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[米国]
CAからオープンソースDB「Ingres」の会社が分離独立
(2005年11月08日)
米国コンピュータ・アソシエイツ・インターナショナル(CA)は、「Ingres」データベース技術を、投資会社の米国ガーネット&ヘルフリック・キャピタルに売却し、同投資会社が筆頭株主となって、このオープンソース・ソフトウェアを開発して市場に出すための新しい会社を設立する。11月7日発表。この取引の金銭的条件は公表されていない。
イングレス・コーポレーションと呼ばれる新会社(本社:米国カリフォルニア州レッドウッド・シティ)の株式の過半数はガーネット&ヘルフリック・キャピタルが保有するが、CAもイングレスの主要株主として、同社の取締役会に代表を1人送り続ける。この席は、CAのチーフ・テクノロジー・アーキテクト兼テクノロジー戦略責任者のマーク・バレンチア氏が占める。また、CAはイングレスと、マーケティング、開発、業界パートナーシップの面で連携し続ける計画だ。
Ingresデータベース技術は、1994年の米国ASK/イングレス買収を通じてCAの資産になった。CAは昨年、Ingresをオープンソース・プロジェクトとして公開し、休眠状態にあったこのソフトウェアへの関心を呼び戻した。しかしながら、CAにおいて、データベースが製品ラインの中核的な要素となったことはこれまで1度もない。今回のIngres売却を、CAのCEO(最高経営責任者)兼社長であるジョン・スウィンソン氏は、1990年代の買収攻勢によって積み上がった膨大なアプリケーションを整理してすっきりさせようとする同社の取り組みの一部と位置づけている。
イングレスの暫定CEO(最高経営責任者)兼会長には、ガーネット&ヘルフリック・キャピタルのマネージング・ディレクター、テリー・ガーネット氏が就任する。イングレスの「目標は、エンタープライズ・コミュニティに対するビジネス向けオープンソース・データベースの提供者としてトップに立つことだ」とガーネット氏は声明文で述べている。
イングレスには、CAから約100人の従業員が移籍する。それには、10年以上にわたってIngresを監督してきた開発マネジャーのエマ・マグラッタン氏も含まれており、同氏は新会社のエンジニアリング担当上級副社長になる。また、新会社のサポート&サービス担当副社長には、旧ピープルソフトのサポート・サービス部門を以前率いていたアンディ・オールブリテン氏が新会社のサポート&サービス担当副社長に就任し、CTO(最高技術責任者)に米国オラクルの重役だったデイブ・ダーゴ氏が就任する。
エンタープライズ・リレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)の市場には多数のベンダーがひしめいている。だが、米国IDCの市場調査によると、米国オラクル、米国IBM、米国マイクロソフトの上位3社が合わせて85%という圧倒的なシェアを占めている。オープンソース製品の中では、スウェーデンのマイエスキューエルの「MySQL」が突出しており、「PostgreSQL」がそのすぐ後に付けている。ちなみに、オラクルは10月にフィンランドのイノベースの買収を発表し、それはマイエスキューエルに衝撃を与えた。マイエスキューエルの主要パートナーとして、MySQL用の重要なアドオン・ストレージ・エンジンを開発したのが、イノベースだった。
イングレスは、マイエスキューエルを飛び越して、オラクルと競り合うことを目指している。「技術の点から見ると、IngresはOracle 10gに対してMySQLよりもはるかに高い競争力を持っていると思われる。MySQL 5.0の目玉機能のリストを見て、笑わずにいられなかった。それらは、Ingresが何年も前から備えていた機能だからだ」とマグラッタン氏。現在、Ingresを導入済みの顧客は約5000社という。
埋めなければならない技術上で最大の穴として、オラクルのPL/SQLに匹敵する技術を開発することが必要だ、とマグラッタン氏は語った。
また、イングレスは、その製品を販売するライセンス条件を再検討する。従来採用されてきたのはCAの「Trusted Open Source License (TOSL)」であるが、新会社では、GPL (General Public License)または類似のオープンソース・ライセンスと、ISV(独立系ソフトウェア・ベンダー)が自身のソフトウェアをオープンソース化せずにIngresを組み込み可能である商用ライセンスを提供する、2本立てライセンス方式に移行する可能性が高いという。さらに、イングレスは、データベースの価格体系も微調整してサーバ・ベースの価格モデルに移行する可能性が高い、とマグラッタン氏は語っている。
米国ジェイボスと同じように、イングレスは、無償提供するソフトウェアを支えるためのサービスやサポートの提供から利益を上げる計画だ。「われわれは、事業のサポート側に競争を導入する必要がある。顧客基盤にはかなりの不満が存在している」(ダーゴ氏)
では、イングレス製品のコストはオラクル製品より大幅に低くなるのだろうか。この疑問に対してダーゴ氏は、「どのベンダーにとっても、オラクルより大幅に割安になるのを避ける方が、よほど難しいと思う」と語った。
なお、ガーネット&ヘルフリック・キャピタル(本社:米国カリフォルニア州メンロ・パーク)は昨年設立され、中規模の技術系スピンオフ・ベンチャー向けの3億5,000万ドルの投資資金を現在保有している。4月に同社は、3,500万ドルを投入して、シン・クライント機器/技術メーカーである米国ワイズ・テクノロジーの筆頭株主になった。
(IDG News Service)



