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Google ウォッチ

[米国]
「今後1年間でGoogle Docsは劇的に進化」――グーグル幹部が明言

Microsoft Officeのリプレースに本腰

(2009年06月08日)

 「Google Docsは、いまだ発展途上の段階にあるが、今後1年間で劇的改良される」――6月4日に開催された「The Bank of America and Merrill Lynch 2009 U.S. Technology Conference」で、Googleのエンタープライズ事業部担当プレジデント、デイブ・ジロード(Dave Girouard)氏がこのように述べた。

 ジロード氏は、Google DocsはまだMicrosoft Officeやオープンソースの「OpenOffice」に代わる“完全な”代替品とは言えず、改良には多くの作業が必要だと認めたうえで、「今後、大々的な改良を施していく」と語った。さらに、Docsのワープロ、スプレッドシート、プレゼンテーションに関し、「1年後には、現在とまったく異なる製品になっているはずだ」と述べた。

 以前からGoogleは、DocsはMicrosoft Officeの全機能を備えているわけではないが、競合製品にはないコラボレーション機能を提供している点を強調していた。ジロード氏は、Docsのどの機能を改良するのか具体的には述べていないが、同氏の発言には、ほかのオフィス・スイートの代替品として信用を得るにはユーザー・エクスペリエンスの改善が必要であるという考え方が反映されていた。

 ジロード氏は、Webキャストによるプレゼンテーションで「GmailやGoogle Calendarはより成熟した製品であり、企業がコラボレーション/コミュニケーション・スイートのGoogle Appsを採用する際の決め手となっている場合が多い」と述べた。Google Appsには、Docsも含まれている。

 Googleは、Google Appsにおいても、ホステッド型アプリケーション開発環境の「Google App Engine」を売り込む努力を続ける構えだ。Google App Engineは、一定期間の限定リリースを経て一般公開されており、最近Javaサポートも追加された。

 ジロード氏は、GmailやCalendarについてもCIO(最高情報責任者)やITマネジャーを対象とした改善・強化を続けるとし、近々リリース予定の「Apps Connector for BlackBerry Enterprise Server」にも言及した。また、「Apps Premier」について、「景気後退とIT予算の削減を受け、Google AppsのPremier版への関心が急激に高まっている」と述べた。

 Apps Premierは、Google Appsスイートの最上級版で、ユーザー1人当たり年間50ドルで利用できる。Gmailに広告を掲載する無料サービスのStandard版は、最大ユーザー数が50人となっており、Premier版では50人以上のユーザーを抱える企業が対象だ。さらに、学校や大学を対象とした無料の「Education」版もある。なお、Google Appsユーザーの大半は、小規模企業だ。

 ジロード氏は、「Appsを採用する大企業が、徐々にではあるが順調に増えていることは喜ばしい」としながらも、Webホステッド・アプリケーションのセキュリティに対する懸念が、いまだに大きな障害となっていることを認めた。

 「この分野はまだ歴史が浅く、CIOの多くが、自社のデータを社内ファイアーウォールの外に出し、他社のデータセンターに預けることに恐怖を抱いている。こうした懸念は的外れであり、データは自社のデータセンターに保管するよりもGoogleのデータセンターに預けるほうが安全だ」(ジロード氏)

 ジロード氏は、Google Appsの採用を妨げるもう一つの要因として、数万人の社員が使用するソフトウェアを変更することにCIOが消極的であることを指摘した。「5万人のエンドユーザーが毎日使う製品を完全に一新するという考えは、確かに気が遠くなる」と同氏。

 「だが、数週間に1度のペースで、1万人以上のエンドユーザーを抱える大企業がAppsに移行している。そのたびに、このスイート自体、さらにはSaaS(Software as a Service)モデルに対する勢いや自信が増していく」(ジロード氏)

 また、同氏は「CIOがSaaSやクラウド・コンピューティングを理解するうえで妨げになっていることの1つに、多くのベンダーがマーケティングを成功させようと、こうした言葉を急に多用しだしたことがある。今や、あらゆる企業がクラウドを手掛けているだが、大半は5年前にやっていたことを単に言い換えているだけだ」と指摘した。

 ジロード氏は、特に仮想化技術を使ったカスタマー・データセンターを“プライベート・クラウド”と呼ぶのが気に入らないという。「そんなものはクラウドではない。“より効率的なデータセンター”とか“購入したサーバの効率化”と言うべきだ。真のクラウドを大規模に展開している行っているのは、Google、Salesforce.com、Amazon.comといったベンダーである」(同氏)

 ジロード氏によると、Googleのエンタープライズ事業部は、数億ドルの売上高を記録する黒字部門で、現在成長中である。収益の大半をオンライン広告で賄うGoogleにとって、同事業部の売上高は総売上高のわずかを占めるにすぎないが、同氏の狙いは、その割合を高めることはではない。「私は、Googleの他部門と競争しているのではない。長い期間をかけて、非常に大きなビジネスを確立したいのだ」と同氏。

 「われわれの部門が、2009年の当社の売上や利益を主導することはないし、おそらく2010年もそうはならない。それでも、何年も時間をかければ成長し、非常に大きなビジネスを確立することができるだろう」(ジロード氏)

(Juan Carlos Perez/IDG News Service マイアミ支局)




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