ユーザー方式の料金体系には戦略的な利点があり、きわめて有効性が高い。これで、販売サイクルの摩擦がなくなるだろう」と、新しい料金モデルを歓迎している。

 これまでI.B.I.S.などのパートナーは、モジュールごとに課金するマイクロソフトの料金体系と、ユーザーごとに課金するライバル各社の料金体系を対比し、顧客に説明しなければならなかった。

 ワン氏は、エントリ・レベルのスイートであるDynamics Business Essenntialsの2,250ドルという価格について、SAPやオラクルの製品よりも安く、かなり思い切った設定になっていると指摘する。

 マイクロソフトは、新しい料金モデルを策定するにあたって、すでにオプションでユーザー数に応じた料金体系を導入している欧州でのDynamics NAVの経験に強い影響を受けたという。ウチュナイダー氏は、「当社は、全世界のパートナーにこのプログラムを適用するための方法を研究するテスト・ベッドとしてNAVを利用した」と語っている。

 Dynamicsスイートには、すべてのユーザーに対する無料オンライン・トレーニングが含まれており、マイクロソフトが全世界で提供するERP製品を標準化する役割を担っている。

 マイクロソフトは、チャネル・パートナーがユーザー数に応じた料金体系に習熟する時間を確保するため、8月1日以降も90日間に限ってモジュール・ベースの料金体系を継続する予定だ。このため、新たな料金体系が本格的にロールアウトするのは、10月半ば以降になると見られている。

 なお、既存のDynamics ERPユーザーは、オプションでユーザー数に応じた料金体系に移行することも可能で、その際には、新しい料金モデルに合わせる必要はないという。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)




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