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データセンター革新

グリーン化を実現するために、コールセンターを「仮想化」せよ

在宅勤務を取り入れれば、オペレーターの定着率がアップし、省エネも達成

(2007年11月19日)

有能なオペレーターを囲い込め

 マーシャル氏は、電子プレゼンスはオペレーターのみならず、コールセンターを運営している企業にもさまざまなメリットをもたらすと主張する。そのメリットの1つが、「優秀なオペレーターの確保(囲い込み)」である。

 同氏によれば、自宅などの遠隔地で勤務するオペレーターはコールセンターで勤務するオペレーターに比べて、仕事に対する満足度が高いという。その理由としては、よりフレックスな勤務態勢が可能なことと、交通渋滞に巻き込まれなくて済むことが挙げられている。ちなみに、ディメンション・データが世界各国の企業/組織のコールセンターを対象に行っている調査「Global Contact Center Benchmarking Report」(グローバル・コールセンターにおけるベンチマーク報告)の第9回年次報告には、この件に関して次のような記述がある。

 「このような柔軟かつ洗練された勤務スケジュールを追求することにより、幅広い分野の有能な人材をコールセンター要員として確保することが可能になる」

 さらに、米国の調査会社アバディーン・グループの調査では、次のような調査結果が示されている。

 「(各分野でトップ・クラスの)企業の35%以上が、(遠隔地で勤務する)リモート・オペレーター制度を導入したことによって、顧客満足度を10%以上も向上させている」

 リモート・オペレーターの雇用を進めることによって、企業は物理的なコールセンターの規模を縮小したり、あるいは完全になくしたりすることができる。これはもちろん、コスト削減につながる。また、上述したように、オペレーターの満足度が高まることでオペレーターの定着率が増せば、企業はその分だけ採用コストやトレーニング・コストを抑えることができる。そのほか、混み合う時間帯に柔軟に対応できる勤務シフトを効果的に組むといったことも可能になる。

 こうしたメリットを実際に享受しているのが、米国の航空会社、ジェットブルー航空だ。同社のコールセンターは、オペレーター全員が自宅勤務という“100%リモート・オペレーター体制”を実施しているが、その結果、オペレーターの定着率が平均をはるかに上回るなど、多くのメリットが得られているのだ。米国の産業界では、今、ジェットブルーに続けとばかりに、仮想コールセンター(リモート・コールセンター)の構築を目指す企業が増えているという。

 もっとも、マーシャル氏が言うように、リモート・コールセンター要員の管理は、想像するよりもはるかに大変な仕事である。「『オペレーターさん、時間になりましたので自宅のコンピュータを使って勤務を開始してください』と呼びかけるだけで、何の問題もなくスムーズに仕事が流れるわけではない」(マーシャル氏)のだ。

 まずは、チーム・リーダーに、リモート要員を管理するテクニックを習得させる必要がある。それに、個々のリモート・オペレーターに適切なコンピュータと電話機を配備し、オペレーターを効率的かつセキュアにサポートするために、企業インフラを拡張する必要もある。

セキュリティと環境保護対策も重要

 インターネットを介して企業インフラをリモート・オペレーターに拡張すること自体は、それほど難しいことではない。しかしながら、その場合、マルウェアの侵入を防止するための対策など、さまざまな付帯対策が必要になってくる。また、リモート・オペレーターに仕事部屋では白熱灯ではなく蛍光灯を使用するよう呼びかけるなど、仮想コールセンターを実現するにあたっては、環境保護(省エネ対策)の面でもさまざまな対策が必要になる。もっとも、マーシャル氏によれば、こうした対策、あるいは仮想コールセンターを実現するための手段には、コスト効率の高い解決策が用意されているという。

 例えば、仮想コールセンターを構築するための必須アイテムである電子プレゼンス機能は、レベル2、レベル3のサポートを実現するための武器ともなる。具体的に言うと、まず、IT組織内で各分野の専門技能を持ったスタッフ――例えば、シスコ認定資格を持つネットワーク・エンジニアなど――を網羅したデータベースを構築しておく。その上で、マネジャーはコールセンターにかかってくるユーザーからの質問に答えるために必要な技能を見極め、電子プレゼンス・システムを使ってその技能を持っている人物を特定し、当人と連絡を取るための効率的な手段を整備する──というわけだ。こうしたことが実現すれば、コールセンター自体の性格も変わってくることになろう。

 「コールセンターとナレッジ・ワーカーの垣根を低くし、オペレーターから(特定の技能を持った)ナレッジ・ワーカーを見つけやすくすることで、コールセンターを、単なるオペレーターの集団から社内外の要望にこたえることのできる人事チームへと生まれ変わらせることができるのだ」(マーシャル氏)


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