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ストレージのスリム化に挑む
エンタープライズ・ストレージの省エネ&省スペース化を実現する最新技術
(2007年08月31日)
【3】ハイブリッド・ハードドライブ
| サムスンのハイブリッド・ハードドライブ
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ここで言う「ハイブリッド・ハードドライブ」とは、従来型のハードディスク・ドライブに、不揮発性のフラッシュ・メモリを内蔵させたストレージを指す。
現在、シーゲートやサムスンといったベンダーが、この種の製品を市場に投入している。
ハイブリッド・ハードディスク・ドライブのコンセプトはきわめて単純だ。それは、不揮発性のフラッシュ・メモリを、データ保存・読み出しを効率化するキャッシュ(ないしは、バッファ)として用いるというものである。
もちろん、このコンセプトは決して新しいものではない。実際、今日における多くのハードディスク・ドライブが、バッファ・メモリを装備している。
ただし、それらのバッファ・メモリのサイズは、大抵の場合、4MB〜8MB程度でしかない。それに対して、ハイブリッド・ハードディスク・ドライブの場合、1GBレベルのバッファ・メモリ(不揮発性フラッシュ・メモリ)を搭載している製品も少なくない。
そのため、ハイブリッド・ハードディスク・ドライブでは、データの読み書き時におけるハードディスク(盤)の回転数を(従来型のハードディスク・ドライブ)に比べて大幅に削減することが可能であり、結果として、動作時の消費電力や発熱量も低く抑えることができる。
「これらの利点から、近い将来、ハイブリッド・ハードディスク・ドライブが、ノートPCやデスクトップPC、ひいては、エンタープライズ・ストレージの領域で広く使われるようになるだろう」と、ザ・クリッパー・グループのマックアダム氏は指摘し、以下のように続ける。
「ハイブリッド・ハードディスク・ドライブの良さは、製品の目的・コンセプトが明快で、シンプルな点だ。このような製品は、ユーザーからも投資対効果が見えやすく、ユーザーの支持も集めやすい。その意味で、かなり有望な製品だと思う」
データセンター・ストレージの運用コストを削減する8つの手法
今日、ストレージ・ベンダーの多くが、自社の技術によってストレージに対する電力消費や冷却の必要性をともに減らすことができると主張している。ただし、ベンダーの提供する技術だけで、ストレージ運用にかかるコストを大幅に減らせるわけではない。そこで本稿では、ストレージのコスト削減に役立つ8つの方法を紹介することにしたい。
【1】情報ライフサイクル管理
. 情報ライフサイクル管理(Information Lifcycle Management:ILM)は、技術であると同時に、データ管理の方法論であり、手法だ。この手法を用いることで、高価で消費電力量も多いハイエンド・ストレージに、ほんとどアクセスされなくなったデータを格納し続けるという“リソースの無駄遣い”を排除することが可能になる。
また、現在、多くのベンダーが、ILM環境の構築や運用管理を効率化するためのソフトウェアやサービスを提供している。さらに、ベンダーの中には、電力消費という観点から、ILM環境のストレージ構成を最適化するサービスを提供しているところもある。
そうした1社が、米国EMCコーポレーションだ。
同社では現在、「Energy Efficiency Service」と呼ばれるサービスを提供している。これは、ストレージに対する想定負荷を勘案しながら、EMC製ストレージの特定のコンフィギュレーションで、どの程度の電力が消費されるかを見積もるサービス・プログラムだ。これを用いれば、電力消費量を考慮に入れながら、ILM環境のストレージ構成を最適化していくことが可能になる。
【2】リソースの仮想化
仮想化は、物理的なサーバやストレージ・デバイスを、論理的なプール(集合体)に集約することで、サーバとストレージ双方のリソースの使用効率を高める技術である。
この技術を用いて、社内に分散したサーバやストレージを統合化すれば、ハードウェアの数と運用管理の手間を全社的に削減することが可能になる。
ただし、分散したサーバやストレージをシステム的に統合化するということは、それぞれの処理能力を集中化させることを意味する。すなわち、システムの統合を行う場合、処理能力の高いサーバやストレージのリソースを物率的に集中して配置することがどうしても必要とされるわけだ。
