【 ここから本文 】

データセンター

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


データセンター革新

グリーン・データセンターを実現するマルチレベル手法

コンポーネント/サーバ/ラック/設備から検証する

(2008年01月29日)

前のページへ < 123| 

ユニット・レベル ── 設計に工夫し省電力化

 より細かな単位としては、IT機器レベルでグリーンITへの取り組みも行われている。

 省電力サーバというとプロセッサでの省電力化がまず思い浮かぶが、事実、サーバの消費電力に占めるプロセッサの割合は30%程度に及ぶ。残り70%の電力は電源やメモリ、マザーボード、内部冷却ファンやHDD、そして電源ユニットによって消費されている。現在主流となっているIAサーバの場合、プロセッサはIntelまたはAMD製がほとんどであり、この点ではどのベンダーのサーバも大差はない。しかし、電源ユニットやマザーボードの設計では、省電力に配慮した設計を行っているかどうかで意外に差が出るという。

 電源ユニットを改良して変換効率を高めたり、マザーボードの設計を工夫してむだな電力損失を避けるよう配線長を最適化したりといった工夫は、地味ではあるがサーバの実消費電力に少なからぬ影響を与えている。一方、カタログに明記されるサーバの消費電力量はいわば最大値であって、実運用状況ではそれよりも少なくなることが大半だ。そのため、運用状況に即した電力消費量を明示しようという動きもあり、ユーザーが消費電力を意識した機種選定を行いやすくなることも今後は考えられる。

 基本的な考え方としては、今後市場に投入されるほとんどのIT機器はグリーン化を意識した設計がなされる可能性が高く、その意味では最新機種に入れ替えれば処理能力の向上と省電力化を同時に実現できる。とはいえ、まだ使えるサーバを入れ替えるとなると、コスト面でメリットがあるかどうかは疑問符がつく。ユーザーの基本的な対応としては、機種入れ替えの際に消費電力についてこれまで以上に真剣にチェックする、という辺りに落ち着きそうだ。

コンポーネント・レベル ── プロセッサの進化

 さらに個々の部品単位でも省電力化は進んでいる。特に顕著なのはプロセッサだが、前述のとおりこの部分は、実は全体に占める割合は意外に低い。とはいえ、この点を意識して機種選定を行うことには十分意味がある。

 最新プロセッサでは45nmプロセスへの移行が間近に迫っており、プロセスの微細化が進むごとに消費電力は低減される傾向にある。一方、微細化によって配線密度が高まったこともあり、リーク電流が増大するという問題もあったのだが、Intelは45nmプロセスでHigh-K材料(ハフニウム)やメタルゲート・プロセスを採用し、大幅なリーク電流の軽減を実現している。

 また、サーバの負荷が低い場合にはクロック周波数を落としたり、プロセッサ内部を機能ごとにいくつか分割し、使用されていない機能を担っている部分の電源を切ってしまうことでむだな電力消費を避けるといった手法も実装されるようになってきた。つまり、サーバの演算処理に必要な分だけの電力消費量に抑えるという方向では着実に効率化は進んでいる。ただし、このことがIT機器の買い替えに直結するとは言えず、ユーザーとしても「買い替えの際には考慮する」という程度になるだろう。

ソフトウェアの活用も有効な手段に

 最後に、グリーン・データセンターの実現におけるソフトウェアの寄与についても簡単に触れておこう。

 サーバ・ルーム内での空調制御の緻密化にCFDが大きな役割を果たしているのは前述したとおりだが、それ以外にもさまざまなソフトウェアがグリーン化に寄与している。例えば、運用管理ツールの高機能化によって負荷の適切な分散や運用管理の自動化が実現し、サーバの稼働状況が最適化される。これも、サーバをむだに稼働させておく必要がなくなるという意味でグリーン化にプラスの影響を与える。また、最近注目が集まるサーバ仮想化も、稼働率の低い多数のサーバを統合することでむだな電力消費の削減に貢献する。

 電力消費量を低減するためにデータセンターの運用を停止することはありえない。したがって、最小限の電力消費量で運用することが、現時点におけるグリーン・データセンターの目標だと言える。こうしたギリギリの最適化を実現するためには、人手によるあいまいな運用管理を最終的には排除せざるをえない。電力消費の効率化というとハードウェアや設備面にばかり関心が向きがちだが、ソフトウェアが果たす役割も非常に大きいことを意識しておく必要があるだろう。


