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[米国]
新世代のテープ・ストレージが続々登場――より高密度、高速に

HPとソニーは新DATを共同開発。サンとIBMも1TBドライブをリリースへ

(2008年07月16日)

 高密度・高速化をキーポイントとする新世代のテープ・ストレージ製品が相次いで登場する。

 7月15日、米国Hewlett-Packard(HP)とSonyの2社は、これまでの2倍の容量で、より高速な次世代のDAT(デジタル・オーディオ・テープ)規格を共同で発表した。一方、米国Sun Microsystemsは、現在流通しているタイプのテープに1TB(テラバイト)のデータを保存できる、エンタープライズ向けの新しいテープ・ドライブを開発。米国IBMも、1TBのテープ・ドライブ・システムを近くリリースする予定だ。

 調査会社IDCのアナリスト、ロバート・アーマトルーダ(Robert Amatruda)氏によると、即座にアクセスできるハードディスク・ドライブのストレージとともに、より確実にデータ保護を行い、情報をアーカイビングできるテープ・ストレージの需要が年々高まっているという。

 テープ・カートリッジの容量が多いほど省スペース・省電力・省コストにつながり、保存できるデータ量も増える。そのため、新世代のテープ・ストレージ製品は、転送スピードの高速化に加えて、テープの高密度化が図られている。

 DATが最初に登場したのは1989年であり、放送業界では現在も録音などに利用されている。IDCの調査データによると、昨年のDATの総売上高はワールドワイドで5億7,500万ドルに達しており、データ・ストレージ向けのDAT市場は非常に大きいとAmatruda氏は指摘する。

 HPとSonyが2年にわたり共同で開発してきた次世代のDAT規格「DAT320」は、1点のテープ・カートリッジに320GBのデータを保存できる。また、ディスクからのバックアップ・スピードは、2:1のデータ圧縮時で86GB/時間を実現。データはUSBまたはSerial、パラレルSCSIのいずれかを介して、DATデッキに転送される。

 HPのテープ製品マーケティング・チームのマネジャー、ボブ・コンウェイ(Bob Conway)氏によると、HPとSonyは最初の4世代のDATを共同で開発した後、数年間はそれぞれ独自の技術を手がけてきた。しかし、テープ業界の統合が進んだことを背景に、2社は再び手を組み、DAT320の共同開発に至ったという。

 旧規格「DAT160」と同サイズのテープをさらに高密度化すべく、HPとSonyは今回初めて、DATの基本的な製法を「Metal Particulate Tape」(金属粒子テープ)から「Metal Evaporated Tape」(金属蒸着テープ)へと変更、トラックの間隔を狭めることに成功した。

 DAT320製品の一般リリースは来年前半になる見通しだ。DAT320の技術ライセンスについても、2社は少額で提供することを明らかにしている。なお、今年の第1四半期、HPは全世界でローエンド・テープ・デッキの出荷台数の55%を占めており、Sonyのシェアは7%だったという。

 HPとSony以外にも、SunとIBMがハイエンド市場向けとなる1TBテープ・ストレージの開発に初めて成功した。それぞれ高密度化を実現し、既存のテープ・カートリッジと互換性を持つ新たなヘッド技術を備えている。

Sun StorageTek T10000B

 Sunの新製品「StorageTek T10000B」は、旧「T10000A」の後継モデルで、1点のテープ・カートリッジに保存できるデータは500GB。スループットは120MB/秒で、1TBのデータを2時間半以下で記録できるという。また、カートリッジ耐久性については、ファイルのフルパスを360回まで繰り返し記録できるように設計されている。T10000Bの価格は3万7,000ドルからで、今月中に発売開始予定だ。

 一方、IBMは旧モデル「System Storage TS1120」テープ・ドライブを一新し、1点のカートリッジに非圧縮のデータ1TB分を記録できる新製品「TS1130」を近くリリースする。ネーティブのデータ転送レートは160MB/秒で、バックアップ・スピードは旧モデル比で54%も向上したという。

 データ密度を高めると同時にデータの読み込みエラーを削減するため、TS1130ではGMR(Giant Magneto-Resistive)磁気ヘッドを採用。カートリッジは現行の「3592 WORM(Write Once, Read Many)/RW(Rewritable)」形式だ。

 TS1130は9月5日に出荷予定で、価格は3万9,050ドルからとなっているが、旧モデルのユーザーは1万9,500ドルでアップグレード可能だという。

IBM System Storage TS1130

 現在、小・中規模企業向けのバックアップ用を中心に、外付けハード・ドライブ製品の需要が伸びている。しかし、これらはテープ・ストレージほどの信頼性はないと、IDCのAmatruda氏は指摘する。

 「ビジネスを展開していくうえで、重要なデータを確実に作成・保管することは必要不可欠だ。新しいテープ・ストレージの効率が上がったことで、より多くの企業が、データを長期間にわたりアーカイブしておくようになるだろう」(Amatruda氏)

(Stephen Lawson/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)




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