現在、IAサーバの仮想化によって、サーバ統合を行う際に、ラック(ないし、ブレードサーバ)などを用いて、サーバやストレージのリソースを密集させるという手段が一般的に採用されている。
当然のことながら、サーバやストレージのリソースを密集させると、発熱量が膨れ上がり、その冷却のために多大な電力を消費せざるをえなくなる。もちろん、密集したサーバやストレージを動作させるだけでもかなりの電力が必要とされる。その結果、設置したサーバ・ラック(ないしは、ブレードサーバ)に十分なリソースを搭載させる前に、データセンターのパワー・キャパシティが限界に達してしまうおそれすらある。分散したサーバのストレージの統合化を行う場合には、その辺りに対する十分な配慮が必要とされる。
【3】データ圧縮
ストレージのコストを削減したければ、ストレージ・リソースの消費量を最大限に減らす努力も惜しんではならない。
例えば、同じデータの複製をいくつも作らないようにすれば、それだけで、ストレージ・リソースの消費量を抑制することが可能だ。現在、データ・ドメインやエクサグリッド・システムズ、アジグラ、さらには、EMCが買収したアバマー・テクノロジーズといったベンダーが、データのバックアップなどを行う際に、ストレージ・リソースの消費量を最大限抑制するための仕組み(ソフトウェア)を提供している。
【4】シン・プロビジョニング
アプリケーションからの要求に応じて、ディスク・ドライブ上のキャパシティを動的に、かつ適切・迅速に割り振る「シン・プロビジョニング」の機能も、ストレージ・リソースの消費量を抑えるうえでは有効だろう。また、シン・プロビジョニングの機能を用いれば、「アプリケーションに対して、どの程度のストレージ・リソースを割り当てるか」といった「キャパシティ・プランニング」の手間も大幅に削減することができる。
現在、3パーデータ(3PARdata)をはじめとするさまざまなベンダーが、シン・プロビジョニング機能を備えたストレージ製品を提供している。
【5】MAIDストレージ
コーパン・システムズといったベンダーから提供されている「MAID(Massive Array of Idle Disks)ストレージ」は、ストレージの消費電力削減を可能にするテクノロジーだ。
この技術では、データの読み書き要求があった場合にのみドライブ内のディスクが回転する仕組みになっている。そのため、通常のRAIDストレージよりも、稼働に必要とされる電力が小さくなる。
ただし、停止状態にあるディスクを回転させるまでの“余分な時間”が発生するため、ディスク・アクセスを頻繁に行うOLTPアプリケーションなどでは、MAIDストレージの活用が事実上不可能となる。
【6】高速・低消費電力NAS
現在、多くのベンダーが、ストレージのスリム化に向けてさまざまな製品を提供しているが、その中には、ユニークなプロダクトもいくつかある。例えば、ブルーアークのファイル・サーバ「Titan 2200」は、複数のSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)、ないしはNAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)のフロントエンドとして機能するもので、同製品の活用によって、ストレージ全体の電力消費量や発熱量を大きく削減することが可能になるという。しかも、Titan 2200は従来のハイエンドNAS製品の2倍の性能を発揮するという。
また、アガミ・システムズは、省電力・省スペースのNASサーバを提供している。同製品は、64ビット・プロセッサを搭載したサーバで、その消費電力は一般的なNAS製品の2分の1であるという。また、設置スペースについても、従来型のNASハードウェアの8分の1ですむとされている。
【7】冷却ファシリティ
現在、数社のベンダーから、ストレージなどのハードウェアの温度を検知し、必要に応じて冷却を行うシステムが提供されている。その1つが、ヒューレット・パッカードのダイナミック・スマート・クーリング・システムだ。同システムを用いれば、データセンタ ーの電力消費量を25%〜40%セーブできるとされている。
【8】集中型DCパワー・ディストリビューション・システム
現在、複数のストレージ、またはサーバへの電力供給を最適化する集中型のDCパワー・システムに注目が集まっている。この種のシステムはまだ実用化のフェーズにはないが、その実用化、または製品化が行われれば、データセンターの電力消費量の削減に大きく寄与することになるのは間違いない。























