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[欧州]
マイクロソフト、次期Dynamics CRMのパートナー料金を40%値下げ

担当幹部は「使った分だけ支払う」とオンデマンド・モデルへの注力を再度アピール

(2007年10月24日)

 米国マイクロソフトは、CRMソフトの次期バージョン「Microsoft Dynamics CRM 4.0」(開発コード名「Titan」)に関して、パートナーが支払うサブスクリプション・ライセンス料金を40%引き下げる予定だ。

 Dynamics CRMは、SaaS形式での提供形態にも対応したCRMソフトウェア。今回の値下げは、10月23日にDynamicsビジネス・アプリケーションをテーマにデンマークのコペンハーゲンで開催されたコンファレンス「Convergence 2007」でアナウンスされた。これに伴い、従来バージョンのDynamics 3.0の価格も40%引き下げられる。マイクロソフトのCRMチャンネル戦略担当シニア・ディレクター、マーク・コーリー氏によれば、料金は国によって異なるという。

 パートナーが支払うライセンス料金は、顧客先でインストールしたシート数がベースとなる。同社Dynamics CRMワールドワイド製品マーケティング担当ディレクター、ブライアン・ニールソン氏は、「当社が前もってソフトウェアを提供し、パートナーは利用シート数に基づいて毎月支払う。つまり、実際に使った分だけ料金が発生するわけだ」と語る。同氏によると、シート数に関係なく、最初に料金を支払うことをパートナーに要求するベンダーもあるという。

 しかし、パートナーの支払い額が40%値下げされても、ユーザーがこれらのパートナーに支払う料金も相応に引き下げられるとは限らない。パートナーには、独自に料金を設定する権限が与えられる。マイクロソフトの広報担当者は、「論理的に考えれば、パートナー側のコストが下がった場合、顧客に請求する料金も値下げできるはずだ」と語る。

 匿名を条件に取材に応じたヨーロッパのパートナーの幹部は、マイクロソフトが設定していた従来の料金は少し高かったとしたうえで、料金が下がれば、IT予算の少ない小規模な企業にもホステッドCRMは魅力的な選択肢になると指摘する。

 また、このパートナー幹部によれば、DynamicsはOutlookなど使い慣れた製品を介してCRMを使えると評価する企業がある反面、構成作業の煩雑さに不安を感じる企業も少なくないという。そのため、「Titanでは、料金面の競争力を高めるだけではなく、パートナーのネットワークから構成や管理もできるようにしてもらいたい」とのことだ。

 もともとTitanは、今年6〜7月ごろにリリースされると見られていたが、今回ニールソン氏は、年内にリリースされるとの見通しを示した。Titanには、3種類のバージョンがあるが、いずれも同じコードベースで開発されている。パートナー側でホスティングを行うSaaSバージョンは、パートナーが特定業界向けの機能強化を追加できるようになっている。

 このほか、ユーザー側に配置するバージョンと、マイクロソフト自身がホスティングを行うバージョンがある。後者は、当面北米地域に限って提供されるが、全世界でロールアウトする計画もあるという。

 マイクロソフトに加え、SAPやオラクルといった大手ソフト・ベンダーは、ここ数年のセールスフォース・ドットコムの成功に刺激を受け、ホステッド製品への投資を強化している。今のところホステッドCRM分野でのマイクロソフトの勢力は大きなものではないが、「同社はほかの大手ベンダーよりもSaaSを重視している」(オーブムPLCの主任アナリスト、デビッド・ブラッドショー氏)という。

 マイクロソフトのこうした姿勢は、TitanのSaaSバージョンをマルチテナント方式にしたことにも現れている。マルチテナントであれば、パートナーが1つのサーバやアプリケーション・スタックで複数ユーザーのCRMソフトをホスティングできる。オーブムのアナリスト、ウォーレン・ウィルソン氏は、この方式はパートナーの収益を高めるのに寄与すると指摘する。また、3バージョンでコードベースを共通化することで、パートナーが複数のバージョンのアプリケーションを扱う労力も低減される。

 加えてTitanは、同じサーバ上で複数の通貨や言語をサポートする。Dynamics 3.0ではこのサポートはなく、一部のパートナーは、独自に国際化対応のための機能を開発していた。ウィルソン氏は、「こうした新機能をTitanに追加することで、オンデマンド市場におけるマイクロソフトの競争力は大幅に高まるだろう」と分析している。

(ジェレミー・カーク/IDG News Service ロンドン支局)




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