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【解説】
MySQLとPostgreSQLが牽引するオープンソース・データベース
プロプライエタリな商用データベースに代わる有力な選択肢に成長
(2003年02月08日)
現在、Webサーバや負荷が少ない業務アプリケーション用にMySQLやPostgreSQLなどのオープンソース・データベースが導入されるようになってきている。オープンソース・データベースは、基本機能が拡張されてきており、プロプライエタリな商用データベースに代わる有力な選択肢となる可能性がある。
Maggie Biggs
InfoWorld米国版
市場の拡大とディベロッパーの取り組み
2003年に入り、ミッドレンジ・サーバやバックエンド・クラスタ・システムに、主要なLinuxディストリビューションが導入されるケースも増えてきた。それに伴い、LinuxディストリビューションにバンドルされているMySQLやPostgreS QLなどのオープンソース・データベースが、企業でも次第に利用されるようになってきている。最近では、Linuxだけでなく米国サン・マイクロシステムズのSolaris 9や米国アップルコンピュータのMac OS X Serverなどの最新OSにもオープンソース・データベースがバンドルされるようになり、市場はさらに拡大する傾向にある。
また、オープンソース・データベースの企業利用が増えているのは、Linuxの盛り上がりによる影響だけでなく、ディベロッパー各社の積極的な取り組みにより、基本的なデータベース機能が充実してきたことも大きい。ディベロッパー各社は、オープンソース・データベースに、より高度なトランザクション処理に対応するための機能の実装を進めている。
例えば、「MySQL 4.0」では、従来までのリリースと比較して、企業ユーザー向けに大幅な機能改善が行われた。その主なものとしては、行レベル・ロッキングのサポートや、アクセス速度の改善、セキュリティ機能の追加、他のデータベースからの移行処理の改善などが挙げられる。同製品には、軽量で高速なデータベースが要求されるアプリケーションや各種モバイル・デバイスなどをサポートする「Embedded MySQL」も加わるようになった。。
また、「PostgreSQL 7.3」では、企業ニーズに対応するために、データベースの管理機能が改善されているほか、パフォーマンスの向上、セキュリティ機能の修正、多言語サポート、データベース接続機能の改善といった強化が図られている。
オープンソースの利点と浮かび上がる課題
基本機能が強化されるにつれて、オープンソース・データベースは、より広範なプラットフォームで利用することが可能となっている。例えば、MySQLはSolaris、Linux、A IX、HP-UX、Windowsなどマルチプラットフォームに対応している。プラットフォームのサポートでは、オープンソース・データベースは、プロプライエタリな商用データベースよりも優れていると言える。
なかには、ベンダーからの緊密な技術サポート・サービスが受けられないことを懸念して、オープンソース・データベースの導入をためらっている企業も多い。だが、幾つかのオープンソース・データベースでは、商用データベースと遜色のないサポートを受けられる場合がある。例えば、MySQLでは、開発元のMySQL ABから2 4時間体制のサポート・サービスを受けることが可能となっているほか、PostgreS QLでは、さまざまなサードパーティからサポート・サービスを受けられるオプションが用意されている。
このように、オープンソース・データベースは、ユーザーに多くのメリットをもたらしてくれるが、SQLのコア機能に関しては、米国IBMの「DB2」や米国オラクルの「Oracle 9i」といった商用データベースに一日の長があると言わざるをえない。例えば、DB2では、オープンソース・データベースを含むさまざまなデータベースの情報を統合することができるほか、ファイルシステムやアプリケーション、Webサービスのデータにアクセスしたり、これらのデータを操作したりすることも可能だ。
さらに、IBMは、モバイル・デバイスや組み込みデバイス用のデータベース「DB2 Everyplace」のほか、XML(Extensible Markup Language)やWebサービス関連の複雑な処理にデータベースを対応させるためのツールを以前より提供している。例えば、「DB2 8.1」は、DB2データからX MLドキュメントを生成する際に使用する自動スキーマ検証機能がサポートされているほか、XSLT(XML Stylesheet Language Transform)による自動スタイル変換機能にも対応している。
一方、オープンソース・データベースは、このような商用データベースが備える機能をすべてはサポートしておらず、ERP(Enterprise Resource Planning)やCRM(Customer Relationship Management)アプリケーションといったハイエンドのエンタープライズ・システムをサポートする機能は搭載されていない。現状では、オープンソース・データベースは、リレーショナル・データとX MLとの相互変換のための基本的な機能を備えるにとどまる。また、ネーティブなX M Lデータをデータベース内に保存する機能や、Webサービスの構築を支援するツールなども提供されていない。
オープンソース・データベースは、SQLのコア機能の面については整備が必要である。だが、処理すべきデータ量が比較的少ないWebアプリケーションや業務アプリケーションでは、オープンソース・データベースで十分運用することができる。商用データベースからオープンソース・データベースにリプレースすることで、企業のIT部門は、ライセンスとサポートの面から、大幅に運用コストを削減することが可能となる。
商用データベースのベンダーや企業ユーザーは、オープンソース・データベースの進化に注目している。オープンソース・データベースに商用データベースと肩を並べるような機能とツールが実装されるようになれば、データベース市場はよりいっそう活性化することになるであろう。
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