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[米国]
SAPがERPのバージョン・アップ戦略を大転換──新版は2010年まで見送り
【SAP TechEd '06 Las Vegasリポート】
(2006年09月13日)
ドイツのSAPは9月12日、米国ラスベガスで開幕した同社の開発者向けコンファレンス「SAP TechEd '06 Las Vegas」(2006年9月12〜14日)で、ERP製品のバージョン・アップ戦略を大幅に変更すると発表した。
同社はこれまで、12〜18カ月ごとにソフトウェア・リリース全体のアップグレードを行ってきたが、新戦略では、ERPバージョンの「mySAP ERP 2005」のまま2010年まで維持し、それまではオプションの機能拡張パッケージを切れ目なく投入することによって機能強化を図っていくという。
今年5月に開催された年次ユーザー・コンファレンス「SAPPHIRE '06 Orlando」では、同社のSOA(サービス指向アーキテクチャ)基盤であるESA(Enterprise Services Architecture)に完全対応する次期ERPパッケージ「mySAP ERP 2007」を来年リリースすると発表していた。
今回の戦略転換について、SAPのソリューション・マーケティング担当執行副社長、ピーター・グラフ氏は、「顧客からの要望にこたえたものだ」と強調するとともに、戦略転換に踏み切った理由を次のように説明する。
「顧客は、自社のビジネスを維持しながら、常に最新の技術を取り入れたいと希望している。当社のERPアプリケーションは、すでに全体を定期的にアップグレードする必要がなくなっており、オプションの機能拡張パッケージで採用する機能を選べるようにすることで、顧客の切実なニーズに対応することにした」
グラフ氏によると、mySAP ERP 2005は今後、顧客がSAPやパートナーの新機能を追加できる「安定したバックボーン」として機能することになるという。これは、mySAP ERP 2005の投入時に数百もの製品機能強化を披露したのと大きく異なるアプローチだ。
mySAP ERP 2005の機能拡張パッケージの第1弾は、今年12月に出荷される予定で、人材管理と財務コラボレーションの新機能、新しいコンポジット・アプリケーションおよびエンタープライズ・サービス、業界別機能のいくつかが含まれる。また、NetWeaver統合プラットフォームの拡張機能も提供する計画という。ちなみに、mySAPはNetWeaverをベースにしている。
同社は今後、特定の分野や用途に焦点を当てた機能拡張パッケージを、1四半期または2四半期ごとに提供していくという。それには、CRM(Customer Relationship Management)や「Project Muse(開発コード名)」が含まれる予定だ。Project Museは、アドビシステムズのマクロメディア部門との提携の下で開発を進めているmySAP用の新たなGUI基盤である。
SAPは、Sapphire '06を開催した今年5月に、mySAP ERP 2005の一般向け提供開始を発表したが、グラフ氏によると、現在までにmySAP ERP 2005を導入して稼働している顧客は200〜300社であり、数千社に上る顧客がいまだにmySAP ERP 2004を使い続けているという。
同社では、mySAP以前のバージョンのパッケージ、特に「R/3 4.6C」や「R/3 4.7」を利用しているユーザー企業に対してもmySAP ERP 2005への移行を推進していく方針だ。
(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)
- SAP(ドイツ)
- http://www.sap.com/
- 「SAP TechEd '06 Las Vegas」
- http://www.sapteched.com/usa/
ホスティング・サービス事業の拡大を推進

