【 ここから本文 】

データ・マネジメント

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


データ・マネジメント

【解説】
BI活用の方向性と戦略立案のポイント

ユーザーの期待は過去業績の確認から将来予測へ

(2008年04月09日)

これまでビジネス・インテリジェンス(BI)が活躍してきたのは、販売管理のように過去の実績を確認するという領域が中心だった。だが、現在、BIを取り巻く環境の変化を受けて、リアルタイム性が重視されるようになりつつあり、また、将来予測のためにBIを使いたいというニーズが増えてきている。そうした新たなBIの活用領域の代表例が、企業パフォーマンス管理(CPM)である。本稿では、このCPMが注目される今日のBIのトレンドと、BIイニシアチブを成功に導くためのポイントについて解説する。

堀内秀明
ガートナー ジャパン
リサーチ アプリケーションズ マネージングバイスプレジデント

 
10年以上を経ても誤解が残るBIの定義

 ビジネス・インテリジェンス(BI)という言葉が登場してから、すでに10年以上が経過している。

 今や、BIという言葉の認知は進んだが、BIとは何かという点に誤解が生じていることが少なからず見受けられる。例えば、いくつかの切り口で売上げデータや在庫データを分析するオンライン分析処理(OLAP)をBIとして理解しているケースや、社内ポータルを利用して全社もしくは部門の売上目標や実績を提供するような仕組みをBIと認識しているケースだ。また、高度な統計モデルを駆使して、大量のデータから隠れた事実を見つけ出すデータ・マイニングこそ、BIであると考える人もいるかもしれない。本稿ではまず、BIとは何かについて、あらためて確認しておきたい。

 BIの定義を示すと、「企業戦略に基づき、リソースとプロセスを最適に配置するために、データを分析・活用すること」になる。上述したような取り組みやテクノロジーは、確かにBIの典型的な導入事例として紹介されることがあり、また、個々人の置かれた立場やこれまでの経験からBIと聞いて想起することに差があるとしても、BIの定義と照らし合わせて考えると、これらは扱うデータの領域と分析方法に関する言及はあるが、何をもってデータを「活用」したことになるのかについては触れられていない。

 これまでのBIに関する取り組みでは、参照・分析の対象となるデータをユーザーに対して効率的に提供することに終始しているケースが少なからず見られた。しかし、データの提供がBIの最終目的ではないのは、言うまでもないことであろう。

取り巻く環境と共に変化するBIの目的

 現在の動向を見ると、BIを取り巻く環境において以下のような変化が生じている。これらの変化によって、ユーザー企業のBIに対する注目が再燃していると同時に、BIの目的にも変化が生じつつある。

業務アプリケーションの導入が一段落

 ERPをはじめとする業務アプリケーションは、大企業への導入が一段落した段階にある。そのため、ベンダーは次の収益源としてBIに着目し始めている。一方、ユーザーは、それらの業務アプリケーションで蓄積したデータを活用するための手段としてBIの導入を考え始めている。

Web技術の普及による導入の簡素化

 1世代前のBIツールは、スタンドアロンもしくはクライアント/サーバ型のアーキテクチャを採用したものだった。そのため、BIの導入に際しては、何らかのソフトウェアをクライアントPCにインストールし、その操作方法をユーザーが習得する必要があった。しかし、Web技術の企業利用が一般化した現在、BIツールもWebアーキテクチャを取り入れ、インストール作業やユーザー教育に要する手間を削減できることを売り口上とするようになった。

ネットワークの高速化・大容量化

 高速・大容量のネットワーク・インフラが整備されたことにより、詳細なデータをリアルタイムに近い形で収集することが技術的に可能になった。それを受けてユーザーは、収集したデータをタイムリーに活用することを検討し始めている。

新たな管理プロセスへのニーズの高まり

 SOX法(Sarbanes-Oxley Act:米国企業改革法)や国際財務報告基準など、法令・規制順守への圧力が強まっていることから、より敏速で信頼性の高い管理プロセスが必要とされるようになった。そこで、そうした課題の解決につながる新たなコンセプトに注目が集まり、そのIT要素としてBIに期待が寄せられるようになった。この新たなコンセプトの代表例が、企業パフォーマンス管理(CPM:Corporate Performance Management)である。

 これらの変化が意味しているのは、これまでは主にOLAPやリポーティングといった過去実績を定期的に確認する手段としてBIの導入が検討されていたのに対し、現在は分析のリアルタイム性や将来予測への関心が高まっているということだと言える。

新たなBI領域として期待が集まる「CPM」

 BIに関連する新たなコンセプトとして、CPMに注目が集まっていることを前節で指摘した。ここではその注目度の高まりを示す調査結果を紹介する。

 図1は、ガートナーが2007年春にロンドン(2月)、シドニー(2月)、シカゴ(3月)で開催したBIサミットにおけるアンケートの結果である。実際の質問文は、「以下のBI領域で、今後12カ月以内にあなたの組織が投資を計画しているものはどれですか」というものである。


