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仮想化によるサーバ統合に全社規模で取り組むNEC

VMware仮想インフラの採用でサーバ運用コストを大幅に削減

(2006年10月18日)

NECは現在、ITコスト削減策の一環として、ヴイエムウェアのサーバ仮想化ソフト「VMware ESX Server」を活用したサーバ統合プロジェクトを全社規模で展開している。以下、仮想化によるサーバ統合を実施するに至った背景や、VMware ESX Serverの導入によってもたらされた効果などについて、NECのマネージドプラットフォームサービス事業部プラットフォームソリューショングループ グループマネージャー、高橋幸雄氏に話を聞いた。

富樫純一

既存サーバを“手間をかけずに”集約

──仮想化によるサーバ統合を実施するに至った背景について伺いたい。
NEC マネージドプラットフォームサービス事業部 プラットフォームソリューショングループ グループマネージャー 高橋幸雄氏

高橋氏:当社は2002年から、ITプラットフォームの最適化と社内のITコストを25%削減することを目的とした施策「アタック25」を展開してきた。その施策の一環として、社内に散在していた部門サーバを集約することによって、それらの運用コストを下げられるのではないかと考えた。一方で、情報漏洩対策、ならびに、事業継続、内部統制強化への対応といった新規のIT投資費用を捻出するために、既存のIT運用コストを抑える必要もあった。そうした社内事情が、サーバ統合への大きな動機付けになった。

──サーバ統合にはいくつかの手法があるが、その中からVMware ESX Serverを選択した理由とは何か。

高橋氏:いくら部門サーバとはいえ、業務効率化のために導入されたサーバ・アプリケーションが稼働しているケースも多く、それらを別のサーバ環境に移行するとなると、きわめて大きなコストがかかってしまう。だが、VMware仮想化ソリューションを活用すれば、既存のサーバ環境をそのまま移行できるうえ、手間も省ける。そうしたサーバ環境移行に伴うコスト、ならびに、サーバのプロビジョニングに要する時間を大幅に削減できることがVMware ESX Serverを採用する決め手となった。

──すべての部門サーバを仮想環境に移行したのか。

高橋氏:いいえ。当然、用途によってサーバでの統合が向いているケースと、向いていないケースがあるため、用途を切り分ける必要があった。例えば、ファイル・サーバだけの用途で運用していたものは、仮想サーバに移行するのではなく、統合ストレージ環境にまとめることにした。しかし、ファイル・サーバだけでなく、アプリケーション・サーバやWebサーバとして運用しているサーバを統合するには、それぞれの機能を切り分けて、新しいサーバ環境に移行したり、チューニングしたりする必要がある。そうした作業は手間がかかるため、できるだけ手軽に移行するために仮想サーバによる統合を活用した。

──仮想化ソリューションもVMware以外に選択肢があったと思うが。

高橋氏:私が所属するマネージドプラットフォームサービス事業部は、システム子会社のNEC情報システムズとともに、NECグループ全体に対してITサービスを提供しており、プロバイダーと同等のサービス・レベルが要求される。したがって、仮想化ソリューションを選ぶ際には、特に運用管理面を重視した。そんななか、ヴイエムウェアが提供する運用管理ツールは十分な機能を備えており、われわれにとって最善だと判断した。さらに、NECはヴイエムウェアとアライアンス関係にあり、社内にはVMware製品の技術サポートを行う部門も設置されている。そうしたこともVMwareを採用した理由の1つだと言えるだろう。

仮想化により290台のサーバを統合

──社内には多数の部門サーバが存在するはずだが、サーバ仮想化に向けてどの部分から着手したのか。

高橋氏:まずは、アンケートにより社内に何台の対象サーバが存在するのかを把握するところから始めた。その結果、Windows Serverが稼働するサーバの数は何千台規模であることが判明した。そこで、対象の絞り込みと精度向上に向けてヒアリングを行い、最終的に営業・SE部門の約330台のサーバのうち、約290台を統合対象とした。その後、稼働サーバに影響を与えない独自開発のサーバ情報収集ツールを用いて、対象サーバのスペックや性能などの情報を調査し、現在、仮想化環境への完全移行に向けて作業を進めているところだ。

──約290台もの部門サーバをいかにして集約・統合するのか。具体的なシステム構成を聞かせてほしい。

高橋氏:インテル Xeonプロセッサ MPを搭載した4ウェイのExpress5800/140R、ならびに、2ウェイのExpress5800/120Rをプラットフォームとし、サーバの用途と種類よって異なるが、1CPU当たり平均3〜4台の部門サーバを仮想化するかたちで集約している。各サーバは、CPUの負荷やメモリの使用量から判断して配置しているが、CPU利用率の推移などを常時監視して、利用率が上がった仮想サーバはその都度再配置している。今後は、インテルの仮想化技術「インテル バーチャライゼーション・テクノロジー(VT)」対応プロセッサを搭載したサーバを導入して、営業・SE部門以外のサーバも仮想化環境へ順次移行していく計画だ。

──サーバ統合によって期待されるメリットには、どのようなものがあるか。

高橋氏:サーバ仮想化の大きなメリットの1つに、新規サーバを容易に立ち上げられることが挙げられる。例えば、評価用に新しいサーバを用意してほしいと依頼された場合、物理サーバだと実際に機器を調達して稼働させるまでに約2〜3週間かかるが、仮想サーバだとわずか数時間で立ち上げることが可能だ。また、現在は移行作業の途中なので正確な数字は出せないが、コスト・シミュレーションを行ったところ、かなりのTCO(Total Cost of Ownership:所有総コスト)削減を実現できると見込んでいる。

全社展開と同時に社外向けにソリューションを提供

──仮想化によるサーバ統合は、今後、全社で取り組んでいくのか。

高橋氏:NEC社内では、すべての事業部門においてサーバ統合を推進する動きがあり、先行して取り組んでいる営業・SE部門のほか、製造部門でもこのほど実施に向けた調査を開始したところだ。

──サーバ統合で培った仮想化のノウハウを、今後、社外向けサービスとして提供する計画はあるか。

高橋氏:はい。すでにSI型では2004年6月から「プラットフォーム最適化ソリューション」として、アウトソーシング型では今年4月から「プラットフォームマネージドサービス」として社外のお客様に提供している。これらのサービスは、まさにわれわれが社内で培ったサーバ仮想化のノウハウをサービスとして提供するものである。




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