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【解説】
グーグル製品の「ユーザー・コンテンツ使用権」問題――同社の見解と専門家の懸念
Google Chromeの利用規約を修正するも、他の製品では引き続き使用権を主張
(2008年09月09日)
「Googleはライセンス規約2とおりの方針を持つ」と専門家
専門家の中には、そもそもGoogleが提供する他のアプリケーションでこの文言が妥当なのかを疑問視する向きもある。「Googleはライセンス規約に2とおりの方針で臨んでいるようだ」とエイブラムス氏は指摘する。「『邪悪なことはしない(Do No Evil)』という同社の信条に従いつつ、その一方でできるだけたくさんの権利を主張しようという方針だ。得られるものはなるべく多く手に入れ、断念せざるをえないときは手を引く。これは企業としてはごく一般的な姿勢だろう」(同氏)
ヤン氏は、Amazon.comやeBay、Facebookなど、サービス利用規約にGoogleと同様の文言を設けているWebサイト/サービスは他にも複数あると指摘する。また、GoogleがPicasaに投稿された写真やBloggerへの投稿をどう利用できるかも、著作権の条項における次の文章でしっかり制約されていると力説する。「当ライセンスは、Googleが各種サービスを表示、配信、プロモーションすることだけを目的とし、各サービスの追加規約に定められているとおり、特定のサービスには適用されない」という文章だ。
IDG News Serviceがヤン氏に取材したところ、「Webサイトにコンテンツを表示するために必要なサービス利用規約は、他のアプリケーションには該当しないことがある」とのことだ。現在、同社はGoogle Chromeの利用規約に著作権の文言を“入れ間違ってしまい”、他の製品についても著作権の文言を見直しているところだという。
「Googleとしては、ユーザーがインターネットでやりとりするすべてのコンテンツにライセンスを主張する意図などない。(包括的なサービス利用規約は)かなり範囲の広いライセンスだが、あくまでユーザーにサービスを提供するために必要な範囲で適用するだけだ」(ヤン氏)
そうはいっても、PicasaやBloggerなど、Googleの製品/サービスには、まだ著作権条項が存在するものがあり、Googleがユーザー・コンテンツを同社のサービス・プロモーションに利用できることに変わりはない。これにより、例えば、同社が製品のリアルタイム・デモンストレーションや販促資料などに利用する可能性はある、とヤン氏は説明する。
ヤン氏に、Googleがユーザー・コンテンツを許可なく広告キャンペーンに利用する可能性はあるかと質問したところ、Googleの社内規定上、それはないだろうとの答えだった。「Googleがユーザーの許可なくコンテンツを売ることはない」(ヤン氏)
社内規定ではなく、EULAの内容が肝心
こうしたGoogleの見解に対し、著作権問題を専門とするバージニア州フレデリスクバーグのアンドリュー・フルシェ(Andrew Flusche)氏は、Googleの社内規定でエンドユーザーの保護をどう保証できるのかと疑問の声を投げかける。
「Googleの社内規定などいつでも変えられる。ユーザーにとって唯一の頼りはEULAだ」とフルーシェ氏。同氏は、このEULAの内容により、「例えばGoogleはPicasaの写真をフルカラーで書籍化し、販促資料として出版できると定めることもできるのだ」と警告する。
フルーシェ氏は、「たしかにGoogleの言うとおり、同様の著作権条項は多くのWebサイトで散見される」と認めたうえで、「だが、それとこれとは別の話だ。利用規約がいまだユーザーにとって不利なことに変わりない。数百万のエンドユーザーを抱える巨大企業にはありがちなことだが」と不満を漏らす。
「ただし、Googleからすればユーザー・コンテンツを製品の販促に利用してもメリットがほとんどないことから、これには慎重な姿勢で臨むはずだ」と法律的なアドバイスを提供するWebサイト、米国Avvo.comで事業開発担当バイスプレジデント兼法務顧問を務めるジョシュ・キング(Josh King)氏は分析する。
「Googleが主張する権利は広範囲に渡るが、実際にはそれほど積極的に権利を行使することはないだろう。“邪悪なことはしない”という彼らの信条を今後も守ってくれることを望むほかない」(キング氏)
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