【 ここから本文 】
データ・マネジメント
ソーシャルブックマークに登録 :
印刷用ページの表示
過去のあらゆるデータをリカバリできるデータ保護技術「CDP」
データ・ロスとダウンタイムの最小化をも実現
(2006年10月27日)
CDPの仕組み
それでは、SNIAの定義に従って、CDPの動作について詳しく見ていくことにしよう。CDPのシステムは、保護対象のアプリケーション、本番データを格納する本番ストレージ、プロテクション・ドライバ(エージェント・ソフトウェア)、CDPエンジン、CDP用ストレージ、ユーザー・インタフェースから構成される( 図4)。CDP用ストレージの容量は、保護対象アプリケーションのデータ容量、データ変更の頻度、データの保護期間を基に決定される。
また、バックアップに関する設定は、ユーザー・インタフェースを介して行う。具体的にはリカバリ・ポイントとして、アプリケーションと整合性のとれた特定の静止点を検出したり、何時何分何秒といった時刻指定のほか(秒まで指定可能)、「あるパッチの適用後」、「データベースのデータ・チェック後」といった任意のユーザー定義のイベントを指定したりすることができる。
| 図4:CDPの仕組み |
以下、CDPのデータ変更を記録・トラッキングする仕組みとデータをリカバリする仕組みについて説明しよう。
データの変更を記録、トラッキングする仕組み
データの変更を記録、トラッキングする仕組みは、次の3つのステップから成る。
(1)フル・バックアップの作成
アプリケーションと本番ストレージの間のライト・パスに挿入されるプロテクション・ドライバによって、リカバリの土台となる本番データのフル・バックアップを作成し、CDP用ストレージにコピーする。この作業は1回行うだけでよい。
(2)変更履歴とメタデータの転送
プロテクション・ドライバはフル・バックアップを作成した後、保護対象アプリケーションの本番データが変更されるたびに変更履歴をCDP用ストレージに、メタデータをCDPエンジンに転送する。メタデータには、変更されたデータのタイム・スタンプ、ストレージ内のロケーション情報が含まれる。
(3)変更履歴とメタデータの管理
変更履歴とメタデータの管理は、CDPエンジンによって行われる。CDP用ストレージに記録されたデータの変更履歴をトラッキングして時系列に整理し、変更データのロケーションを記録するCDPエンジンは、任意の時点へのリカバリを可能にする、いわば、CDPの心臓であると言える。
データをリカバリする仕組み
データをリカバリする仕組みは、次の2つのステップから成る。
(1)リカバリ・ポイントの決定
まずは、リカバリ・ポイントを決定する。その際、保護対象のアプリケーションに不具合が生じた時点を調べるために、アプリケーションのイベント・ログの参照やユーザーへのヒアリングなどを行う。これによって、リカバリ・ポイントが把握できたら、管理者はユーザー・インタフェースを介して、アプリケーションと整合性が取れているイベントなど、静止点を選択し、それをリカバリ・ポイントとする。
(2)仮想レプリカの作成
次に、CDPエンジンによって、リカバリ・ポイントに当たる静止点と同一のイメージを持つ保護対象のアプリケーションの仮想レプリカを作成する。具体的には、メタデータのタイム・スタンプ情報とロケーション情報を基に、CDP用ストレージに格納されているフル・バックアップと変更履歴から指定された時点のイメージが作成される。
生成された仮想レプリカの利用方法としては、次の3パターンが考えられる。
パターン1:アプリケーション全体のリカバリ
仮想レプリカを用いて、アプリケーション全体をリカバリすることができる。その方法は2種類あり、うち1つは、仮想レプリカを通常のストレージ・ボリュームと同様にホストからマウントして用いる方法である。この場合、CDPエンジンを経由してリードとライトが実行されるため、本番システムにある程度パフォーマンス上の影響を与えることは避けられない。
もう1つは、本番ストレージから保護対象アプリケーションを立ち上げる方法である。この場合、仮想レプリカの内容を本番ストレージにコピーするのではなく、両者の差分のみを本番ストレージに戻すことによって、本番ストレージの内容を、指定した時点の状態に戻すことができる。
パターン2:アプリケーションの部分的なリカバリ
高速ロールバック、テーブル・スペースの修復といったように、アプリケーションの部分的な不具合の対処に仮想レプリカを用いることができる。
パターン3:テスト環境の構築
仮想レプリカを本番システムのホストとは別のコンピュータにマウントすることで、本番システムに影響を与えず、かつ、本番システムと同様の環境で、テスト、データ解析、バッチ処理、データ・ウェアハウスのローディングなどを実行することができる。



























