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ブレード・サーバ導入の機は熟したか

将来展望と企業ユーザーの導入メリットから考察する

(2007年05月15日)

ブレード・サーバがガートナーの統計データに初めて登場したのは2002年のことである。それから5年近くが経過した現在、ブレード・サーバは、サーバ市場の主力製品の座に押し上げられつつある。では、このブレード・サーバは、はたして企業ユーザーにどんなメリットをもたらすものなのだろうか。本稿では、ブレード・サーバの進化の過程を整理しつつ将来を展望することによって、企業ユーザーにとってのメリットを明らかにしたい。

亦賀忠明
ガートナー ジャパン リサーチ/ITインフラストラクチャ担当バイスプレジデント

内外で大きく成長するブレード・サーバ市場

 ブレード・サーバの現状を把握するために、まずは市場を概観してみたい。

 2006年上半期(1月〜6月)の国内ブレード・サーバの出荷台数は、前年同期比47.1%増の約1万6,000台であった。この期の国内サーバ市場全体の台数成長率が9.8%だったことを考えると、ブレード・サーバ市場の成長には目覚ましいものがある。また、世界のブレード・サーバの出荷台数も約34万台、前年同期に比べ49%もの伸びを示した。

 一方、サーバ市場におけるブレード・サーバのシェアを見ると、日本とそれ以外の国とでは大きな差がある(図1)。国内では現在、サーバ・ベンダー各社がブレード・サーバの販売に注力しているが、市場の勢いは2005年と比べると若干弱く、2006年上半期のブレード・サーバ市場は弱含みとなったと見られる。2006年の年間シェアも6、7%程度になると予測される。それに対し、日本以外の国ではブレード・サーバは右肩上がりにシェアを伸ばしており、その結果、2006年上半期の市場シェアはサーバ市場全体の9%近くになった。この傾向が続けば、2006年通期の、日本以外の国のブレード・サーバの市場シェアは10%に届く可能性もある。

図1:サーバ市場全体におけるブレード・サーバのシェア(台数ベース)
*資料:ガートナー データクエスト(2006年11月)

ブレード・サーバの歴史

 次に、ブレード・サーバの歴史を整理することで、その進化の過程を明らかにしよう。サーバ分野におけるブレード・サーバの歴史は浅いが、それでも登場からすでに5年がたっている。以下、ブレード・サーバの歴史を4世代に分けて説明する(図2)。

図2:ブレード・サーバの進化
*資料:ガートナー(2006年11月)

第1世代(2000年〜2001年)

 ブレード・サーバの概念が提唱されたのは2000年の後半、ヒューレット・パッカード(HP)が2005年に買収した米国RLXテクノロジーやファイバサイクル・ネットワークスといったベンダーによってであった。想定ユーザーは当初、サービス・プロバイダーの大規模なデータセンターだったが、その直後に起こったITバブル崩壊により、企業のデータセンターへとシフトされた。とはいえ、初期のブレード・サーバは、企業で受け入れられるほどには成熟していなかった。そうしたなか、イージェネラが2001年に“エンタープライズ・データセンタのための理想のプロセッシング・プラットフォーム(同社の資料から抜粋)”というビジョンに基づくブレード・サーバ「BladeFrame」の出荷を開始した。

第2世代(2002年〜2003年)

 2002年に入ると、HP(コンパック)、IBM、デルがブレード・サーバ市場に参入し、これがブレード・サーバをメインストリームに押し上げるきっかけとなった。国内でもほぼ同時期に、NEC、富士通、日立製作所が相次いでブレード・サーバ市場に参入した。

 これらベンダーの多くは、ブレード・サーバを企業向けの汎用製品とすることを目指して製品を展開した。当時、主要ベンダーは、次世代のビジネスまたはインフラ・コンセプト(HPの「アダプティブ・コンピューティング」、IBM「eビジネス・オンデマンド」と「オートノミック・コンピューティング」など)を提唱し始めており、こうしたコンセプトを具現化する製品としてもブレード・サーバを位置づけていた。

 また、IBMがインテルとブレード・サーバの設計・開発において提携すると発表したことで、ブレード・サーバを巡る競争はパートナー関係を含めて激化の兆しを見せ始めた。加えて、当時、グリッド・コンピューティングが注目を集めていたことから、主要ベンダーは、ブレード・サーバの用途をHPCにまで広げた。以来、企業では、ブレード・サーバの主用途はフロントエンド・サーバであるという解釈が一般的となった。


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