図1:2007年から2008年にかけて導入予定のアプリケーションの種類


 このアンケートにおいて、最も多くの回答者が選択したBI領域はCPMであった。ここから、BIに対する注目度が年々増加する現在、CPMがその中心を占める利用領域であることがわかる。また、現時点では30%に満たないものの、複数領域横断の分析を選択する回答者も増加傾向にあり、BIの重心が単一ビジネス領域における戦術的な取り組みから、業務・組織横断型の取り組みにシフトし始めていると言える。


 |1234 > 次のページへ



関連記事

▲ページの先頭へ戻る


Computerworld Special

「F5 ARXシリーズ」がもたらすデータ管理革命

ファイル・ストレージの仮想化でストレージ環境の運用管理負荷とコストを大幅削減

注目のホワイトペーパー

ラネクシー

30日でストレージ使用量の約30%を節減する、ラネクシーの「NORTHERN STORAGE SUITE V8」

ストレージ資産を最大限に活用し、不要ファイルによる容量のむだ使いを防止

変化に強いIT基盤構築のためのEAI活用術

変化に強いIT基盤構築のためのEAI活用術

システム間の差異を的確かつ迅速に吸収することがポイント


Weekly Ranking

集計期間:03/13〜03/19


データ統制

蓄積データのセキュリティに目を向けよ

ストレージ内のデータをいかに守るか?

オンライン・ストレージ・サービスが突然終了――そのときデータはどうなるのか?

データをクラウドに預ける前に知っておくべき前例

アーカイブすべきデータを見極めよ

保管するデータを取捨選択するポイントを考える

ビジネス・コンティニュイティでIT/IS部門が果たす役割

目指すは、ディザスタ・リカバリと事業継続マネジメントの“統合”

“孤立”した経営データを1つに統合――意思決定支援システムを刷新したトランスワークス

すべての経営情報を単一プラットフォームで提供する「Cube」を開発

“メール盗み見”の厳しい代償――罪の意識の希薄さが招くリスク

他愛ない行為が、刑事事件にまで発展するおそれも

ディザスタ・リカバリの迷路を解く

複雑な状況の中、自社にとってのベスト・プランにたどり着くためには

エンタープライズ・データを守れ

担当者が負担に押しつぶされず、企業にとって価値のある情報を保護するために

ILMの導入で、IT運用コストを引き下げろ!

ILMを成功裏に導入するための“6つのステップ”

全社レベルでコンテンツを“統制”する「ECM」

今日のコンテンツ管理製品分野における最注目領域

過去のあらゆるデータをリカバリできるデータ保護技術「CDP」

データ・ロスとダウンタイムの最小化をも実現

コンプライアンスを重視したメール運用管理の実際

ECM/CMSではカバーしきれない最重要コンテンツ

“完全なる”ペーパーレス・オフィスの実現に向けて

「もはや企業に選択の余地はない!」

キャッチアップ

EMC、IBM、マイクロソフトの3社、CMSの相互運用仕様「CMIS」を共同開発

複数ベンダーのCMS/ECMを連携させるための仕様で、2009年中には標準化の見通し

「データ・シャッフリング」とは何か――開発者が説く新データ・マスキング技術

機密データのセキュリティ確保と分析への活用を両立

米国小売企業の半数がデータ漏洩を経験――そのほとんどは公表されず

「われわれが耳にするよりはるかに多くの事件が起きている」

デデュープ、HDDスピンダウン、SSD――EMC幹部が最新技術を紹介

「ストレージ分野は今、正に大きな変革期を迎えている」

データ量削減の新アプローチ「リアルタイム・データ圧縮」の効能を知る

ILMを補完する新技術を活用し、ストレージの効率化を推進せよ

米国国税局の「高速/大規模データ・ウェアハウス」がもたらした効果

もうだれも確定申告はごまかせない?――総容量150TBものデータを管理分析

生誕10周年を迎えた「XML」――その普及・活用の進展度を知る

「もはや“空気”のような存在であり、必要不可欠なものに」

「分析は力なり」みずからの創意工夫で競争優位に立つ

構造化/非構造化を問わず、あらゆるデータからトレンドを得る

今、XMLデータベースが求められる理由

新たな利用領域を開拓しつつある第2世代の製品

エンタープライズ検索テクノロジーの「着眼点」

企業ITインフラ上での位置づけを押さえ、導入に備えよう

ビジネス・インテリジェンス

ビジネス・インテリジェンス最新事情

ビジネス・インテリジェンス最新事情

組織と“個”の知的生産性を高める

データベース・ウォッチ

データベースのトレンドを読む

データベースのトレンドを読む

進化するDBMSの実力と可能性

[連載]バックアップ新論

第1回:デスクトップのバックアップ

第1ステップはユーザーへの喚起

第2回:データセンターのバックアップ

まずは経営上のリスクとコストとのバランスを評価

第3回:メッセージのバックアップ

内部統制に必須の重要課題に取り組む

第4回:ワークグループのバックアップ

「バックアップの盲点」をいかに克服するか

第5回:PDAのバックアップ

ネットワーク・デバイスとして管理する

第6回:ブランチ・オフィスのバックアップ

常に変化する“標的”を的確に“キャッチ”する



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国