前のページへ < 123| 



関連記事

▲ページの先頭へ戻る


Special

次世代のグリーンなデータセンターの実現に向けて

APC SOLUTION FORUM 2008 イベントレポート

グリーン・コンピューティング

データセンターのグリーンIT化は電力管理だけに非ず――「総合的視点を」

ガートナーが提唱する“生きた”データセンターとは

「データセンターの環境対策が急務」

グリーンIT時代のシステム運用管理を考える

サーバ電力管理やハードウェア・リソース管理など「省電力に貢献するツール群」の活用

着手する前に知っておきたいグリーンITの基礎知識

FAQと米国企業の先進事例に学ぶ

最新記事はこちら

キャッチアップ

企業ITは数年で「プライベート・クラウド」へ向かう――ガートナーが予測

「メタOS」と「サービス・ガバナー」を核にパブリック・クラウドとも連携へ

大災害からサバイブした企業のディザスタ・リカバリ計画

データセンター・ロケーションの見直し

国内データセンターの約4割がグリーンIT化を推進

選定に際しグリーン対応を重視する企業は65%以上にも

にわかに活発化する移動式データセンターの開発競争

サン、IBMに続き、HPもコンテナ収納型のデータセンターを製品化

データセンターの新増設で、CIOたちが実際に経験したこと

キャパシティ、設置スペース、電力と発熱、コスト――問われる課題への解決力

データセンターを変革する3つの“メガトレンド”――米国の業界団体が発表

ブレード・サーバの業界団体が予想する近未来のデータセンター

【ミック研調査】国内データセンターの総消費電力量、2007年度は57億Kwhに

2012年度には倍近くの107億Kwhへの拡大を予想

データセンター管理のキーワードは「ITIL」と「自動化」――2つの調査に見るユーザー意識の高まり

「いずれも効率的なIT環境の実現に貢献」とアナリストが指摘

日本で進まぬデータセンターの「グリーン化」――シマンテックの調査で明らかに

グリーン・データセンターを「とてもよく知っている」と回答した企業は“0”

データセンター内をさまよう“幽霊サーバ”を暴き出せ!

存在していないはずなのに金だけは食う、やっかいものの正体とは

グリーン・データセンターを実現するマルチレベル手法

コンポーネント/サーバ/ラック/設備から検証する

ストレージの電力効率を改善する「5つの実践」

SAN環境の統合が“データセンターのグリーン化”に大きく貢献

グリーン化を実現するために、コールセンターを「仮想化」せよ

在宅勤務を取り入れれば、オペレーターの定着率がアップし、省エネも達成

データセンターの刷新に取り組む米国ユーザー

緊急の課題は冷却の効率化とデータ処理増大への柔軟な対応

データセンターとグリッド

グリッドの経営価値

ブレード・サーバ導入の機は熟したか

将来展望と企業ユーザーの導入メリットから考察する

高可用システムの根幹を成す「物理インフラ」を再点検する

データセンターの「立地・建築・設備」やサーバ・ルームの「電力/熱問題」に着目

ブレード・サーバ導入の落とし穴

データセンター側の受け入れ態勢に抜かりはないか?!

「液体冷却」時代を迎えるデータセンター

課題は標準冷却仕様の“不在”

設備・設計から考えるデータセンターの「電力供給と冷却」

米国企業3社は“電力食いのヒート・アイランド”にどう立ち向かったか

Weekly Ranking

集計期間:01/03〜01/09


トレンド・ウォッチ

日本IBM、クラウド・コンピューティング・センターを国内に開設

企業ユーザーやパートナーにクラウド基盤の検証・デモ環境を提供(2008年08月01日)

マイクロソフト、データセンターの温度監視システムを披露

各サーバの温度をセンサで収集し、施設内の高温個所をイメージ化(2008年07月30日)

APCジャパン、データセンター向け運用管理アプライアンス「InfraStruXure Central」をリリース

ソフトウェアの追加により設計/監視/運用管理の一元化を実現(2008年07月10日)

IBM製スパコン「RoadRunner」がPFLOPSの壁を破る――TFLOPS突破から11年

OpteronとCellで達成。次の大目標はエグザFLOPS級スパコンの開発へ(2008年06月10日)

“仮想データセンター”による事前検証が可能な、APCの巨大デモ・センター

「グリーンITのための検証環境はすべてそろっている」と担当者(2008年05月29日)

デデュープ、HDDスピンダウン、SSD――EMCストレージ部門を率いるドナテリ氏が最新技術を紹介

「ストレージ分野は今、正に大きな変革期を迎えている」(2008年05月21日)

競争力の高いデータ管理基盤をいかに構築するか

ネットアップが提示する仮想化活用の実際(2008年05月19日)

「仮想化によるWindows/Linux相互運用」がもたらす価値とは

ノベルとマイクロソフトが共同で進める、相互運用性確保の新アプローチ(2008年05月15日)

【CA調査】「仮想化サーバの管理に自信が持てない」とするCIOが半数以上に

懸案事項は、セキュリティ/異種インフラ管理/システム利用の最適化(2008年02月13日)

データセンター・ネットワークを統合する――Ciscoが新スイッチを発表

データ処理/ストレージの両システムを融合する「Nexus」シリーズ(2008年01月28日)

「日本のデータセンターは人に依存」――シマンテックが指摘

自社基準の緩いSLA、仮想化への慎重な態度など、“日本の特異性”が浮き彫りに(2007年11月27日)

データセンターの管理に問題あり――5割近くがコンフィギュレーション情報を把握せず

ITIL適用の遅れが一因(2007年08月30日)


Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国