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[米国] 【今週のウォール街】
米国経済の先行き不安が続く中で、ヤフーの株価が急落

オラクルやレッドハットは新たなM&Aを発表

(2008年09月05日)

 米国のハイテク関連株は、レイバー・デイ(労働の日。今年は9月1日)の休日が明けても下がり続けており、米国Yahoo!の株価は52週間ぶりの安値水準まで落ち込んだ。一方、米国Oracleは、SOA(サービス指向アーキテクチャ)製品を強化するため新たなM&A(合併・買収)に乗り出し、米国Red Hatも、同社が注力を強める仮想化技術分野での地歩を固めるための買収を発表した。

 9月2日の米国株式市場では、小売業界や労働省から景気の先行きにさらに不安を抱かせるようなデータが発表された(米国労働省によると、失業手当の申請が前の週に比べ1万5,000件増えたという)。これを受け、各社の株が軒並み値を下げた。マクロ経済の影響はIT業界にも及んでおり、ハイテク銘柄の多いNASDAQ市場の総合指数は前日よりも74ポイント下がって2259となった。

 Yahoo!株の2日の終値は、前日より1.01ドル安い17.75ドルで、52週間ぶりの安値水準となった。同社の株は、今年2月にMicrosoftが敵対的買収に乗り出した後、19ドルから30ドルに急上昇したが、買収が成立しなかったため下がり続けている。

 Yahoo!は3日、米国Verizon Communicationsとともに共同ブランドのポータルを開設し、新たなブロードバンド・ユーザーの獲得を目指すことで合意したと発表した。また、オンライン広告事業を巡るGoogleとの提携を米国政府が承認するのではないかという期待感も高まっている。

 しかし、これらのニュースも、Microsoftによる同社の買収計画(同社の買収金額は一時1株35ドルまで上がっていた)が頓挫したことで、冷え切ってしまった投資家の心理を好転させるには不十分だったようだ。また、例えGoogleとの提携が承認されたとしても、オンライン広告事業で競争相手に頼らざるをえないという状況に変わりはない。このため、Microsoftの買収提案を一貫して拒否し続けたCEOのジェリー・ヤン(Jerry Yang)氏を解任し、Microsoftの傘下に入らざるをえなくなるのではないかという見方も出ている。

 今年は、サブプライム・ローン問題で壊滅的な影響を受けたプライベート・エクイティ企業によるM&Aが減っているため、M&A総額は昨年に比べ落ち込んでいるが、ITベンダーどうしの戦略的な提携の動きは続いている。

 Oracleは2日、SOA環境で各種のアプリケーションを管理するためのソフトを開発しているClearAppの買収計画を発表した(関連記事)。ただし、その買収金額は明らかにされていない)。OracleがSOA製品ベンダーを含め、これまでに買収した企業をどのように統合していくのかという点については、今後も見守る必要があるが、同社の競合各社がSaaS(Software as a Service)市場に注力するなか、同社が製品やサービスを強化していく必要性を強く感じているのは間違いない。

 仮想化技術の分野では、4日に、Red Hatが1億700万ドルでイスラエルの非上場企業Qumranetを買収した(関連記事)。Qumranetは、Linuxカーネル自体をハイパーバイザとし、各種OSを独立した状態で稼働させる仕組みを持つKVM(Kernel-based Virtual Machine)プロジェクトを推進しているベンダーだ。Red Hatの幹部は、2007年の仮想化製品市場で76.4%のシェアを確保している市場最大手のVMwareに追いつくことが、この買収の目的であると認めている。

 一方、米国半導体工業会(SIA)は、今年7月の世界半導体市場における売上高が前年同期に比べ7.6%上昇したことを明らかにした。PCと携帯電話の販売が好調だったためとされているが、景気後退の影響により伸びが鈍っているとの指摘もある。

(Marc Ferranti/IDG News Serviceニューヨーク支局)




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