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[米国]
マイクロソフト、EUが科した反トラスト法制裁金13億ドルに上訴の構え

制裁金の根拠となっている措置も上訴の対象に

(2008年05月12日)

 この日、Microsoft広報担当者のジャック・エバンス(Jack Evans)氏は、欧州委員会(EC)が同社に科した制裁金の取り消しを求め、2月27日にルクセンブルグの欧州第一審裁判所へ上訴書を提出したとする電子メールを発表した。

 同社が公開したメールの声明には、「裁判所による明確な裁定を得るため、建設的な取り組みの一環として上訴に踏み切った」と記されていた。これ以上のコメントは、今のところ公になっていない。なお、ECも9日の時点では取材に応じなかった。

 米国Wall Street Journal紙によれば、Microsoftの上訴は、制裁金の発動だけでなく、その根拠となっている措置までも対象にしているという。もっとも、Microsoftはこの件についてコメントしないとしているので、上訴に関する詳細な理由は現在のところ不明だ。

 以前のMicrosoftは、EUによる反トラスト裁定への恭順に抵抗を示し、本件における自社の責任を進んで認めようとはしなかった。それでも最近は、同社の技術の実態に関する情報を公開し、サードパーティにプロプライエタリ・プロトコルの仕様書を提供するなど、EU裁定を積極的に受け入れる姿勢を見せるようになっていた。

 ブリュッセルに拠点を置く弁護士事務所Clifford Chanceで、競争および知的所有権を専門としている共同経営者のトーマス・ヴィンイェ(Thomas Vinje)氏は、EUの反トラスト機関との「緊張」関係を修復しようと努めていた最中、Microsoftがこうした法的措置を取ったのは驚きだと話す。

 Microsoftが新たな法廷闘争を始める代わりに、EU裁定を順守することに注力するほうが市場競争や業界そのものにとっては有益だと、Vinje氏は指摘している。「そうしてはじめて、Microsoft、IT業界、さらにはソフトウェア利用者は、今回の悲劇から立ち直り、前に進めるようになる」(Vinje氏)

 Microsoftは2007年10月下旬、EUの反トラスト裁定をついに承諾した。この裁定はもともと、Microsoftがクライアント用Windows OSに「Windows Media Player」をバンドルしていた件に関するものだった。同社は数年間にわたり、最初の裁定と約6億ドル(4億9,700万ユーロ)に及ぶ罰金を覆すべく戦ったが、同社の上訴請求は2007年9月に却下された。

 2007年10月22日の裁定に対する不服従を理由にEUが制裁金を科した際、Microsoftは対応を検討すると述べていた。EUが2月に制裁の発動を決めたのは、Microsoftが、Windows OSをはじめとする同社製ソフトウェアと通信するプロトコルをオープンソース開発者に提供しているライセンス価格を、ECが不当と考えたためである。

 Microsoftは、WindowsおよびOffice製品のAPI/プロトコルに対するアクセスをサードパーティに提供する方法を大幅に変更すると発表し、ECに譲歩する態度を見せたが(関連記事)、それから1週間もしないうちに制裁金を課す決定が下された。MicrosoftのCEO、スティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏が、同社の情報共有における“大改革”と称していたこの計画は、WindowsクライアントおよびサーバOSやOffice、その他の企業向けソフトウェアといった多くの製品で使用されているAPIや通信プロトコルに関し、技術仕様書をWebサイト上で公開していくというものだった。

 2月以来、Microsoftは何千ページものプロトコル仕様書をオンラインで提供し、開発者が自由に利用できるようにしてきた。同社の製品とサードパーティ製品の互換性を促進するため、今後もこうした取り組みを続けていくと同社は述べている。

 なお、EUがMicrosoftに科した反トラスト制裁金は、今日までにおよそ26億ドル(17億ユーロ)に達している。

(Elizabeth Montalbano/IDG News Serviceニューヨーク支局)




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