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「Web 2.0 Summit」で語られたコンピューティングの未来

イノベーション創出のため、Web 2.0を製品戦略に取り入れるベンダー各社

(2007年02月19日)

初冬のサンフランシスコで、オライリー・メディア主催のWebテクノロジー/ビジネス・コンファレンス「Web 2.0 Summit」が開催された。今年で3回目となる同コンファレンスには、ITベンダーの幹部や著名な専門家、インターネット業界のオピニオン・リーダーたちが参集。コンピューティングの未来を示唆するようなセッションが多数繰り広げられた。以下、コンファレンスのハイライトをリポートすることで、Web 2.0というムーブメントの進展ぶり、そして課題を探ってみたい。

ホアン・カルロス・ペレス/デビッド・マーグリウス

シュミット氏、「動画がインターネットの
基本データ形式となった」と宣言

写真1:パレス・ホテルのボール・ルームで開かれたWeb 2.0 Summit Photograph by James Duncan Davidson/CMP Media/O'Reilly Media

 2006年11月7日〜9日の3日間、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市内のパレス・ホテルで「Web 2.0 Summit」(写真1)が開かれた。初冬のサンフランシスコに、インターネット分野の“最高の頭脳”が一堂に会し、イノベーションやビジネス戦略を語り合うことを目的とするコンファレンスである。ITベンダー、サービス・プロバイダー、ネット・ベンチャーなどさまざまな業種・規模の企業とアナリスト、そして「次のグーグル」の発掘をもくろむベンチャー・キャピタリストも多数参加した。

 ドットコム・バブルが崩壊してからすでに5年以上が経過しているが、当時の業界のトレンドを牽引したビッグ・ネームたちもこのコンファレンスに顔を出し、健在ぶりを示していた。ご存じ、ネットスケープ共同創設者のマーク・アンドリーセン氏、ヤフー共同創設者のデビッド・フィロ氏といった面々である。

写真2:グーグル会長兼CEO(最高経営責任者)のエリック・シュミット氏 Photograph by James Duncan Davidson/CMP Media/O'Reilly Media

 インターネットの規模拡大はとどまるところを知らず、2000年ごろよりもはるかに多くの資金がネット上で流通している。当初は誇大宣伝にも見えたWeb 2.0だが、3回目となる今年のコンファレンスでは、このムーブメントがビジネス・シーンで確実に定着しつつあることを感じとることができた。

 コンファレンスに参加した起業家たちの多くは、現在、インターネット・ビジネスの世界では過熱気味の厳しい競争が存在し、何かを開発するなら、真に価値あるものを圧倒的な低価格でユーザーに提供すべきだとの考えを受け入れている。

 グーグル会長兼CEO(最高経営責任者)のエリック・シュミット氏(写真2)は、会場を埋めた起業家たちに向かって、「決して、エンドユーザーのデータをだましとってはならない、データに関しては、彼らが正当な理由をもって望むのであれば、その扱いに関する自由を与えなければならない。われわれは検索エンジンのデータでもこのことを実践しようとしている。そうすれば正直でいられる」と説いた。

画面1:ユーチューブの動画共有サイト「YouTube

 「2006年は大きな事件があった」とシュミット氏。同氏は、2006年10月、グーグルが買収で手中にしたユーチューブ画面1)の大成功を例に挙げ、「動画がインターネットの基本データ形式となった」と宣言した。

 モルガン・スタンレーの金融アナリスト、メアリー・ミーカー氏は、インターネット・トラフィックの60%がおそらく金銭化されていないビデオのP2P共有であることを示す統計を示した。そして同氏は登録ユーザー数が1億3,600万人で、年率80%もの伸びを示している「Skype」の例を挙げた。「Skypeは、おそらく史上最も速く成長している製品だろう」(ミーカー氏)

だれが勝者となるのか

写真3:インタラクティブ・コープ(IAC)の会長兼CEO、バリー・ディラー氏(右)と、コンファレンス議長のジョン・バッテル氏 Photograph by James Duncan Davidson/CMP Media/O'Reilly Media

 マイクロソフトやアドビシステムズ、そしてインテル。コンファレンスには、長らくインターネット・テクノロジーの最前線で活躍している大手ITベンダーも多数参加した。彼らは今、Web 2.0のムーブメントを自社戦略に取り入れ、さらなるイノベーションの創出のための経営改革を図ろうとしている。

 また今年は、インタラクティブ・コープ(IAC)の会長兼CEO、バリー・ディラー氏(写真3)やニューヨーク・タイムズ会長兼同紙発行人のアーサー・サルズバーガーJr.氏(写真4)といった米国メディア界の大物もステージに登壇し、注目を集めた。アバウト・ドットコム、アスク・ドットコム、チケットマスター、マッチ・ドットコムなど彼らが手中にした企業は、すでにWeb上でかなりのプレゼンスがあるが、彼らの場合、前時代的な巨大企業にとっての潜在的脅威であるユーチューブやマイスペース・ドットコムといった成功事例をキャッチアップするために参加したと思われる。

写真4:ニューヨーク・タイムズ会長兼同紙発行人のアーサー・サルズバーガーJr.氏 Photograph by James Duncan Davidson/CMP Media/O'Reilly Media

 このような激しい競争を勝ち抜くのはだれか。

 「最も長いしっぽを振っている犬はどこにいるのだろうか」。ご存じ、Web 2.0の提唱者でWeb 2.0 Summitのオーガナイザーであるティム・オライリー氏(写真5)は、ステージ上からWeb 2.0の基本的概念の1つであるロングテールに掛けて講演の聴講者に尋ねた。以下では、今回のコンファレンスで示唆に富むプレゼンテーションを行った“勝者候補”たちのテクノロジーやイノベーションを多く紹介したいと思う。

 もちろん、プレゼンを行わず、聴講参加した起業家たちの中から勝者が出てくる可能性も高い。それが正にWeb 2.0である。


写真5:Web 2.0 Summitのホスト役を務めたティム・オライリー氏 Photograph by James Duncan Davidson/CMP Media/O'Reilly Media

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