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[米国]
ホワイト・スペース開放を迫るグーグル――創業者ペイジ氏、「大統領選前に開放を」

開放慎重派はペイジ氏の見解に反論

(2008年09月26日)

米国Googleの共同創業者兼製品部門担当社長ラリー・ペイジ(Larry Page)氏が、米国連邦通信委員会(FCC)が最近実施した電波干渉実験を「公正さを欠く」と批判している。こうした同氏の発言は、いわゆる「ホワイト・スペース」と呼ばれる空白周波数帯を開放することに消極的なFCCや一部企業を牽制するねらいがある。

Grant Gross
IDG News Serviceワシントン支局

FCCの電波干渉実験に噛みついたペイジ氏

 ペイジ氏は9月24日、ワシントンD.C.で開催された、ホワイト・スペース周波数帯の開放を促進する「Wireless Innovation Alliance(WIA)」の集会に参加し、FCCが最近実施した電波干渉実験をやり玉に挙げた。

米国Googleの共同創業者兼製品部門担当社長、ラリー・ペイジ氏

 この実験は、未使用のテレビ放送波を用いて無線ブロードバンド接続サービスを提供するときに電波が干渉するかどうかをチェックするというもの。メリーランド州で開催されたプロのアメフト試合中に行われ、FCCが無線マイクへの干渉度合いを計測した。

 同実験に対しペイジ氏は、当該のマイクで使用されていた周波数帯には強力なテレビ信号も流れていたと説明。「誤った信号との干渉が計測された」と述べている。

 このマイクは、現在は使用されていないテレビ局用の空白周波数帯上で動作する仕様になっている。強い信号を発しているテレビ局が同じ周波数帯を使用しているなかで、ホワイト・スペースに対応した試作品が無線マイク向けの微弱な信号を検出するのは不可能に近い、というのがペイジ氏の見解だ。

 「最初から無理な話だ。無線マイクの信号ではなくテレビ局の信号をキャッチしてしまうのは当たり前。FCCの実験は公正さを欠いていた」(ペイジ氏)

 FCCが故意に不公正な実験を行ったという見方については、ペイジ氏は「ありえない」と述べている。とはいえ、同氏は具体的な社名こそ挙げなかったものの、今回の実験に無線マイク製造企業がかかわっていた可能性を否定しなかった。

ペイジ氏の見解に開放慎重派から反論相次ぐ

 ホワイト・スペース対応デバイスに反感を示す企業は少なくない。なかでも、National Association of Broadcastersと無線マイク製造企業は、彼らの製品が発する信号が干渉を受けるおそれがあると繰り返し主張してきた。また、一部の携帯電話キャリアも、新しいブロードバンド・デバイス向けにホワイト・スペース周波数帯を開放することに反対している。

 その理由は簡単である。同周波数は、キャリアがこれまで多額の投資を行い確保してきた周波数帯の“ライバル”になりうるからだ。こうしたことから、ホワイト・スペース開放を巡る議論は激しさを増している。

 ペイジ氏はFCCに対し、今年11月の大統領選および議会選挙前に、ホワイト・スペースをブロードバンド・デバイスに開放するよう要請した。さらに、ほかのデバイスに干渉しないのであれば、無免許デバイスの製造や同デバイス向けの周波数帯における使用をFCCは原則的に許可すべきだと説いている。

 「干渉問題を引き起こさないデバイスの製造を禁止する権利は、世界中のだれにもない。実にばからしく、でたらめな事態が起こっているのが現状だ」(ペイジ氏)

 こうしたペイジ氏の発言について、FCCの広報担当者にコメントを求めたが、現時点では得られていない。

 一方、高性能マイクやヘッドホンなどの開発・製造で知られる米国Shureは、ペイジ氏の見解に異を唱えている。同社広報部門の上級ディレクターであるマーク・ブラナー(Mark Brunner)氏は、FCCの実験は適切かつ慎重に行われたと述べている。

 「FCCは、音声工学や実際の運用例に基づき、無線マイクの実地テストを綿密に計画したうえで慎重に行った。検証リポートはまだ発行されていないものの、一連の実験はすべて公にされている。結果を信用できないのなら、(Google自身で)これに参加し、いくらでも監視することができたはずだ」(ブラナー氏)

 また、WIAのイベントが開かれた上院議員会館のかたわらで、下院では民主党の議員が無線マイク信号を保護するようFCCに要請する声明を出した。テネシー州選出の民主党下院議員ジム・クーパー(Jim Cooper)氏と、ニューヨーク州選出の民主党下院議キャロリン・マローニー(Carolyn Maloney)氏の2人である。

 両氏は、「これまでFCCが実施した実験では、ホワイト・スペース対応デバイスが問題なく動作するという確証は得られていない」と発表声明に記している。FCCが実施してきた数々の実験において、ホワイト・スペース対応の試作デバイスは機能しなかった。これは、同デバイスがテレビ局や無線マイクの電波による干渉を受けたからではなく、デバイス自体が動かなかったからだという。

 「今回の問題は、テクノロジーによってのみ解決できるものだ。実のところ、FCCがみずからの研究所やフィールドで行った実験では、こうしたホワイト・スペース対応デバイスが無線マイクおよびテレビ信号を確実にキャッチできる証拠は見つからなかった。イノベーションを促し、公共電波の有効利用を後押しすることがFCCの役目だという考えには賛成だが、社会に大きな利益をもたらしている無線マイクを犠牲にしてまで新たな変化を歓迎する必要はないと考えている」(両氏の発表声明)


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