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【解説】
ブレード・サーバ導入の落とし穴
データセンター側の受け入れ態勢に抜かりはないか?!
(2007年03月30日)
プラニング・ツールを使って
コストを削減する
マン氏は、電力やスペースに関する問題の発生を予測し、その回避策を講じるために、ビジュアル・ネットワーク・デザインの「Rackwise」やアパーチャー・テクノロジーズの「Vista」といった電力/スペース・プラニング専用プログラムを利用することを勧める。また、消費電力を追跡管理するツールとしては、ヒューレット・パッカード(HP)の「Insight Power Manager」を推奨する。
こうしたツールを使った事前プラニングをしないまま導入を進めてしまうと「将来的にコストの増大を招く」と指摘するのは、SaaS(Software as a Service)プロバイダーであるオプソースのCTO(最高技術責任者)、ジョン・ロウェル氏だ。「大規模なサーバ導入を行う場合は、IT管理者が“消費電力の専門家”にならないと、コストに押しつぶされてしまうことになる」(同氏)というわけである。
ロウェル氏がこうした警告を発するのも、オプソースが、実際に“消費電力”に関して苦い経験をしたことがあるからだ。同社では、2005年から2006年にかけてデータセンターの拡張を行い、ブレード・サーバを850基以上に増強、電力は天井から供給するようにした。
その結果、(当時電気料金が値上がりしたという不可抗力もあったものの)データセンターの電気料金が従来の2.5倍以上にも膨れ上がったのである。しかも、データセンター拡張前に顧客と交わした合意があったため、拡張によって増大したコストを顧客(の利用料金)に転嫁することができなかった。「追加コストのほとんどを自社で吸収しなければならなかった」(同氏)のである。
オプソースはサービス・プロバイダーでありユーザー企業とは状況が違うが、企業のIT管理者も、ブレード・サーバを導入するにあたっては、電気料金などに関して事前に十分考慮しておくべきであろう。特に、チャージバック制度や各部門のユーザーが消費するITリソースのコストをそれぞれの部門に負担させる予算システムを導入している企業にとっては、オプソースのケースは格好の教訓になるはずだ。
ロウェル氏はまた、“ブレード・サーバ時代”には、もちろんサーバ(ブレード)の数も増えるが、それに含まれるCPUとメモリも増加することを忘れてはならないと説く。それが、データセンターの電力事情を悪化させる元凶になっているというのである。
「ブレード・サーバに搭載される高速プロセッサと大型メモリ・チップを動かすためには、多くの電力が必要となる。それが、ブレード・サーバの台数増とともに、データセンターにおける電力需要を幾何級数的に増大させる要因となっている」(同氏)
そこで、ロウェル氏のチームは、CPU/メモリの消費電力分析を行うためのソフトウェア・ツールを導入して、購入するブレード・サーバが自社に適しているかどうかの検証を行っている。ちなみに、同氏によれば、今日のアプリケーションを走らせるには、2001年当時の3倍ものCPU性能/メモリ容量が必要になるという。
一方、サーナーのスミス氏は、ブレードの導入にあたってはラック・サイズなどにも注意する必要があると指摘する。「ラックに収めるシャーシの台数しだいだが、計画的に進めなければ、ラックが部屋を仕切るドアよりも高くなってしまうことだってありうる。実は、当社でも、そのためにいくつかのドアを改修することになった」(同氏)。
また、ラックがあまり高くなりすぎると、配線にも支障を来すおそれがある。サーナーでは、この問題に対処するために、「配線システムを天井に配備し、十分なスペースを確保できるようにした」(同氏)という。
ブレード・サーバの電力問題と冷却問題に対応するためには、こうした恒久的な措置だけでなく応急処置をとることもできる。「例えば、ラック周りの床タイルの上に何も置かずに冷たい空気を入れる、バックドアを設置して熱を逃がす、といった手法もある。そのほかにも、水を用いてデータセンターを冷却するといった方法など、回避策はたくさんある」(スミス氏)のだ。
ただし、「これらの対策にはすべて追加コストが発生することになる」(スミス氏)し、その結果、「ブレード・サーバを導入するメリットを電力対策と冷却対策にかかるコストが上回ってしまう可能性もある」(同氏)のである。
それでもブレード・サーバは
魅力的な選択肢
このように、ブレード・サーバを他に先駆けて導入・運用してきたITマネジャーたちは、一様にブレード・サーバには特有の問題が存在することを口にする。だが、彼らはまた、「だからといってスタンドアローン・サーバには決して戻ろうとは思わない」という点でも、意見を同じくしているのである。
「ブレードに移行した大きな理由は、仮想化ツールの存在(仮想化のメリットを享受できるところ)にあった」と語るロウェル氏は、オプソースが採用しているLinuxとマイクロソフト環境に対応した強力な管理ツールを「もはや手放すことはない」と言い切る。
一方、コンサルタントのマン氏は、吸収合併の渦中にあるような企業にとって、ブレード・サーバによってもたらされる仮想化のメリットは魅力的だと指摘する。というのも、「自分が勤務する会社が突然別の会社を買収したとしても、新しいブレードを大量に追加すれば、新たな従業員向けに仮想化環境を構築するという作業を比較的簡単に行うことができる」(同氏)からである。
また、同氏は、ブレードによってデータセンターの管理作業も簡便化されると主張する。
「何十基ものブレードを容易に管理することができるので、回転いすを滑らせて忙しく動き回る必要がなくなる。遠隔サイトを含むすべてのマシンを、単一コンソールから一括管理できるというのは管理者にとって、まさに天国だ」(マン氏)
それと似た表現で、「ブレード・サーバは神からの授かりものだ」とにこやかな笑顔を見せるのは、インテレネットのスタイン氏だ。その真意を、同氏は次のように説明する。
「われわれにとって、ブレード・サーバの調整・変更は、十分やるだけの価値があるものとなった。なぜなら、従来型のサーバのように、サーバをラックから取り出して分解・再設定するといったような、余計な手間暇がかからないからだ。ブレード・サーバなら、ただブレードを引き抜いてアップグレードし、元の場所に差し込むだけでいい」
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