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[米国]
「Gen 2」タグはRFID普及の起爆剤となるか──Gen 1より低コストで読み取り精度も大幅に向上
(2006年09月14日)
RFIDの信奉者たちは、現在導入が進みつつある新世代システム(Gen 2)の成功を信じて疑わない。確かに、信頼性やコスト、互換性などの面で、新世代システムはその期待にこたえているようだ。だが、RFIDの成熟度やビジネス価値に対する疑念が、ユーザーの間から完全に消え去ったわけではない。
第1世代RFIDシステムは、読み取り精度の不足やユニバーサル標準の欠如といった欠点を解消できなかったため、ユーザーの信頼を勝ち取ることができなかった。そのことを考えれば、「RFID Generation 2(Gen 2)」と呼ばれる新世代技術が市場に速やかに受け入れられつつある現状も、それほど驚くにはあたらない。実際、ウォルマートや米国国防総省といったヘビー・ユーザーの要請を受けて、供給業者の多くも、今や雪崩を打ってGen 2へシフトし始めているのである。
Gen 2の実装コストは
Gen 1よりも圧倒的に安価
Gen 2タグへの移行を終えたユーザーによれば、第1世代(Gen 1)と比較して、Gen 2の読み取り精度は著しく向上しているという。ただし、Gen 2はまだ新しい技術であり、機能的な限界もあることから、ビジネス分野にどこまで適用できるかといった点に関しては、疑問視する声もないわけではない。
それでもGen 2は急速に普及している。ウォルマートは今年夏、RFIDに対応している供給業者300社のほとんどを新技術へと移行させた。同社のグローバルRFID戦略および輸送システム担当ディレクター、サイモン・ラングフォード氏によると、ウォルマートのRFID読取装置はファームウェアをアップグレードするだけでGen 2タグに対応できたという。
小売業のメトロ・グループも、今年7月、Gen 2システムをロールアウトした。また米国国防総省は今年9月30日をもって、第1世代RFID技術の利用を終える方針だ。ただし、ペンタゴンの広報担当によると、最終的なスケジュールはフィックスされていない。
ウォルマートと納入契約を結んでいるシーフード業者、ビーバーストリート・フィッシャリーズも、最近、Gen 2を導入した。同社が新システムに移行したのは今年6月のことだが、同社でCIOを務めるホワード・ストックデール氏によると、Gen 2タグを導入したことにより、従来90パーセント程度であった読み取り精度は、ほぼ100パーセントにまで向上したという。
だが一方で、「Gen 2技術にもいくつか問題はある」とストックデール氏は指摘する。例えば、同社で使用しているマトリクス・システムズのGen 1スキャナは、Gen 2タグの読み取りはできるものの、書き込みはできず、スキャナ同士が近接した状態で正常に動作するための機能も利用できないという。そのため、ビーバーストリートでは、エイリアン・テクノロジーの新式読取装置「ALR-9800」を追加せざるをえず、RFID環境はかなり複雑なものとなってしまった。
また、ストックデール氏によると、Gen 2を導入したことにより、社内開発したERPおよびウェアハウス管理システムもアップデートを余儀なくされたという。これは、Gen 2タグが読み取った新しいデータをハンドリングするための措置だ。
それでも、「全体的に見て、Gen 2の実装コストはGen 1よりもずっと安価だった」とストックデール氏は語る。ビーバーストリートが導入したGen 2タグは、1個当たり約11セント。Gen 1タグが1個当たり31セントだったことを考えると、コストは大幅にダウンしたことになる。新しいスキャナのコストも300ドル程度であり、旧世代のものよりも安いという。
ほとんどのユーザーが
Gen 2で読み取り精度の向上を実感
一方、「当社が試験的にGen 2を導入した際の施設の改装費は、およそ1万5,000ドルだった」と語るのは、ユニリーバ・ノースアメリカでサプライチェーン・フューチャリストを務めるサイモン・エリス氏だ。消費者製品メーカーであるユニリーバも、ウォルマートの有力サプライヤーの1社だが、「Gen 2タグはそれほど悪くない」というのが同氏の率直な見解だ。
ユニリーバがEPCグローバル標準に準拠するためにGen 2に移行したのは、今年7月のことであった。同社にとってGen 2は新しい技術だったが、エリス氏によると、これを導入したことによって読み取り精度が10パーセントほども向上したという。「Gen 2製品はGen 1製品に比べると堅牢性も高い」と同氏は評価するが、「それでもまだRFIDは未成熟な技術だ」とクギを刺すことも忘れない。
ドイツ・デュッセルドルフに本拠を置く大手小売業メトロ・グループでも、Gen 2タグを利用することによって読み取り精度が格段に向上したとしている。ただし、同社の広報担当によれば、この技術に対する同社の評価は、まだ固まっているわけではない。
「われわれはRFIDの導入コストを早期に回収しようとは考えていない。それよりも、小売業界におけるイノベーション・リーダーシップを確立することと、新技術に対して適切な距離を維持することが重要であると考えている」(同広報担当)
業界アナリストのジョン・フォンタネラ氏は今年6月、「読み取り精度が向上し、EPCグローバル標準にも準拠したため、Gen 2がGen 1ほど急速に陳腐化することはない」との見解を明らかにした。なお、同氏は当時、コンサルティング会社アバディーン・グループに所属していたが、現在は同社を離れている。
そのフォンタネラ氏が執筆し、アバディーンによってリリースされたRFIDに関する報告書によると、Gen 2を導入しているとした企業のうち、75パーセントが「Gen 2技術を導入したことで、読み取り精度が向上した」と回答している。そのほかの同報告書の要旨は、以下のとおりだ。
●Gen 2技術を導入したサイトでは、100パーセントの読み取り精度を実現することも可能である
●調査回答企業の50パーセントが、2008年までに2〜10カ所の製造拠点にRFIDを導入すると答えている
●企業はRFIDの導入を検討する場合、コストよりも信頼性を重視する傾向にある
(マーク・ソンジニ/Computerworld オンライン米国版)
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