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[フィンランド]
ノキア、Symbianベースの共通モバイル・プラットフォームをドコモらと共同開発へ

シンビアンの完全買収後に非営利団体を設立し、開発成果をオープンソースで提供

(2008年06月25日)

 フィンランドのNokiaは6月24日、携帯電話向けのOSを開発している英国Symbianを完全買収する計画を発表した。同社はすでに48%のSymbian株を持っているが、他企業が出資する残り52%を1株当たり3.647ユーロ、総額2億6,400ユーロ(4億1,000万ドル)で買い取る予定だ。

 Nokiaの声明によると、買い取り予定のSymbian株のうち、91%を保有している4社(英国Sony Ericsson、スウェーデンのEricsson、パナソニックモバイルコミュニケーションズ、ドイツSiemens)はいずれも、NokiaによるSymbian買収に合意しているという。

 韓国Samsung ElectronicsもSymbianに出資している企業の1社であり、現時点ではコメントを発表していないが、Nokiaは同社も株式の売却に同意するものと見ている。

 アナリストらにとって今回の買収のニュースは予測の範囲内だったようだ。通信市場を専門とする英国の調査会社CSS Insightのアナリスト、ジェフ・ブラバー(Geoff Blaber)氏は、「NokiaがSymbianに対して支払ったライセンス費用は、昨年だけで2億5,000万ドルに上る。他の株主への報酬となるこの費用を払い続けるよりも、4億1,000万ドルでSymbianを丸ごと買収したほうが、経営上は得策だ」と語った。

 しかし、買収の理由はこれだけではなく、携帯電話市場における競争の激化が背景にある。「Nokiaは、Symbianの競争力が弱体化することを懸念したのではないか」とBlaber氏は指摘する。

 携帯電話向けのOSプラットフォーム市場では、オープンソースのOSを開発している業界団体LiMo FoundationやAndroidを擁するGoogleなど、既存の商業モデルを崩そうとするライバルが勢力を拡大中だ。Blaber氏は、こうしたライバルの出現にSymbianが直面したことも、Nokiaが買収に踏み切った1つの要因だと考えている。

SymbianベースのOSプラットフォームを開発し、オープンソース化

 Nokiaは買収計画と同時に、共通プラットフォームの開発を目的とする非営利団体「Symbian Foundation」を設立することも発表した。設立メンバーはNokiaとSymbianのほか、Sony Ericsson、米国Motorola、日本のNTTドコモ、米国AT&T、韓国LG Electronics、Samsung Electronics、スイスのSTMicroelectronics、米国Texas Instruments、英国Vodafoneの9社が名を連ねている。設立は2009年上半期になる見通しだ。

共通プラットフォームはSymbian OSがベースとなり、S60、UIQ、MOAP(S)の各種機能が追加される(Symbian Foundationの資料より)

 同団体では、Nokiaの「S60」、Sony EricssonとMotorolaの「UIQ」(UIQ Technologyは別企業だが、両社が出資している)、NTTドコモがFOMAに搭載している「MOAP(S)」などをSymbian OSと統合、その成果をオープンソース・ソフトウェアとして提供する。

 発表によると、AndroidやLiMOと対等な立場で競うため、Symbian OS自体もオープンソース化され、その一部がSymbian Foundation設立時に公開される予定だ。その後、2年間にわたって、さまざまなコードがEclipse Public License(EPL)の下で配布されるという。

 Nokiaでデバイス担当シニア・バイスプレジデントを務めるカイ・オイスタモ(Kai Oistamo)氏は、Symbianを買収し同社の優秀な人材を獲得することが、共通プラットフォームを開発するうえでいちばんの近道だったと述べている。また同氏は、Nokiaが共通プラットフォームの開発に最も貢献するとしても、同社がプロジェクトを支配することはないと強調した。

 共通プラットフォームのベースとなるのはSymbian OSで、その上に他のプラットフォーム技術が部分的に加えられる予定だ。Motorolaのシニア・バイスプレジデントであるアレイン・ミュートリシー(Alain Mutricy)氏は、共通プラットフォームの最初のバージョンを2010年前半にリリースするとコメントした。

 一方、Sony Ericssonの最高技術責任者(CTO)、マッツ・リンドフ(Mats Lindoff)は、Symbian Foundationの設立を、OS開発コストを削減する好機だと見ており、その分を新しいアプリケーションの開発に割り当てることができるとして、同団体の設立を歓迎している。

 今のところ、Nokiaの新しい試みはうまく進むような印象を受ける。アナリストのBlaber氏は成功のカギとして、OSとユーザー・インタフェース(UI)の密接な統合を挙げている。「ネットワーク事業主やチップ製造業者の意見を幅広く取り入れ、OSとUIをより密接に統合できれば、Symbian OSベースのプラットフォームは、通信キャリアや開発者、消費者にとって、より安定性のある魅力的なソフトウェアとして受け入れられる可能性が高い」(同氏)

 なお、米国Gartnerが実施した調査では、2008年第1四半期におけるスマートフォン市場のOSシェア1位はSymbianで57.1%を獲得した。以下、カナダResearch in Motionの13.4%、Microsoft(Windows Mobile)の12%、Linuxの9.1%と続いている。

(Mikael Ricknas/IDG News Serviceストックホルム支局)




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