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[米国]
米国政府機関、紙文書の電子データ化にようやく本腰

(2006年06月19日)

 米国連邦政府のIT分野を率いる関係者2人が6月16日、米国政府機関は今後、紙文書の電子データ化に向けて積極的に推進していく方針であることを明らかにした。

 米国中央情報局(CIA)が設立した非営利のベンチャー・キャピタル企業、インキューテル(In-Q-Tel)で、政府出先機関担当シニア・ディレクターを務めるグレッグ・ピーパス氏は、「米国政府の情報機関では、タイプライターで作成した文書や手書き文書を電子データにすばやく変換する技術を精力的に模索している」と語る。同氏によると、情報部はアラビア語や記号で手書きされたメモを電子データに即時に変換し、簡単に情報を共有したり、データベースに入力したりすることができる技術を求めているという。

 ピーパス氏は、米国ガートナーがワシントンD.C.で開催した「Government Conference 2006」に出席し、政府の将来的なITニーズについて話し合うパネル・ディスカッションの中で、「世界中のデータの大半がデータベース化されていないというところに問題がある」と指摘した。

 インキューテルでは、複数のデータベースをまたいだ検索が行える新しい検索技術の採用を検討しているという。ピーパス氏によると、検索結果をより的確に絞り込み、情報アナリストがデータの検索ではなく、分析により多くの時間を費やせるようにすることが、同技術を採用する目的だとしている。

 一方、米国社会保障庁(SSA)でシニア技術アドバイザーを務めるキンバリー・ミッチェル氏は、「SSAでもインキューテルと同様の検索技術の導入を進めている。ただし、われわれは膨大に抱える“非体系的な”データを電子化したいと考えており、採用理由はインキューテルと異なる」と語っている。

 ミッチェル氏は、同庁における古いデータの電子化が進めば、社会保障年金の受給資格を有する米国市民を特定し、サービス対象者として扱うことが容易になると説明する。また、これによって、受給者が年金を受け取るために書類を提出したりする必要もなくなると考えられている。

 同氏は、「われわれはデータの収集に苦労を伴わないシステムを展望している。それを実現すれば、社会保障年金を受給者の銀行口座に直接振り込むといったことが可能になる」と期待を寄せる。

 データは紙の書類に記述されるものから電子フォームに入力されるものへと変わってきており、それらを各政府機関の間で共有する機会も増えたことから、SSAでは手書き文字を認識するソフトウェアの導入や、新しい手法を用いたデータ統合の実施に向けて検討を進めているという。「個人のデータは、電子化されることで、入力時と同じ状態で扱われることになる」(ミッチェル氏)

 一方、オレゴン州人事部情報サービス局のCIO(最高情報責任者)、デニス・ウェルズ氏は、「連邦政府は、紙書類のデータを電子的な形式に変換するソフトウェアを導入しようとしているが、一部の州政府はオープンソース・ソフトウェアが次世代の主流になると見ている」と指摘する。

 ウェルズ氏によると、オレゴン州知事のテッド・クロンゴスキー氏(民主党)は、オープンソースへの取り組みが同州の経済発展に貢献すると考えており、すでにオープンソース・プロジェクトへの出資を行っているほか、他州と協力して、州政府が連邦政府に提出する膨大な量の書類をオープンソース技術を用いて作成する計画も進めているという。

 オレゴン州を含むいくつかの州は、連邦政府への報告書を作成するソフトウェアを各自別個に購入するのではなく、ソフトウェア・ベンダーにオープンソース・パッケージの提供を求め、それを各州のニーズに合わせて調整していく方針を立てている。ウェルズ氏は、「こちらのほうが格段に賢明なやり方だ」と主張している。

(グラント・グロス/IDG News Service ワシントン支局)




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