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データセンター

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深刻化するデータセンターの「熱問題」にどう取り組むか

「発熱」「省電力」対策の処方箋を探る

(2007年02月20日)

データセンターは今、仮想化などの先進技術の普及とサーバの集約化に伴う発熱と消費電力の増大という重大な問題に直面している。本稿では、電源管理ベンダーとして長年にわたってデータセンターの発熱対策と省電力化に取り組んできたエーピーシー・ジャパン(以下、APCジャパン)の千歳敬雄氏に、データセンターが抱える課題とその解決策について話を聞いた。

益田 昇
Computerworld.jp

重大な危機に直面する
データセンター

 単一の物理サーバ上で複数のOSやアプリケーションを稼働させることができる仮想化技術や、インターネットをフル活用するサービス指向のアプリケーション技術の進展は、データセンターの役割を大きく変えようとしている。

 APCジャパンの千歳氏によると、データセンターはこれまで時間と場所が固定されたサーバやストレージの単なる“収納庫”にすぎなかったが、今後はデータセンターの高密度化が進むと同時に、サーバ環境の仮想化と携帯化がさらに進展し、情報をいつでもどこでもリアルタイムに取り出せる環境へと変化していくという。

 こうした変化に既存のデータセンターは果たして対応することができるのだろうか。実はそれどころか、高密度化が進行するデータセンターは今、重大な危機に直面しているのである。それは、まさに「発熱」と「冷却」、「電力消費」の問題だ。これは、単にデータセンター自体の問題にとどまらず、慢性的な電力不足、さらには地球温暖化にも大きく影響していると言われている。

深刻化する「発熱」問題

 つい数年前まで、データセンターでのサーバ・ラック1台当たりの消費電力量は、3-4KWというのが一般的だった。しかし現在では、サーバの薄型化、高密度化、ブレード・サーバの台頭に伴い、1ラック当たりの消費電力は10KWを上回ることも珍しいケースではなくなった。

 多くのデータセンターでは、センター内のラック1台当たりの実装密度が高まるのに伴って、消費電力量の増加や、発熱量の増加による冷却の必要性が高まっている。一般的にサーバを冷却するには、そのサーバが消費する1.2〜1.3倍の電力が必要になると言われている。

 フリー・アクセス・フロアによる冷却にも限界があり、これからの高密度化したラック環境に対しては不十分な場合が発生するという。一般企業内の電算室やサーバ・ルームでは、床下に多くのケーブルが詰め込まれるなど、エア・フローが阻害されていることも多い。

 下図は、APCが、一般的な外部冷却ファンを使用して、実際にサーバ・ラックを冷却した際の温度推移を検証したグラフである。2KWの負荷をかけた段階では、サーバ・ラックはフロント部もリア部も大きな温度変化は示さなかったが、5KWの高負荷をかけると、リア部の温度が急上昇を示した。その後、冷却ファンを稼働させたが、リア部の温度を下げることはできなかった。


冷却ファン使用時のラック(前部・後部)の温度推移

 もう1つの配慮しなければならないのがオーバーサイジングの問題だ。一般的にデータセンターを設計する場合には、将来の負荷を想定して容量を多めに確保するのが普通である。しかしこの設計を間違うと大きな無駄、つまりオーバーサイジングが発生してしまうことになる。例えば、データセンターの平均稼働率が25%だったとすれば、75%の電力が無駄になったことになる。

 データセンターの課題について、千歳氏は、「アクセスの増加による歯止めのない拡張、サーバやリソースの非効率な配備、統合されていないアプリケーション・スタックの増大などにより、データセンターの多くはすでに限界にきており、何らかの対策を講じる必要に迫られている」と指摘する。

効率的な「発熱対策」を
実践するために

 有効な発熱対策や省電力化を実現するためには、データセンターの設計段階からこうした問題を十分に考慮したうえで構築に取り組む必要がある。千歳氏は、ラック単位での対策だけでなく、ラックの「列」単位での対策を実施し、フロア全体にわたって冷気通路と暖気通路を設けるといった効率的な高密度冷却基盤を構築することが重要だと力説する。

 また、オーバーサイジングによる電力の無駄を最小限に抑えるためには、標準化されたモジュールやコンポーネントを採用し、ITインフラをサービスの成長に合わせてラック列単位で段階的に増強できるように計画を立案する必要がある。

 「標準化モジュールを組み合わせて、データセンターを拡張できるようにしておけば、システムを構築・拡張するコストや時間を削減できるだけでなく、拡張性の確保や保守性の向上を実現することができる」と千歳氏はアドバイスしている。




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