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「Project Fusion」、製品提供フェーズへ──。情報時代のアプリケーションの実現に歩を進めたオラクル

【Oracle OpenWorld San Francisco 2005リポート】

(2005年09月17日)

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他社製DBのサポートに慎重な姿勢を見せるエリソン氏

写真4:ラリー・エリソン氏は、「顧客はFusion Middleware上で動かすアプリケーションを自由に選べる」としたが、Fusion Application Suiteでの他社製データベースのサポートには慎重な姿勢を見せた

 基調講演のトリを務めるのはCEO(最高経営責任者)のラリー・エリソン氏(写真4)だ。同氏は、今回のカンファレンスの最大のトピックとなったFusion Middlewareについて言及した。

 「Fusion Middlewareの最大の特徴は、Javaや各種のWeb標準規格といったオープン標準によって構成されたSOAプラットフォームであることだ。Fusion Middleware上で稼働させるアプリケーションやコンポーネントは、オープン標準のインタフェースを備えた製品であれば他社製品、例えばWebSphereのコンテナでもかまわない。皆さんは自社のビジネス・ニーズに応じて、使いたいアプリケーションを自由に選択できる」(エリソン氏)

 ただし、同社が2008年の出荷予定を掲げるFusion Application Suiteに関しては事情が変わってくるという。エリソン氏はこう明かした。「他社製データベースをFusion Application Suite上でサポートするかどうかについては未決定だ。まだ検討を重ねる必要がある」

 ここで注意したいのは、Fusion Middlewareの全製品で、Oracle以外のデータベースが排除されるわけではないことである。例えば、ピープルソフトやJDエドワーズの製品は、買収以前からIBMの「DB2」やマイクロソフトの「SQL Server」に対応していたし、オラクルが今年8月に買収したインドのアプリケーション・ベンダー、アイフレックスのバンキング・アプリケーションも将来のバージョンでDB2のサポートがアナウンスされている。しかし、Project Fusionの完成形とも言うべきFusion Application Suiteにおける他社データベースのサポートとなると、戦略上、慎重にならざるをえないようだ。

 エリソン氏は、ピープルソフトやJDエドワーズの製品を使う顧客の中に、DB2やSQL Serverを選んでいるところがあることを認めたうえで、次のように続けた。

 「他のアプリケーションと同様、データベースも自由に選択できることが望ましいに違いない。だが、Fusion Application Suiteでのサポートについては、顧客とさらに話し合ったうえで最終的な決断を下したい」

 「どちらになるか、現時点ではフィフティー・フィフティーだ」。長い歳月をかけてOracleデータベースを業界のトップ・ブランドに育て上げ、業容を拡大してきたエリソン氏にしてみれば、この葛藤は当然かもしれない。「顧客の投資の保護」と「自社基幹製品の市場競争力」のバランスをとって、そう遠くない将来に下されるであろうオラクルの判断が待たれる。

 以上お読みいただいたように、今年のOpenWorldカンファレンスで同社幹部が発したメッセージは、正にProject Fusion一色であった。正直なところ、昨年のカンファレンスで再三強調された「Oracle Data Hub」によるシングル・インスタンスの重要性はいったいどこへ行ったのかという感想も持った。ただしこれは、敵対的買収と呼ばれ難航したピープルソフトとの経営統合を完了させ、ついにProject Fusionの製品提供フェーズへと歩を進めたという点を、オラクルは、現在全社を挙げて注力しているProject Fusionの最初の成果として内外にアピールする必要があったということだろう。

 今年末から来年にかけて提供されるOFAベースのアプリケーション/ミドルウェア製品群、そして2008年のFusion Application Suiteによって、オラクルは、同社が目指す“Application of Information Age(情報時代のアプリケーション)”をいかに具現化していくか。引き続き注目していきたい。

オンデマンド事業でもFusionを目指すオラクル
ステーシー・カウレー IDG News Service

 OpenWorldカンファレンスの開催直前、オラクルがシーベル・システムズを買収するというニュースが飛び込んできた。オラクルはこの件に関し、カンファレンスの講演やセッションでもいくつかの計画を語った。

 ラリー・エリソン氏は基調講演の後半で、シーベルが提供しているサブスクリプション方式のCRMホスティング・サービス「Siebel CRM OnDemand」が、買収完了後、オラクルの製品ラインにおいて重要な位置につくことになると語った。オラクルは自社アプリケーションのホスティング/マネージド・サービスを提供する「Oracle On Demand」事業を展開しているが、同事業を統括するジョン・ウーキー氏によると、Oracle On Demandは、現在同社で最も成長著しい事業の1つだという。

 つまり、オラクルとシーベルの両オンデマンド事業についても、Project Fusionが計画されているというわけだ。来場者との質疑応答セッションで、5年後のアプリケーション市場がどうなっているかと聞かれたエリソン氏は、セールスフォース・ドットコムやネットスイートなどのオンデマンド・ベンダーが市場で重要なプレーヤーになるだろうと答えた。

 エリソン氏の発言は、「オラクルによる買収は、IBMのデータセンターで稼働されているシーベルのCRMホスティング・サービスの終焉を意味する」というセールスフォースなどの競合企業による指摘をうち消すものである。同氏は、今後、オンデマンド・ビジネス・モデルがますます影響を増していくとの見方を示した。

 だが、Oracle On Demandの価格体系(ソフトウェア価格にサービス料金が加わる)は、シーベルやセールスフォースのそれ(月額料金)とは大きく異なっている。「今後の価格戦略については未定で、顧客のニーズを調べて決定するつもりだ」(エリソン氏)


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