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[米国]
イーベイのスカイプ買収に業界からは疑問と懸念の声

(2005年09月12日)

 米国イーベイは9月12日、スカイプ・テクノロジーズを買収することで合意したと発表した。この買収により、イーベイは、オンライン・オークションの利用者がスカイプのVoIP通話技術で言葉を交わせるようにする計画だが、それに対して疑問を呈するアナリストが少なからずいる。また一部では、スカイプ買収が、中国におけるイーベイの市場展開の足かせになるとの指摘もある。

 イーベイのCEO、メグ・ホイットマン氏は、今回の買収に関連して、「オンライン・オークションの当事者が直接口頭でやりとりできるようにすれば、電子メールやインスタント・メッセージング(IM)では難しかったスムーズなコミュニケーションが可能になる」としている。だが、一部のアナリストは、そうしたリアルタイム・コミュニケーションがオンライン・オークション販売の助けになることはなく、むしろ阻害してしまう可能性のほうが高いと指摘する。

 米国ジュピターリサーチ(ジュピターメディアの一部門)のアナリスト、イアン・フォグ氏は、「言語についてのスキルが問題になるだろう。特に欧州ではそうだ」と語り、「電子メールで、伝えたいことを外国語、例えば、英語で書くことはできるかもしれない。しかし、電話で誰かと外国語でリアルタイムに対話するとなれば、話は別だ」と主張する。

 またフォグ氏は、この種の形式のコミュニケーション手段を顧客が利用できるようにするためには、イーベイはVoIP会社を買収する必要はなく、提携で十分なはずだと示唆した。

 一方、スカイプ買収は、イーベイの中国におけるビジネス拡大計画に展開を難しくする可能性も指摘されている。なお、ライバルの米ヤフーは最近、中国のオンライン・オークション運営大手の阿里巴巴(アリババ・ドットコム)に40%出資して、自社の中国事業も同社に移管している。

 先週、中国の2大通信事業者の一つである中国電信(China Telecom)が、中国北部で摘発を行なった。スカイプの有料サービスの一つ「SkypeOut」を利用してPCから国際電話を掛けていたインターネット・ユーザーの取り締まりを開始した。SkypeOutやその競合サービスでは、利用者が自分のPCから一般電話へ、割安に電話をかけられる。

 中国の現行法規のもとでは、PCから一般電話への通話サービスは厳しく規制されており、PCと一般電話を接続するVoIP通話サービスを提供することは、認可を得た得た通信事業者にしか許されていない。中国電信の広報担当者によると、同社と中国網通(China Netcom)だけが、かなり限定された形で多少の試験運用を実施することを許可されているという。

 最近まで、中国の通信事業者は、中国国内の利用者が無料の「Skype」ソフトウェアをダウンロードするだけでなく、有料の「SkypeOut」通話サービスを利用するのを、静観する立場を取ってきた。だが、どうやら中国の電話会社は、かなりの顧客によるVoIP通話サービスへの切り替えに直面して、収入の減少を懸念し始めたようだ、と中国在住のアナリストが匿名を条件に語った。

 同氏が匿名を望むのは、中国の通信事業者がこの話題に過敏になっているためだという。SkypeOutを利用しないように警告した後にもSkypeOutを介した通話を続ける利用者に対し、ブロードバンド・インターネット・サービスを停止する通信事業者が現れる可能性もある、と同氏は指摘している。

 香港のトム・オンラインは、中国の利用者にスカイプ・テクノロジーズのソフトウェアの中国語版を提供するために同社と合弁企業を設立しているが、「当社がスカイプ・テクノロジーズと共同で推進しているサービスはPCからPCへのサービスであり、PCから一般電話へのサービスは含まない」とトム・オンラインの関係者は強調している。

 このトム・オンライン関係者によると、すでに中国で340万人を超える人々がSkypeソフトウェアをダウンロードしたという。中国では、PC間の音声通話は特に物議を醸していないが、PCから国外の電話機を呼び出す通話は、激烈な感情的反応を呼び起こす問題になってしまった。通常の国際通話ならば通信事業者がかなりの国際通話料を収入として得られるはずだからだ、と同氏は語っている。

 スカイプ買収によって、イーベイはこの問題に対処しなければならなくなる。「これによって、同社への注目度は悪い意味で高まる」と、北京の通信コンサルタント会社、BDA(BDA China Limited)のマネージング・ディレクター、ダンカン・クラーク氏は述べている。

 だが、イーベイのホイットマン氏は、この中国の出来事や、米国においてVoIPによる「911」緊急番号サービスの提供義務付けやインターネット通話への課税の検討など、直面しうる規制上のハードルは大きなものではないと強調した。

(Originally reported by John Blau and Dan Nystedt, IDG News Service 09/12/2005)




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