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[米国]
通信事業者とグーグル、ネット中立性を巡り応酬
「帯域幅占有」批判にグーグルが猛反論
(2008年12月08日)
ネット中立性を巡って米国の通信事業者とGoogleが火花を散らしている。米国の調査会社Precursorが12月4日、インターネットの帯域幅を不当に低いコストで消費しているとしてGoogleを批判した調査リポートを発表すると、これに対してGoogleは即座に反論を行い、同リポートをこき下ろした。
Precursorは、AT&TやVerizon Communicationsなどの大手通信事業者から資金提供を受けている調査会社。同社アナリストのスコット・クレランド(Scott Cleland)氏は4日、Googleがインターネットの帯域幅を占有しているとの調査リポートを発表した。
| Precursorのアナリスト、スコット・クレランド氏が12月4日に発表した調査リポート。Google批判を展開している |
この調査リポートによると、Googleは、同社が通信事業者に支払っている金額に見合う帯域幅の21倍以上を使用しているという。その量は、米国の消費者による今年のインターネット・トラフィックの16.5%に相当するとともに、2009年には25%、2010年には37%に増加する見通しだとしている。
同リポートの中でクレランド氏は、帯域幅を最も使っているGoogleのコスト負担が他ユーザーに比べて非常に低いのは不公平だと指摘。インターネットにまつわるコストをGoogleが公正に負担するようになれば、多くのユーザーがもっと手頃な料金でインターネットを利用できるようになると述べている。
一方、Googleは同リポートへの反論を、公共政策などの問題を扱っているGoogle Public Policy Blogに掲載した。
ワシントンでGoogleの電気通信/メディア対応顧問を務めるリチャード・ウィット(Richard Whitt)氏はPublic Policy Blogの中で、クレランド氏は電話会社やケーブル会社から報酬を得ており、完全に中立の立場とは言えないと指摘した。
続いてウィット氏は、クレランド氏のコスト見積もりが「過大」になっているとしたうえで、「当然のことながら、クレランド氏は、ネット中立性を巡る議論の中で得点を得たいと考えているようだが、方法論と事実認識の面で重大なミスを犯したため、その結論の信頼性が損なわれてしまった」と批判した。
クレランド氏の「重大なミス」について、ウィット氏はこう記している。「一般家庭のブロードバンド接続とインターネット全体の利用状況とを結び付けるのは論理の飛躍だ。消費者は、自分たちが利用できるブロードバンドの帯域幅を使って当社のアプリケーションを自発的に選んでいるのであり、当社がこの帯域幅を使っているわけではない。当社が消費者のブロードバンド接続の一部を使っているという主張には、インターネットの実情に関する根本的な事実誤認がある」
クレランド氏はGoogle攻撃の急先鋒として知られるアナリストである。ウィット氏はクレランド氏の調査リポートを「電話業界やケーブル業界からの資金を得て作成された御用学者の産物」と呼び、消費者が直面する問題の解決にも役立たないと一蹴した。
GoogleやMicrosoftなどの大手インターネット企業は、支払う料金の額に応じてネットワークのパフォーマンスに差をつけるというAT&TやVerizonなどの方針に強く反対しており、小規模サイトの運営者たちもこうした批判に同調している。「ネット中立性」という言葉は、アクセスのパフォーマンスと料金を2段階にしようとする動きに反対しているこれらの人々が使い始めたものだ。
ちなみに、Googleの共同設立者で社長のセルゲイ・ブリン(Sergey Brin)氏は、今年夏に米国議会の議員たちと会談し、高速コンテンツ配信を行うWebサイトに対するプロバイダーの割増料金請求を禁じる立法措置を強く求めている。
(Sharon Gaudin/Computerworld米国版)
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