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[米国]
ODFの推進団体、W3C推進のフォーマットに“鞍替え”

「ODFよりもCDFのほうが将来性ある」と団体幹部が発言

(2007年10月30日)

 Open Document Format(ODF)の普及を旗印とする推進団体の1つが、ODFを見捨ててW3C(World Wide Web Consortium)推進のドキュメント・フォーマットを支持し始めた。これにより、あらゆるオフィス・ソフトで扱える標準的なファイル・フォーマットを普及させるという“崇高な”目標は水泡に帰そうとしている。

 ODF推進団体のオープンドキュメント・ファウンデーションは、ソフトウェアやハードウェア、デバイスにかかわらず、あらゆるドキュメントに汎用のファイル・フォーマットを促すことを目的に2002年に創設され、最近までその存在意義であるODFに専念してきた。ODFはすでに国際標準化機構(ISO)により標準規格として承認されており、現在は標準化団体OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)の監督下で標準化が進められている。

 ところが、オープンドキュメント・ファンデーションのバイスプレジデント兼ビジネス担当ディレクター、サム・ハイザー氏は先ごろ、W3CのCompound Document Format(CDF)のほうがODFよりも汎用フォーマットとして将来性があるとの見解をブログに投稿し、その理由について次のように説明した。

 まず、汎用フォーマットであるためには、マイクロソフトがODF対抗の標準フォーマットとして推進するOfficeスイート向けフォーマット「Office Open XML(OOXML)」を含む、同社のレガシー・フォーマットとの完全な互換性が求められる。また、デスクトップとサーバ、デバイスのコンバージェンス(収束化)や、クロスプラットフォームのポータビリティ、ベンダーからの独立性といった点でも、CDFのほうが条件を満たしているとしている。

 ハイザー氏は10月29日、IDG News Serviceの電話インタビューに対し、ODF最大の支援企業である米国サン・マイクロシステムズが今年2月に、Officeフォーマットとの互換性をODFに任せるよりも、同社の「StarOffice」スイートと、そのベースとなるオープンソース・ソフト「OpenOffice」をマイクロソフトのOfficeフォーマット互換にすることのほうに興味があると表明したことが、ODF支持を失い始めるきっかけになったと語った。

 同氏は、「サンはJavaなどの互換性に関してマイクロソフトから20億ドルの支払いを受けており、Office 2007向けのデフォルト・ファイル・フォーマットであるOOXMLとODFとの互換性向上に関心を失ったのは、それと何か関係があるのではないか」と疑っている。

 ハイザー氏のコメントに対し、サンのコーポレート・スタンダード・グループ担当マネジャー、ダグ・ジョンソン氏は、「それはまったくの誤解だ」と述べている。ジョンソン氏によると、サンは今でも多数のIT基盤でODFを支持しており、ODFと他のドキュメント・フォーマットの互換性に向けて引き続き努力していく方針であるという。

ハイザー氏発言にODF支持者からは非難の声

 ODFの支持者はオープンドキュメント・ファウンデーションの“心変わり”に憤りを感じているようだ。米国マサチューセッツ州ボストンの法律事務所ゲスマー・アップデグローブの創立者兼パートナーで、ODFを支持するアンドユー・アップデグローブ氏は、「ODFを支持する目的で作られた団体が、その標準とは逆の方向に進んでいるのは残念でならない。ODFを支持することで免税の恩恵を受けているとなればなおさらだ」と怒りをあらわにしている。

 また同氏は、「ODFは今後も世界中で幅広い支持を得ていくだろう。今さら別の道を追求するのでなく、すでに順調に進んできた世界的な取り組みをいっそう進めていくほうが得るものが大きいと思う」との考えを示している。

 同じくODFを強く支持している米国IBMの標準/オープンソース担当バイスプレジデント、ボブ・スーター氏によると、IBMはあらゆるドキュメントに対する唯一の標準として今後もODFを支持し続けていく計画であるという。「ODFは最も有望なフォーマットであり、今は広く普及する絶好のチャンスだ」と同氏。なお、IBMはマイクロソフトのOffice製品に対抗する無償オフィス・スイート「Lotus Symphony」でODFをサポートしている。

 マイクロソフトにとって、ODFコミュニティ内の軋轢は、OOXMLを推進するうえで願ってもないチャンスと言えるだろう。米国マイクロソフトのコーポレート・スタンダード担当ディレクター、ジェイソン・マトゥソウ氏は、「ODFを巡る新たな議論が沸き上がったことから、重要なのはファイル・フォーマットでなく、オフィス・アプリケーションだということがはっきりした」と述べている。

(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Serviceニューヨーク支局)




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